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プレイスメントテスト「English Level Test」の導入事例
実践女子大学 英文学科 様

投稿日: 2024年9月6日

 全国の女子大学の中でも常にトップレベルの就職率や人気を誇る実践女子大学様。今回は英文学科主任の土屋結城教授から、大学或いは学科として、国際化や英語教育等の環境変化に対応した多様な取り組み、またその一環として刷新されたプレイスメントテストの運用手法として弊社がご提供している「English Level Test」を導入頂いた経緯や運用状況について、お話をお伺いしました。

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実践女子大学英文学科 土屋 結城 教授
プロフィール

津田塾大学学芸学部英文科卒、津田塾大学大学院文学研究科英文学専攻
後期博士課程単位取得満期退学。
レディング大学修士課程修了。
2007年実践女子大学に着任。2022年より現職。

Q1. 実践女子大学様および英文学科様の特色について教えてください。

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 実践女子大学は2024年に創立125周年、英文学科は創設100周年を迎えました。この伝統の上に新しい学びを構築しているのが特徴と言えます。

 

 さらに大学全体としては、社会と連携して実践力を磨く独自のキャリア形成プログラムを展開し、その結果として実就職率は、全国の女子大学でも高水準を誇り、実就職率ランキング2023では女子大学で2位の位置につけました(注:卒業生1000人以上)。本学のキャリアサポート部はキャリア形成支援に力を入れており、一人ひとりの状況に応じた個別相談や低年次から自身のキャリアについて考える機会を提供するなど、手厚い支援をしています。

 英文学科としても、きめ細かな学科教育やキャリア教育を提供するだけでなく、その基盤として教員と学生の距離感を近く保ち、学生と良い関係性を築きながら教育を提供する環境を創っています。

 英文学科は昔から就職率が高く、キャリアサポートと学科指導により、卒業生は堅実であり、就職先の企業様にも卒業生の良いイメージを持って頂いています。元々英語が好きな学生や女性の生き方に関心の高い学生が多く本学科に入学していますが、今年から新しいカリキュラムを編成し、英語力の向上に加えて、ジェンダー表象の研究・教育にも一層の力を注いでいます。自分のキャリアを開拓している女性たちのことを学生に紹介して刺激を与えるような教育を展開し、低学年のうちから専門科目を学べるようにカリキュラム編成を配慮しています。

Q2. 近年の入学生の傾向について変化はありますか?

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 最近では、推薦系入試を受験し入学する学生も増え、堅実に勉強するのが得意である一方で、短い時間制限の中で多くの問題を解くタイプの試験を受験した経験は多くないというような、独特の傾向があるように感じることがあります。その一例として、TOEIC(R)L&R TESTなどのアチーブメントテストにおいては、試験に慣れているかどうかが、ある程度スコアに関係してくるように思います。

 高校での科目名は「英語」から「コミュニケーション英語」に変わったと思いますが、高校で教えられていることとしては、新しい内容を取り込みつつも、以前からの連続性が完全に失われているわけではないと思います。例えば、リスニングやスピーキングの学習機会は多くなっている印象ですが、語彙力や読解力の重要性も軽視されているわけではないと思います。

 一方で、学生にとっては英語を用いることのハードルが下がっている印象があり、SNS等のツールを有効活用して英語で発信することに対して意欲的な学生もおり、総じて英語を用いて行うコミュニケーションに積極的に取り組んでいると思います。

Q3. 学生の英語力の多様化への対応策として、どのようなことを実践していますか?

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 習熟度別クラス編成をするために20年くらい前からプレイスメントテストを実施し、学生の習熟度に応じて、4~5クラスに編成しています。


 自身の英語力に合ったペースで学習を進めることができるため、概ね、当学科の場合には4~5クラスの編成で英語教育を行うことに合理性があると判断しています。

 カリキュラムを本年度から変更しており、1年生は「Comprehensive English」(総合的な英語力向上を目的とした授業)と「Basic Presentation」(ネイティブ教員による、英語を用いたプレゼンテーション能力の向上を目的とした授業)の必修科目において習熟度別授業を行っています。「Comprehensive English」の授業は1・2年次に開講され、リーディング・ライティングに加えて、語彙力の向上や文法理解等も意識しながら教えていくというスタイルをとっています。

 2年次以降の授業としては、英語で英語を学ぶCLIL(内容言語統合型学習)を導入致します。比較的早い段階から、専門的な内容について英語で学び、理解を深めることを 目的としています。

Q4. 本年度より、桐原書店が販売している『English Level Test (以下「ELT」) 』をプレイスメントテストの運用にご採択頂きました。採択理由を教えてください。

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 従来、紙媒体でプレイスメントテストを実施していましたが、数年前から本学では、学生の計画的な履修を進めるために、履修登録の日程を早めています。紙媒体のテストでは、スコアの入手に数日かかり、学生の計画的な履修登録を円滑に進められなくなってきていました。

 本学科では入学後に学生を集めて一斉にテストを実施しているので、短時間で実施できることがプライオリティであり、なおかつ、なるべく回線への負荷も小さいシステムが良い、という条件でサービスを探していたところ、ELTがその条件に当てはまりました。

 前年11月に在学生に協力してもらいトライアルテストを実施したところ、問題なく受験を行うことができました。2024年度に入り、4月3日にプレイスメントテストを実施してその日の夕方にはクラス分けを発表することができました。事前に運営上のトラブルの懸念が払拭されていたことにより、安心してプレイスメントテストを実施することができました。

Q5. ELTを実際にご活用頂いた感想はいかがでしたでしょうか?

 幾つかの点において、本学に合っている点がありました。具体的には以下のとおりです。

①ユーザーインターフェイスが日本語表記であること
 日本語話者の学生にとっては理解しやすく、限られた時間で運用しなくてはならない状況下においてもスムーズに完了することができました。

②ELTシステムの動きが軽快であること
 問題を一問解答するごとに答案が提出される仕組みであるため、システムの動きが軽快で通信回線への負荷がかかりにくく、学生の試験中断や再起動を余儀なくされる現象は生じませんでした。プレイスメントテスト実施の4月3日は、学内の至る所でWi-Fi接続がされていた状況下においても不具合がなくテスト運用を完了できました。

③学生にとって取り組み易いテストであること
 本学の一般入学試験は、長文読解と文法語彙を中心とした内容で実施しており、ELTは本学の一般入試からの接続性があるように思います。具体的には、ELTの英文法と語彙の理解度を和文英訳問題で確認するテスト形式は、高校までに学んだことを活かすことができ、慣れない環境に入ってきたばかりの学生にとっては、リラックスして取り組めるのではないかと思います。

④テストの実施計画と運用が容易であること
 プレイスメントテストのトータル実施時間を1時間として、受験前のガイダンスおよびパソコンの立ち上げやログイン等のセットアップ、実際の受験時間(30分)、テスト後の伝達等一連の活動を行う時間を十分に確保でき、ELTに関しては特にトラブルもなく安定した運用を行うことができました。また、学生へのガイダンスでは、ELTのマニュアルを予め資料で配布して説明し、合わせて学内PCの使い方や履修登録の手続きまで行い大変スムーズな運用ができました。

Q6. 新入学生さんの英語学習は緒についたばかりですが、これからのプレイスメントテストの運用について展望を教えてください。

 今年度からELTを導入し、適宜検証を実施していきますが、普段の状況からは、プレイスメントテストによるクラス分けの結果、学生たちは自分のペースで学習を進めることができた印象を持っています。今後の検討課題としては、学生が1年間英語学習を進めていく中での成績推移や学習の様子を観察して、アチーブメントテストの結果なども踏まえて、改めてELTを活用したプレイスメントテストの効果を検証したいと思います。

Q7. 最後に、実践女子大学英文学科の受験や入学を検討している高校生やご家族へメッセージをお願いします。

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 実践女子大学の英文学科は2024年に創設100周年を迎えました。この節目の年にカリキュラムを新しくし、今まで以上にグローバルな世界の動きにキャッチアップするために「グローバル英語圏文化」と「言語学」について学ぶ科目群、そして多様性について学ぶために「ジェンダー表象」に関する科目群を展開して参ります。さらには、社会連携科目、英語力と専門分野に関する知識を培うCLIL (内容言語統合型授業) による授業を今まで以上に充実させ、社会の動きに柔軟に対応しつつ、きめ細かな指導を行います。

 在学生からも、教員と学生の距離が近いのが魅力だとの声をいただいております。そのような環境下で、私たちと一緒に有意義な大学生活を送ってみませんか?


実践女子大学様の詳しいご案内はこちらから
ホームページURL https://www.jissen.ac.jp/

English Level Test
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