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四八ページ四八ページ教科書(四八・1~四八・9)授業展開例(発問と解説)語句と文法の解説比較で深める夜もすがら月を見て、ながめける歌    比較で深める1 「わが心…」の歌 「現代語訳」参照︒事項につ3い 点て︒母ののを解ば 説「をの」掲は載同格し︒「ま︵養し︶た母。であるお2 山あるなり 2 人の、姪を子にして、年ごろ養ひけるが 夜もすがら月を見て、ながめける歌3 4 4 教科書(四八〜四九)ば」の意︒母親のおば︵=おおおば︶ではない︒形容詞「むつかし」は︑ 上代の動詞「むつかる︵憤る︶」︵=不快に思う︑腹を立てる︑の意︶より派生したもの︒中古では︑①うっとうしい︑②煩わしい︑③気味が悪い︒近世になり︑成就しにくい︑気むずかしい︑などの意が生じた︒ここでは②で︑養母が年老いてきて体が不自由になったなどのことからめんどうを見るのが煩わしくなった︑ということ︒この句は︑「この母をばすかしのぼせて」︵四八・4︶にかかっている︒中秋の名月︒「大和物語」にはない設定︒「大和物語」と同様の内容を掲載する「十じいお今ふ五ご出だ昔ノすて物月つがる語きノ︑︑「集糸い③俊」と機明あの頼か「カ嫌髄信リを脳濃ケ取」国るルで姨夜よ︒は母こ」︑棄「こと山子はあ語」①る」が︒︒発問例 読解のポイントを「に「のは押さえられる発問と、そのをぼ︑ば「解答を示しました。す」八は」は︑①高い所へ登らせる︑②川をさかのぼらせる︑③召し寄せる︑④おだてる︑⑤上気する︒ここは①︒「大和物語」では︑嫁に責め立てられた「男」が︑ありがたい法会があると言って誘●導入のポイント●展開のポイントことか。日記物語と1 「大和物語」の内容を復習する︒誰が誰をどうしたのかをはっきりさせておく︒2 の作品の相違点に注意する︒︵適宜︑語句・文法事項を確認する︒︶姪を︒▽「大和物語」では︑親が亡くなった「男」のために︑「をば」がめんどうを見ている︒また︑「男」には妻がいるが︑「俊頼髄脳」には男も「妻」も登場しない︒  答 「をば」の体が不自由になったり︑言動が怪しくなったりしたため︑世話をするのがめんどうなこと︒▽「俊頼髄脳」にはめんどうになった状況が書かれる︒▽「大和物語」では︑特に日時は設定されていない︒ま脚注を参考にしながら現代語訳する︒その際︑二つここの助動詞「なり」は上接が「ある」と連体形ゆえ︑形のうえからは断定でも伝聞・推定でも取れる︒ただ︑中古以降︑伝聞・推定の場合は「あなり」と撥音便無表記の用例が多い︵「あるなり」でも伝聞・推定の用例もあるが︶︒また︑「︙は︙なり」の構造を持つ文では︑「あるものについて︑これこれなのだ︑という説明する意味を表す」︵『日本語の助動詞︱︱二つの「なり」の物語』北原保雄︶もので︑例えば︑「世には心えぬ事のおほきなり︒」︵「徒然草」一七五段︶のように︑「なり」は「のだ」︑つまりは断定の助動詞となる︒ここも「この歌は」と主題を提示して︑この歌については姨捨山といった山があるのだ︑とまず説明し︑次に「昔︑︙︙」と展開する構造から考えて︑「なり」は断定とする︒「人」が女であることに注意︒格助詞「の」は主格︒「人の姪」ではない︒「が」は接続助詞︒平安時代中期までは格助詞だったものが︑中古末から単純に上下の句を結び付ける働きを持つようになり︑やがて逆接で結び付けるようになっ語句と文法の解説た︒「ある︵女の︶人が︑姪を養女として︑長年読み取りの養ういえ育てでて重きた要がと」のな意︒る「大語和句物語や」文と異法なるむつかしかりければ 八月十五夜 すかしのぼせて 「すかす」は︑①だます︑②3     問答  「あ年るご女ろ性養︵ひ「け人る」」=の「は母、の誰をばが、」︶誰がを︑か養。女にした3   問 「年老いて、むつかしかりければ」とはどのような4     問答  「八こ月の十母五を夜すにか︑し養の女ぼ︵せ「」姪」た︶のがは︒、いつ、誰がか。 40

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