探求 論理国語 付属教材・資料見本
36/67

意味段落2本文研究…本文をさまざまな角度から分析・解説しました。●要約第一段落(三〇・上1~三一・下15)■(三〇・1)■わしら■は最近、食事に二時間もかかる。第二段落(三一・下16~三二・上16)構成・要約〈知〉の深化 晴れた空の下で教科書(三〇〜三三)評論Ⅰ構成展開図 2● 本文研究    ■■そうだったかな■*四角数字は形式段落番号■わし■■例えば 玉子焼きを食べる今年は桜がまだ咲いとらん    ■玉子焼きをもう一つ口に入れる      →二十年間をもう一度生きる■例えば    ■■違うよ。そりゃ辰夫じゃない■    ■この春試験に失敗したのは孫     辰夫の息子と説明    三十年も四十年もの時間が    滑っていくのが見える    ■うなずいてお椀をすする     →手鞠麩が、唇にやわらかい       ■昔、婆さん 手鞠麩のようにやわらかい       玉子焼きのようにやさしい心の中を見透かされてきまりが悪い■■なぜ笑う■ ■ぶっきらぼうに聞く婆さんは 口に出さんこと まで見抜きよる  ↓    1    〜■■おつゆが冷めますよ■玉子焼きを作るあの木はとっくに切ったじゃないですか鰺をつつきながら辰夫は来年こそ大学に入れるといいですねと言うそうそう、そうでしたねと微笑白いごはんをゆっくりゆっくりかむ■■どうしたんです、ぼんやりして■■うふふ、と恥ずかしそうに笑うお■さんだって昔こんなふう→ 浅漬けのきゅうりをつまむ■婆さん■ ■わしら■は最近、食事に二時間もかかる。 食べることと生きることの区別がつかなくなったのだ。■わし■は玉子焼きを食べて庭の桜の開花を思うが、二十年も前に自分で切った事実を婆さんに告げられ、そうだったかと思う。■を置く瞬間に二十年間をもう一度生きてしまう。 ■婆さん■は鰺をつつきながら、息子の大学入学を願うが、浪人したのは孫だ。白いごはんをゆっくりかんでいる■婆さん■のまつ毛を三十年も四十年もの時間が滑っていくのが見える。 手鞠麩のやわらかさを昔の■婆さん■のようだと思うと、■わし■の気持ちを見透かしたように笑いながら、お■さんだって昔こんなふうでしたよと、■婆さん■は浅漬けのきゅうりをつまむ。妙なことに■婆さん■は浴衣を着ている。散歩に誘うと■婆さん■はころころと笑い、昨日もおとといも散歩に出かけたと言う。 今日も散歩をしてどこが悪いと乱暴に言って、■わし■は浅漬けのきゅうりをぱりぱりと食った。■〜■(三〇・上4~)■わし■の食べることと生きることとの区別がつかなくなった様子。■〜■(三〇・上14~)■婆さん■の食べることと生きることとの区別がつかなくなった様子。■〜■(三〇・下8~)■わし■は手鞠麩と玉子焼きから、■婆さん■は浅漬けのきゅうりから、それぞれの昔を思い出す。■〜■(三一・上7~)浴衣姿の■婆さん■を散歩に誘うと■婆さん■はうれしそうに昨日もおとついも散歩に出かけたと笑う。土手は桜が満開で、散歩の人出も多く、にぎやかな道を34場 面 Ⅰ  ■ ■ わ し ら■は最近、ごはんを食べるのに二時間もかかりよる。

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る