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一〇七ページ一〇七ページ 教科書(一〇七・8~一〇八・9)事項についての解説を掲載しました。授業展開例 (発問と解説)語句と文法の解説若紫との出会い②源氏物語(若紫との出会い)8 尼君の見上げたるに 9 おぼえたるところあれば 「おぼゆ」は︑①感9 子なめり 「な」は︑断定の助動詞「なり」の9 すずめの子を犬君が逃がしつる 「いぬき」の教科書(一〇六〜一一一)うのがこれであったからである︒雀の子をつかまえてほしいというのだ︒『いぬきが雀の子を逃しつる』といったなら︑『いぬきを𠮟ってくれ』︑というのが姫の最大要求となる」とある︒めの子を大切にして逃げないようにしていたことを示す︒「ものを」は接続助詞の文発問例 読解のポイントを末用押さえられる発問と、その法︵解答を示しました。終助詞とする説もある︶で︑逆接の意に詠嘆の気持ちを添える︒︙のになあ︒期待や予想が実現しなかったときの感情を表す︒①残念だ︑②情けない︑③つまらない︒ここでは①︒類義語の「くやし」は︑自らの行為について後悔する感情を表す︒いつものように︒「さいなまるるこそ」にかかる︒が名詞化したもの︒ここでは犬君のこと︒犬君が︑少女に「さいなま」れるのである︒「さいなむ」は「さきなむ」のイ音便形で︑責める︑𠮟る︑の意︒形容詞「心づきなし」は︑気にくわない︑好感が持てない︒りぬる」の語順となるべきところだが︑『新編日●展開のポイント9  問 「子なめりと見たまふ。」とあるが、実際はどういう間柄か。したのか。物語第二段落を音読し︑脚注を参考にしながら現代語訳すずめの子︒を置きて︑いとなやましげに読みゐたる」︵一〇六・4︶とあるので︑ここで経から目を離して少女を見たことになる︒それによって︑尼君の顔つきがわかる︒じられる︑②思い出される︑③似ている︑④︵他人から︶思われる︒ここでは③︒連体形撥音便の無表記形︒「めり」は︑推定の助動詞︒︵↓「文法」︶「き」は︑「君」を略した童名の愛称︒ほかの巻に︑「あてき」︵葵︶︑「こもき」︵手習︶︑「なれき」︵竹河︶など︒格助詞「が」は︑人を表す体言に付くと︑親愛や軽い蔑みの気持ちを含むことがある︒文末の連体形止めは会話文ではよく用いられ︑詠嘆的表現︒ここは次の文と倒置で︑少女の感情をよく表している︒『源氏物語評釈』には「この︑五音節前後の短い語を三つ投げ出した言い方で︑姫が涙にむせんで語い句るとのが文察法せの解説いとをかしうなりつるものを︑いづ方へかまかられる︒長く言う余裕はないのである︒『雀の子を』と最初に言ったのは︑姫の心中読に最みも取思りの本う古え典文で学重全集要』とにはな「る語順語が句普通やで文なく法︑か尼君は「脇息の上に経少女がすず1 する︒︵適宜︑語句・文法事項を確認する︒︶とあったうちの一人︒▽この人は「少納言乳母」︵一〇七・14︶と呼ばれる︒  答 犬君が︑少女が伏籠の中に閉じ込めておいたすずめの子を逃がしてしまった︒      「も」「こそ」とも係助詞︒連語として︑将来起こ本来は︑「やうやうりうる悪い事態を予測して︑懸念する気持ちを表す︒︙すると困る︑︙したらたいへんだ︑の意︒ここでは︑烏などが見つけたらたいへんだ︑ということ︒▽「もぞ」にも同様の意味がある︒また︑「もこそ」「も1212  いづ方へかまかりぬる 12  心づきなけれ 13    「もこそ」の用法を確認してみよう。11  さいなまるるこそ 11  心なし 「心なき者」の意で︑形容詞の終止形11  例の 12   問答◆3答 「いづ方へかまかりぬる。」の主語は何か。11   ◆2 「心なしのかかるわざをして」とあるが、誰が何を    答問答  女祖房母︒と「孫清︒げなる大人二人ばかり︑」︵一〇七・3︶10  口惜し 10  伏籠の中にこめたりつるものを 11    「このゐたる大人、」とは、誰のことか。

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