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「生ひ立たむ」(一〇九・7)の歌の「若草」と「露」が何をたとえているかに注意して、この歌に込められた「尼君」の若紫 に対する心情をまとめてみよう。を理解する︒指導の際の手がかりとなるよう留意いたしました。学習の手引き源氏物語(若紫との出会い)若紫は、どのような人物として 描かれているか、容貌・境遇・行動などの点からまとめてみよう。読解答教科書(一〇六〜一一一)物語源氏が若紫に目を留め、「涙ぞ落つる。」(一〇八・9)となったのはなぜか、一〇六ページの系図を参考にして話し合ってみよう。ねらい  ▼読む準備物手順  配当1時間 【評価の観点】  知︙知識・技能話︙話す・聞く能力書︙書く能力主︙主体的に学習に取り組む態度読︙読む能力学習 の・「手引こぼきれかかりたる髪つやつやとめいずれも光源氏が小柴垣の外から邸内を垣間見ての人物像である︒︿容貌面から﹀①邸内にいる少女たちと違ってかわいらしく︑成人したらどんなにか美人にな るだろうと思われる顔立ち︒・「あまた見えつる子どもに似るべうもあらず︑いみじく生ひ先見えてうつくしげなるかたちなり︒」︵一〇六・5︶②美しく豊かな髪を持つ︒・「髪は扇を広げたるやうにゆらゆらとして︑」︵一〇六・6︶でたう見ゆ︒」︵一〇九・5︶「③学顔立習ちのは︑手と引てもき愛」らのし解く︑答眉例の辺とり、 解・答「生をひ導立たくむたあめりかのもポ知らイぬン若草トをとな解答るが解ほ説んのをり示と美ししまくてし︑た子ど。も特っぽにく新しく後設らすけ露たぞ「消活えむ動空」なのき」設︵一問〇( 各「若草」は︑萌え出た春の草に少女︵若教髪材をにかきお上けげたる額おの様お子むや︑ね髪のの生到え達目標九と・7な︶る言語活動)について紫︶をたとえ︑「露」は︑はかなく消えるは具、合ねがたらいいそう・可準憐で備あ物る︒・手順・︿評行価動面規か準ら﹀などを詳しく示し、ごもの︑すなわち「尼君」自身︵の命︶を・「面つきいとらうたげにて︑眉のわたりうちけぶり︑いはけなくかいやりたる額つき︑髪ざしいみじううつくし︒」︵一〇八・4︶④成人していく様子をずっと見ていたい人だなあと目が留まる︒・「ねびゆかむさまゆかしき人かな︑」︵一〇八・5︶⑤藤壺宮に似ている︒・「限りなう心を尽くしきこゆる人に︑いとよう似たてまつれる」︵一〇 八・6︶︿境遇面から﹀①尼君の顔に似ているところがあるので︑子であるようだと思った︒・「少しおぼえたるところあれば︑子なめりと見たまふ︒」︵一〇七・8︶②実はそれは誤りで︑尼君の少女への諭しの言葉を耳にすると︑少女の母はすでに世を去り︑今は祖母である尼君に育てられているとわかる︒・「故姫君は︑十ばかりにて殿に後れたまひしほど︑」︵一〇九・1︶・「ただ今おのれ見捨てたてまつらば︑いかで世におはせむとすらむ︒」︵一〇九・2︶①「伏籠の中に入れておいたすずめの子を犬君が逃がしてしまったよ︒」と泣き 顔で残念そうに祖母に言いつける︒・「『すずめの子を犬君が逃がしつる︒伏籠の中にこめたりつるものを︒』とて︑いと口惜しと思へり︒」︵一〇七・9︶②きちんと座って︑諭す祖母の顔をじっと見つめているうちに︑しだいに伏し 目になり︑うつむいてしまう︒・「幼心地にも︑さすがにうちまもりて︑伏し目になりてうつ伏したるに︑」︵一〇九・4︶以上の点から︑美しく将来の美しさが想像される一方で︑まだまだ子どもっぽく︑無邪気さ︑あどけなさを残す少女として描かれている︒◆◆◆たとえる︒この歌の直前に︑尼君が「ただ今おのれ見捨てたてまつらば︑いかで世におはせむとすらむ︒︵今すぐにも私が︿あなたを﹀後に残して先立ち申し上げたならば︑どうやって生きていらっしゃろうとするのだろう︒︶」と言って︑ひどく泣く一節すでに少女の母はこの世になく︑今またわが身は「今日明日におぼゆる命」の状態︒そんな中で「すずめ慕ひたまふほくかもしれぬこの子を残しては︑死ぬに死ねない︒」思いで胸が張り裂けんばかりなのである︒人物関係を捉え︑苦悩する源氏の思いワークシート︵教科書データ集DVD  読              -ROMに収録︶︒次の課題1に取り組み︑解答を共有読解 2活動読解 1141 どが活動 ねらい・準備物・手」あ順・評価規準などを詳しくのる幼︒示しました。さに︑尼君は「どう成長してゆ

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