探求 論理国語 付属教材・資料見本
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1 ボッチャの用具と戦術足と関連事項」で、NHKによるガイドを示したが、①「パラスポーツマガジン 3発展…発展的な位置づけとなる解説や資料を豊富に掲げました。素材文からのアングル参考資料3発展実用的な文章2 ゲームのルールをまとめる教科書(一八六〜一八八)瞬間に読む気をなくし、必要な情報がある場所を探すのにも苦労する。本単元で示した「ボッチャのルール」も、実は、膨大な文章量の「競技規則」から抜粋したものである。その結果、人々は「定める」文章を読まない。もちろん、法律の専門家が法令文を熟読するのは当然だが、各種の規約に対し、それをしっかり読んで「同意」をしている人がどれだけいるだろうか。スポーツ選手でも、そのルールブックを読み込んでいるプレイヤーはどれほどの数だろうか。家電などを購入しても、そこに付いてくる取扱説明書を読まない人が多いと聞く。現在の家電メーカーは、そうしたユーザーを想定したうえで、取扱説明書なしでも人々が操作できるインターフェイスを目指しているとも聞く。しかし、例えば、テレビのリモコンにはたくさんのボタンがあるが、一般的なユーザーとしては、電源とチャンネルのボタンと、あとはせいぜい音量のボタンを使うだけで、それ以外は何に使うか知らなかったりする。そういう「冷たい」読者を持つ、「冷たい」文章、それが「定める」タイプの実用文だが、ここでは、それを読むだけでなく、書くことを最終目標としている。実社会Vol.5」素材が文あかふれらてのいアるなンどグしルて、これも判読に苦労すること 「定める」タイプの実用文は、読んでも楽しくない。小説をはじめとした文学を好む人は多く、評論もその読解をおもしろいと思う人の存在を期待できるだろう。しかし、本単元で「定める」タイプの実用文として扱う、法令・規約・マニュアル・レシピ・ルール・取扱説明書などに、そういう奇特な読者は想定しがたい。人々がこれらの文章を読むのは必要に迫られてであり、いわば「やむなく」読むのである。しかも、それを通読することは少なく、必要な情報がありそうな一部を読んで済ます場合が多いだろう。つまり、「定める」タイプの実用文には、もともと読まれにくいという事情があるが、そのわかりにくさも、読まれないという結果をもたらす原因になっているかもしれない。法令や規約の文章は、専門的な語彙がちりばめられたり、文章自体が生硬であったりして、とっつきにくい。マニュアルや取扱説明書などには、カタカナ言葉が素多い材。文何よにり関、膨連大しな文た章事量が柄あをっさて、まそざれをま見なた視点そこかでらは、見「冷直たい」読者が「冷たい」と感じる文章はし、理解を深めるための解説を掲げました。           書きたくない。それにはどうしたらよいのか。その方法を探りたい。それは、とにかく読者の立場に立つことから始まるだろう。書き手側の当たり前を見直し、さまざまな読み手を想定したうえで、わかりやすく書く。それは表現だけでなく、大まかな括りにまとめるような構成の方法も考えることになるだろう。見えない他者を想定して、その人のために記すという「温かい」配慮が必要である。本単元で話題としているボッチャについては、「補「パラスポーツマガジン Vol.5」では、その用具と戦術について、さらに詳しく説明している。ボッチャで使用される用具にも、さまざまな工夫がなされている。ボールは、大きさと重さ(周長が270㎜±8㎜以内、重さは275g±12g以内)がルールで決められているなか、マイボール制をとっていることが特徴だ。52

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