『新しい共通テスト 国語対策問題集 実践レベル』 方丈記

「に」の識別

1
傍線部「に」の文法的意味として最も適当なものを選べ。(立命館大)

「こはいかに」とあやしくおもふほど、この僧ども立ちかこめて、その中に一人葛縄を持ちて、唯蓮房にうちかけけり。(古今著聞集)
① 断定の助動詞
② 接続助詞
③ 格助詞
④ 完了の助動詞
⑤ 動詞の一部
⑥ 打消の助動詞

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解答 ③

2
傍線部「に」と文法的に同じものを、次の中から一つ選べ。(関西学院大)

神無月の一日、あるべき事に事を添へ、さらぬほどの事だに、ものの故深う心にくくおぼえ給へる大臣の御心おきてなるを、いみじかりし*藤壺の御参りに、ひときは人の目驚くばかりと、同じ空薫き物の匂ひも、雲の上まで通るばかりとぞ、整へさせ給へりける。弘徽殿御         局はせさせ給へり。(風につれなき)
*藤壺…右の大臣の娘で、三位中将の異母妹。三年前に女御として入内していた。

① それに、これはいとこよなく進みためるは。

② のどかに二心なくて見たまはむをだこそ、はなやかならぬ慰めには思ふべけれ。

③ 四十余ばかりにて、いと白うあて痩せたれど、

④ さらずとも、かくめづらかなることは、世語こそはなりはべりぬべかめれ。

⑤ 河原過ぎ、法性寺のわたりおはします、夜は明けはてぬ。

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解答 ④

3
傍線部「に」と文法上の分類および用法が最も近いものを選べ。(関西学院大)

時雨さし寄りて、「何をか包み申すべき。しかじかの方より御前へ捧げ奉り、一筆の御返事をも伺ひて得させよと頼む、いなみがたくて、恐れながら捧げ奉るなり。何かは苦しう候ふべき。笹の小笹の露の間の御情けはあれかし」とわぶれば、(俵藤太物語)
① 敵を前に置きながら、矢一つだにも射ずして待ちゐたるが、あまりに心もとなう覚ゆる、高直はまづ城の内へ紛れ入りて、一矢射んと思ふなり。

② 御髪いとこちたく、五重の扇とかやを広げたらんさまして、少し色なるかたにぞ見え給へど、筋こまやか、額より裾までまよふ筋なくうつくし。

③ まづ銀の鉢の口一尺五六寸ばかりなる、水飯をうづだかに盛りて、同じき匙をさして、青侍一人重げに持ちて前に置きたり。

④ この度のいけにへを出ださずして、その女君を、みづからに預け給ふべし。死に給はんも同じことこそおはすれ。

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解答 ①