探求 論理国語 付属教材・資料見本
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所有といのちの関係説❷載した予習用教材としての位置づけとなっています。本文理解のための▼いのち(■■・1など)▼所有(■■・13など)いのちは誰のものか?ステップ解     用語解説評論Ⅰカバンの中のさまざまなモノは自分の所有物だと考えて誰も疑わない。実際、それらの所有権は明確であり、他の人が勝手に使ったり奪ったりすることは許されない。では、からだやいのちは自分の所有物か。本文の書き出しは、その問いかけだ。自分のいのちは誰も奪う権利がないという人権の基本から、からだもいのちも自分だけのモノだと疑いなく思うかもしれない。現在では、自分の価値を高めるために資格を得たり、望ましいからだを得るためにダイエットをしたりもする。それは、欲しいモノを購入して自分の所有物を増やす意識と似ており、その根底には自分は自分という存在を所有しているという確信があるはずだ。しかし、買えば所有を認められるモノと、からだやいのちは異なる。いのちは血縁者から受けついでおり、からだにはそのいのちが宿る。さまざまな生活の場面を考えると、他の人との関係の中で自分のいのちが保たれ、また、自分の労力を他の人のために用いることも多くある。そもそも、自分の核として考えられる性格や好みや考えも、自分だけで作り上げたのではなく、家族や周囲の人の影響が多分に含まれているだろう。一方で、つい先ほどまで自分の一部だった髪の毛や爪は、切った瞬間からモノになってしまう。そう考えたとき、からだやいのち、すなわち自分は、自分にとってとても不思議な存在であることが見えてくる。   本文2行目で挙げられる■安楽死■■臓器移植■■人工中絶■■出生前診断■に加えて、人間のクローンや遺伝子操作も可能になりつつあることから、■生命科学■と総称される分野に注目が集まっている。これらはいずれも■いのち■に関わる科学であり、基本的には、物質や人間以外の動物を対象としてきた科学が人間のいのちそのものと関わるようになったが、そこに介入することが許されるのかという■生命倫理■を問うている。本文は、このように科学が立ち入りはじめた■いのち■と、それが宿る■からだ■について、哲学の立場から根本的に考察している。   ■所有■とはもちろん■自分のモノとして持っていること■で、特に本文では■私的所有権■の意味で用いている。あるモノに所有権が認められるなら、それをどう使おうと廃棄しようと、また売買も自由だが、そうした■私的所有■の概念が広まったのは近代になってからであることに注意したい。例えば土地は、近代以前においては神や領主のものであり、また社会主義や共産主義においても個人が所有するという概念は乏しかった。現在でも先祖伝来の土地は売らないと考える人がいるのはその名残だろう。それが近代になって確立された■基本的人権■(■■・8)と絡み、土地の私的所有が認められるようになって、今や土地は売買や投機の対象となっている。このように、土地スにテ限ッらプず、解す説べ・て用の語モ解ノ説に私有を認めるという考えは、西欧に由来すが本本文で文あをる理。解するのに役立つ解説文と用語解説を掲教科書■■〜■■ページ58るそを■の唱生用個中えで人、徒意■生モのしまのノ自ま概れと念たは学しに、異た自か基な習。「づらるだきそ用ス、もれ教資いらテ本のの材ッち主あとも義りプしの私方解的基をて説本な根「的所本」「準有なか物成ら用拠立だ問ノ語と条いー解件い直でうしト説て考も」」えあいにるるをは。異のご、

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