探求 古典探究 付属教材・資料見本
30/84

四五ページ四五ページ1 信濃の国に更級といふ所に 「更級︵事更科項︶」につい感してじいのを︑表の解す意説︒︒①こをつこ掲らでいは載︑②し苦︒しまいし︑②た嫌。だ︑煩わ2 をば 2 添ひてあるに 「添ふ」は「そばにいる」の意︒2 この妻 教科書(四五・1~四五・9)授業展開例 (発問と解説)語句と文法の解説姨捨① ●大和物語(姨捨)3 3 4 6 6 教科書(四五〜四七)接続助詞「つつ」は︑①同じ動作の反復・継続︑②二つの動作の同時進行︒ここでは①︒妻は伯母をずっと憎み続けていたのである︒「いひつつ」︵四五・7︶も同様で︑妻が夫に伯母の悪口をいい続けていたことを表す︒こだけに敬語が用いられている︒この部分を「このをばのみ︑心」と読んで︑「のみ」を強調とする説︵『日本古典全書』︶もある︒本書では︑「御」が付いているのは︑「妻の心︑憂きこと多」の立場から伯母を高めたものと解する︒を悪くする感じを表す︒①意地が悪い︑②いたずらだ︑③口が悪い︑の意︒ここでは①︒なお︑平安時代の物語では︑敵役となる女性に「さがなき」の形容があることが多い︒非常に腰が曲がって︑体が二つに折れ曲がっているような様子を表している︒①やはり︑依然として︑②なおいっそ●導入のポイント●展開のポイント3  問 「この姑の、老いかがまりてゐたる」とほぼ同じ内容を表している部分を抜き出せ。4  問 「昔のごとくにもあらず」とあるが、「昔」はどのようであったというのか。7  問 「今まで死なぬこと」には、誰のどのような思いが日記物語と1 「大和物語」について理解する︒ 「大和物語」の内容︵↓「出典解説」︶とともに︑既習の「伊勢物語」を思い出させ︑歌物語というジャンルについても確認する︒歌物語については教科書前見返し5「古文ジャンル解説︱物語」も参照する︒2 する︒︵適宜︑語句・文法事項を確認する︒︶  答 「このをば︑いといたう老いて︑二重にてゐたり︒」︵四五・5︶︒  答 伯母のことを大切にしていた︒▽次行の「おろかなること多く︑このをばのためになりゆきけり︒」から考える︒「おろかなり」は「疎かなり」で「おろそかだ」の意︒男は妻の言葉によって︑伯母を邪険に扱うようになってしまったのである︒第一段落を音読し︑脚注を参考にしながら現代語訳は信濃の国の千曲川沿いの地名︒「和名抄」に「更級志佐良奈」とある︒郡名にも郷名にも記載はあるが︑ここでは「信濃の国」という国名に続くので︑郡名と考えられる︒場所を表す場合︑「︙に︙に」と格助詞を付けて︑最初に大きい地域を︑次にその一部を示す︒なお︑「更級」は歌枕で︑古来︑月の名所として知られている︒古註の多くは「祖母」とするが︑現代の諸注釈は姨︵伯母・叔母︶と解釈しているものが多い︒父母より年上なら「伯母」︑年下なら「叔母」と表記する︒ここでは︑男を若いときから養っていること︑男が結婚したときには腰が曲がっていることから︑年齢的に「伯母」と考えられる︒母親の代わりにめんどうを見ていたことをいう︒この部分を「あひ添ひて」とする本もある︒その場合︑「あひ」は「一緒に」の意︒年頃になって結婚した︑という記述がないまま「妻」とあるので︑いささか唐突な感じだが︑『新編日本古典文学全集』には「話しなれ聞きなれているときには︑このような飛躍語句と文法の解説は問題にならないのであろう」とある︒読み取り2の う憂えき で「憂重し要」はと︑思なうるよう語に句ならやな文くて法嘆く憎みつつ このをばの御心 「御心」は敬語︒地の文のこ二重にてゐたり 「二重」は︑二つに重なってなほ 28いいさるとがもいなのいく︑な そが「のら性さよ︑がなうそしなれ」で状で︑態も迷を夫惑指のとす伯思︒母っこで発問例 読解のポイントをたこあ押さえられる発問と、そのりでり︑は︑解答を示しました。気︑妻

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る