探求 古典探究 付属教材・資料見本
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一〇七ページ一〇七ページ○光源氏の垣間見↑夕暮れと霞のおぼろな状況︒︿尼君﹀︱︱四十歳過ぎ︒︿女房二人・少女たち﹀︿少女﹀︱︱十歳ぐらい︒5 四十余ばかりにて 6 あてに 6 ふくらかに 6 髪のうつくしげにそがれたる末 「の」は主格1 こよなう今めかしきものかな 2 あはれに見たまふ 3 清げなる 源氏物語(若紫との出会い)3 3 4 5 5 6 6 *    問答  光高源貴氏なは身尼分君のを人ど︒のような人と見て取ったか。1  問 「ほ今かめのか子しどきももたのちかとなは、異」となるある可憐が、さでど板書例 実際の板書にお役︑う成い立ていただける例を示しま人う後点した。のをそのように感じたのか。2   「あはれに見たまふ。」の主語は誰か。*   板書例光源氏は少女をどのように見ているか。物語 大       ●授業展開例・気品ある姿︒・具合悪そうに読経︒・泣き顔で走り込む︒・ほかの子どもたちとは異なる可憐さ︒・成人後の美しさが思われる︒尼君・少女は︑光源氏の目にどのように見えたのか光源氏︒である︒えられる︒形容動詞「あてないり紙」は面︑構気品成がとあなっ3 てさいては ます①副。詞で︑そのような状態で︑②接って美しいさまを表す語で︑①高貴である︑②上品である︒ここでは②︒形容動詞「ふくらかなり」は︑ふっくらとしたさま︒色白とともに美人の条件の一つ︒を表す格助詞︒形容動詞「うつくしげなり」は︑形容詞「うつくし」から派生したもので︑かわいらしい︑きれいだ︑の意︒「れ」は受身の助動詞「る」の連用形︒一般に受身の場合は︑主語が人間や動物になることが多いが︑ここでは「髪」が主語となっている︒一説に「れ」を自発の助動詞とするが︑髪が自然とそろえられているというのは不自然なので︑ここでは受身とした︒いわゆる尼そぎの髪のさまをいう︒髪を肩から背中の辺りで切ってある︒かし」は︑当世風だ︒髪の長いのがよいとされた時代に︑光源氏は尼そぎの姿にかえって新鮮な感動を覚えている︒は︑ここではしみじみと心動かされる︒主語は光源氏︒形容動詞「清げなり」は︑①こざっぱりして美しい様子だ︑②きちんと整ってい当時で一では時見初老限やのごす年齢とくとの示考授し業ま3 る展し︑大開た③人 す例。ば①を発ら成し人、問い︑原例︒②こか則やこし見板でらは︑開書①一き例︒族の二を長ペ豊︑③ー富︵ジに経形容詞「今め形容動詞「あはれなり」示しており、実際験のをご積ん授だ業︶女の房イ︑女メ官ー︑④ジ老を臣︒描こきこでやはす③︒続詞で︑それでは︑それから︑そのほかには︒ここでは②で︑そのほかには︒①十歳過ぎの元服前の子ども︑②子どもの召し使い︒ここは「女の童」で︑少女の遊び相手︒上となる少女の登場の場面である︒光源氏の第一印象では︑十歳ぐらいにしか見えなかった︒『新日本古典文学大系』には「主人公が最初の判断を誤るという趣向は物語の中にしばしばあるらしく︑ここもそれか」とある︒ゆ」は︑のりが落ちたりして衣服が柔らかくなる︒ちと同じように見えるはずもなく︒「ども」は複数を表す接尾語︒「べう」は当然の助動詞「べし」の連用形「べく」のウ音便形︒この少女が格段に美しいことを示す︒成長していく先︑将来︒ここでは少女の成人後の美しさのことをいう︒人の女性の髪は長く︑身の丈に余るほどにもなるが︑少女は幼いのでまだ短い︒その髪が走ってきたときにぱっと広がり︑揺れる様子を表す︒少女と尼君との会話によって知らされる︒教科書(一〇六〜一一一)童べ 中に、十ばかりにやあらむと見えて 山吹などのなえたる着て 「の」は同格︒「な子どもに似るべうもあらず 生ひ先 髪は扇を広げたるやうにゆらゆらとして 顔はいと赤くすりなして 臨場感あふれる描写だといえる︒3 を把握する︒▽「ただ人と見えず︒」︵一〇六・5︶とある︒「ただ人」は︑普通の貴族︑の意︒そうは見えないというのだから︑高貴な身分であると見た︑ということ︒ただし︑後に紫それがわかるまでは敬語を用いていない︒  答 髪がきれいに肩の辺りで切りそろえられている点︒▽光源氏には「長き」髪よりも現代風に思われた︒「なかなか」は︑かえって︑の意で︑「今めかしき」にかかる︒◆1答問答ほかの子どもた      美しさが思われる︒その理由は︑次の11

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