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一〇六ページ一〇六ページ語句と文法の解説3 4 4 4 5 教科書(一〇六・1~一〇七・7)授業展開例 (発問と解説)語句と文法の解説若紫との出会い①源氏物語(若紫との出会い)1 日もいと長きに、つれづれなれ事読ば 項み「にに取」はつり添いのてう3 のえ①の行「補解でふ助行説重、動ふ尼詞」を要なでまと掲り︑で「けを載な持り 主仏しる語」こま語とにの見対し句部てす分たや︑る「の敬。文勤解意行釈法をすと表るしすのて︒は︑︑1 夕暮れのいたうかすみたるに 『新編日本古2 かの小柴垣のもとに 「かの」とあるのは︑光2 人々は帰したまひて 3 ただこの西面にしも 教科書(一〇六〜一一一)それは尼であったよ」︑②「行ふ」までを「尼」にかかる連体修飾語として︑「勤行する尼であったよ」︒本書では①でとった︒「けり」は詠嘆の助動詞で︑はっと気づいたさまを表す︒垣間見をして︑まず手前の尼が目に入ったのである︒すだれ︒宮中や貴族の邸のものは「御簾」︒光源氏の視覚による推定︒「めり」は︑「見あり」「見えあり」が語源とされ︑①実際に見ている事柄について︑自分には︙のように見える︵推定︶︑②確定的・現実的な事柄を『新編日本古典文学全集』には「このあたりの『︙けり』『︙めり』『︙見えず』は︑源氏の視線語り手を通した表現である︒両様の視点の重層によって︑かいま見の奥行が深められていく」とある︒寄りかかり座って︒病気で具合が悪いためである︒形容動詞「なやましげなり」は︑気分が悪そうだ︒尼は病気でだるそうなの●導入のポイント●展開のポイント*    問答  こ春の︒「場日面ものい季と節長をき、に根︑」拠︵を一挙〇げ六て・答1え︶︑よ「。夕暮れの2  問 「惟光朝臣とのぞきたまへば、」とあるが、光源氏と惟光がこの場にいるのは本文のどこまでか。物語1 確認する︒ 「光源氏の誕生」「光源氏と藤壺」の内容を踏まえ光源氏の生誕から︑母桐壺更衣の死︑藤壺宮への想い︑夕顔との出会いと死別︑と続く本教材までの展開を説明する︒光源氏十八歳の春︑瘧病にかかり︑加持を受けるため北山の験者を訪ねるが︑山の麓に風情のある僧坊を見つけ︑小柴垣から可憐な少女を垣間見するという場面である︒教科書一〇六ページの系図を参考に︑登場人物を確認しておく︒2 する︒︵適宜︑語句・文法事項を確認する︒︶いたうかすみたる」︵同︶︒  答 「立つ音すれば︑」︵一一〇・3︶まで︒▽この部分は︑すべて光源氏の目や耳を通しての表現であることに注意したい︒初めて若紫と出会う場面で︑光源氏の誕生から「若紫」の巻に至るまでの概略を第一段落を音読し︑脚注を参考にしながら現代語訳 加を表す格助詞︒「つれづれなり」は︑所在ない︒晩春三月なので日が長く︑光源氏は瘧病の加持が終わった後の時間を持て余しているのである︒この部分は︑「人なくてつれづれなれば」となっている本もある︒その場合の「人」は︑相手になるべき人︑の意︒典文学全集』には「夕暮と霞のおぼろな環境が︑以下のかいま見の場の設定に好都合」とある︒「の」はここでは主格としたが同格ともとれる︒源氏が︑すでにこの家を目に留めていたため︒趣のある家で︑女性の姿もあり︑また高名な僧都の僧坊であることも聞き︑関心を持った︒源氏はほかの供人を京︵一説に寺︶に帰した︒部屋に︒極楽浄土は西方にあると考えられており︑往生を願う者は西に向かって祈る︒ここでは︑西向きの部屋で勤行しているのである︒「しも」は︑強意の副助詞︒垣間見をしたすぐ目の前の︑の意が「しも」に込められる︒人目を避けるため︑光すぐ目の前の西向きの持仏据ゑたてまつりて 「たてまつり」は謙譲簾少し上げて 「簾」は廂と簀子の間に垂らす花奉るめり 寄りゐて なやましげに 10断に定沿しうな表い現で︒和他ら方げ︑『てあいはう︵れ婉に曲見︶た︒ま発問例 読解のポイントをこふこ押さえられる発問と、その』でな解答を示しました。はど①は︒︑

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