探求 文学国語 付属教材・資料見本
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三八ページ四〇ページ れぞれのニュアンスについてまとめると次のようになる。・思…心を働かせて考えること。・想…心の中に思い定めること。おもいやること。・憶…おぼえること。過去を思いやること。・懐…なつかしく思うこと。親しく思うこと。・顧…心を向けること。思いめぐらすこと。・忖…おしはかること。思案すること。・恋…相手のことをいとしく思うこと。大切に思うこと。・惟…よく考えること。思いめぐらすこと。・念…いつまでも心に留めること。注意すること。  いずれも、心働かせることであるが、何をどうおもうのかという点で、若干の差異があることがわかる。ことを表現したものの代表が「思う」であり、無意識で「おもう」ことを表現したものの代表が「想う」である。忖度の代表が「忖う」であり、祈念の代表が「念う」である。意識界の語思句念のを表解現説している。人間は自分の思いを常につかんでいるわけではない。板板書書例例▽「おもう」と「コトバ」とがこの作品のキーワードである。これらを軸に内容をまとめる。3 第一段落を音読し︑「おもう」という言葉 についての筆者の考えをまとめる︒  答 「おもう」に漢字を当ててみること。▽4行目にあるように、多くの漢字が当てられる。これら一つひとつの意味を考えながら、「おもう」という営み(行為)の共通点と相違点を挙げる。▽「時間的にいえば過去、現在、未来」を示し、さらに「意識界、無意識界の両界」に存在し、さらに「相手の心を忖度するところから祈念まで」を表現するのが「おもう」であると本︿第一段落﹀ 「おもう」ことと言葉と心の関係︿第二段落﹀詩と藝術とコトバとの関係︿第三段落﹀和歌とコトバとの関係︿第四段落﹀言葉とコトバの詩人をめぐる関係三八ページ授業展開例(発問と解説)語句の解説もののふの心①もののふの心――言葉とコトバ4 「思」「想」「憶」「懐」「顧」「忖」「恋」「惟」「念 」 6 意識界、無意識界の両界を貫き 6 相手の心を忖度するところから祈念までを貫く行為 9 人は自分が何を「おもって」いるのかを知らない ●導入のポイント*  問 「おもう」という言葉から何を連想するか、考えてみよ。●展開のポイント*  問 本文全体を黙読し、「おもう」あるいは「コトバ」をキーワードに、全体を四段落に分けて、それぞれに表題を付けよ。教科書(三八〜四五)1 「おもう」という言葉の意味を考える︒▽「ととにおいは気もう我づう言々か」葉のせとも存た聞あ在いくるを。とよ証そ、う明し普にすて通、る、「「はもおお「のもも思でうう(も」」う板書例 実際の板書にお役とあこ)いると」立ていただける例を示しまうことあした。こと言るいは「想(う)」という漢字を思い浮かべるだろう。この発問においては、「おもう」の意味そのものよりも、何を「おもう」のか、という観点が大きいようにも思われる。▽「我思う、ゆえに我あり」(ルネ・デカルト)葉の関係も考えさせたい。全文を黙読し︑段落の構成をつかむ︒  答 「板書例」参照。文学評論Ⅰ1  問 「﹃おもう﹄という営み」の「複雑な構造」はどういうことから知れるのか。教科書(三八・1~四〇・12)読み取りのうえで重要となる語句について、詳しい解説を掲載しました。意識して「おもう」           そ 無          562 

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