探求 古典探究 付属教材・資料見本
31/84

6 ところせがりて 「ところせがる」は形容詞7 持ていまして 「持て」は動詞「持つ」の連用8 捨てたうびてよ 「たうぶ」は「たまふ」の変8 8 8 9 大和物語(姨捨)表れているか。7  問 「よからぬこと」とほぼ同じ内容を表している部分を抜き出せ。8   「さしてむ」とは、具体的にどういうことか。板書例答◆1答一時限ごとの授業展開例を、原則見開き二ページ ←   ●物語と日記授業展開例 伯母の老化=妻の︑伯母への憎悪︒︵男︶伯母をいいかげんに扱う︒︵男︶葛藤=伯母への思い・妻への思い︒︵男︶妻に同意︒←︵妻︶夫に告げ口︒←︵妻︶伯母を山奥へ捨てるように依頼︒常に憎みつつ︑」︵四五・3︶いを受紙け面︑「構依然成ととしなっをてしいていまるすので。︑強い言い方のほうをとった」て伯母を厄介がって」︒②で解せば︑直前の「いといたう老いて︑二重にてゐたり︒」を受け︑「伯母の状態がひどくなったために︑なおいっそう厄介がって」︒本書は②でとった︒「ところせし」の語幹に︑接尾語「がる」が付いた一語の動詞︒「ところせし」は「所狭し」で︑①場所が狭い︑②心理的に窮屈だ︑③堂々としている︑威張っている︑などの意がある︒ここでは②︒「がる」は「︙のように感じる︑︙のように振る舞う」の意を表すので︑全体で「厄介だと感じる」の意︒常に伯母といることで︑息が詰まるような状態をいっている︒形促音便の促音無表記+接続助詞︒「いまし」は動詞「います」︵「行く」の尊敬語︶の連用形︒『日本古典文学全集』では︑この表現を「物体を持つような非情な言い方」とする︒化したものだが︑①「たまふ」が「たんぶ」に変化し︑「ん」を「う」と表記した︑②上代から見られる「たぶ」が中古に「たうぶ」に変化した︑との二説がある︒「たまふ」に比べて︑敬意はやや低いものとされ︑男性の言葉に多く用いられる︒「てよ」は完了の助動詞「つ」の命令形で︑「︙てしまえ」の意︒助詞「て」「よ」が重なったもので︑依頼︑懇願を表すものとする説という『日本古典文学全集』の頭注に従って前者で解釈した︒①限定を表す︑「︙だけ︑︙ばかり」の意︑②強意を表す︑「ただもう︙︑特に︙」の意︒ここでは②︒上代では「のみ」は限定の意を表していたが︑中古になると︑古くは程度の意だけを表していた「ばかり」が限定の意を持つようになり︑しだいに混用される︒る」の連用形︒「わぶ」は︑行き詰まって思いのままにならないことを嘆く感じを表す︒①思い悩む︑②寂しい思いでいる︑③困る︑④貧窮する︑⑤︵他の動詞に付いて︶︙しかねる︑などの意︒ここでは③︒指示副詞「さ」は︑ここでは「持ていまして︑深き山に捨てたうびてよ︒」という妻の言葉を指す︒「て」は強意の助動詞「つ」の未然形︒「む」は意志の助動詞「む」の終止形︒妻に責め立てられて︑やむなく伯母を山奥に捨ててしまおうという決意が︑強意の助動詞に込められている︒思うようになる」の意︒妻に強くいわれ︑伯母を捨てる思いになったことを示す︒教科書(四五〜四七)のみ 責められわびて 「られ」は受身の助動詞「らさしてむ 思ひなりぬ 「思ひなる」は「だんだんとそう  答 今までよくも死なないでいたことだ︑つまり早く死ねばよいのに︑という妻の伯母に対する思い︒▽「死なぬこと」と体言止めになっており︑詠嘆的な表現で痛烈な妻の思いを表す︒   「このをばの御心のさがなく悪しきこと」︵四五・3︶︒   ︵↓中段「語句と文法の解説」︶3 抱いていたのかを理解する︒妻は︑伯母の老化に伴い︑憎悪の念が増していく︒一方︑男は︑妻の告げ口を聞いて伯母をいいかげんに扱うようになり︑とうとう妻の責め立てるとおりに伯母を山奥へ捨て藤があったと考えられる︒伯母を深い山奥に捨ててしまおう︑ということ︒男と女が︑それぞれ伯母に対してどのような思いを         29母るにこ対とすをる決申意しす訳るな︒さ男もにあはり実︑の妻親に代対わすりるに思育いて板書例 実際の板書にお役とてのく立ていただける例を示しま間れした。でた葛伯うだ︑が③︑そ①れでで解もせやばは︑「り老︑いのか意で示が︒ま見しこりこやててですおゐはた①くりるか示、②をし実ま際もましのたあたご『るの︒。授み本発業』書とで問の︑は例イあ︑「まやメつり板ーぎににも書ジ『ひ例を責ためすを描』ら豊きたなと言富やあいにすり方︑

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る