『新しい共通テスト 国語対策問題集 実践レベル』 臨安春雨初霽／漢詩の歴史

＊花事…春に花をめでたり、見て歩いたりすること。
＊坐輿可許子猷過…子猷は東晋・王羲之の字。竹好きの子猷は通りかかった家に良い竹があるのを見つけ、感嘆して朗詠し、輿に乗ったまま帰ろうとした。その家の主人は王子猷が立ち寄るのを待っていたので、引き留めて歓待し、意気投合したという故事を踏まえる。

＊晁卿衡…唐に渡って皇帝に仕えた阿倍中麿（仲麻呂）の唐風の名前を「晁衡」という。李白と交遊があり、日本に帰国した中麿の乗船便遭難の報を聞いて詠んだ詩である。なお死んだと思われていた中麿は生きて長安に返りそのまま唐の皇帝に仕え没した。
＊蓬壺…中国東方の海の中にある蓬莱山（神仙の住むところだという）のこと。ここでは日本列島を意味する。
＊蒼梧…古代の伝説的王である舜が行幸中に崩御した場所で墓があると伝える（湖南省遼東県。内陸部）。

＊落魄…おちぶれること。
＊官裏…役所。
＊這回断送老頭皮…こんどこそは頭の皮をめくられてしまうでしょう、の意。