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六〇ページ 為 家   登 これは人物紹介冒頭の定まった言い方で、■隴西■は李徴の本籍地。一族の発祥地である。現在の甘粛省東南部の地名。皇族の子孫である。唐の王室も本籍地を隴西とする李氏であるので、それに事寄せてこのように称しているのであって、真偽のほどはわからない。唐王朝が成立してほぼ百四十年、たとえ本当に王室の末端との姻戚関係があったとしても、そうした人々はもはやかなりの数に上る。李徴はいまや一般の知識人として生活しており、貴族階級ではない。ただ■皇族の子孫■という伝承は李徴のプライドの一つの根拠にはなっていたかもしれない。この記述から明らかなように、実際に李徴が住んでいたのは虢略である。■虢略■は現在の河南省霊宝市の地名。文 若いときから博学で、詩や文章が巧みであった。これも優秀な人を記すときの定番の言い方で、■人虎伝■においては、過度に重く受けとらない方がよい。科挙を受験するほどの人は子どもの頃から誰しも厳しい訓練を重語ね、■句と少博文学法、の善属解説文■なのである。そうでなければ読科み挙に取はり受かのらうないえ。でここ重は要■科とな3 る語不句能や屈文跡卑法僚 事項下級官僚の地位に甘んじ 天宝十五載 進士第 調補江南尉 疎逸 1 の記述部分を確認する︒  答 隴西の李徴は博学才穎(四六・1)〜誰もなかった。(四七・5)(→「深める手がかり・読み取ろう2」)▽教師の範読の後につかせて生徒に何度も斉読させ、■人虎伝■の訓読文(書き下し文)になじませると■山月記■との同異にも目がゆくようになる。2 「人虎伝」を句形や構造に注意して正確に読解する︒  答 隴西を本籍地とする李徴は、皇族の子孫である。現在虢略に住んでいる。▽冒頭の■地名+何某■は、■この地名を本籍地とする何某■という漢文では定番の人物紹介。何某は必ずしもこの本籍地に住んでいるわけではない。  答 私は特別な才能のある選ばれた人間だというプラ音読し︑「人虎伝」の冒頭部分に該当する「山月記」授業展開例(発問と解説)語句と文法の解説比較で深める生は乃ち君等と伍を為さんや〔人虎伝〕比較で深める 1 隴西李徴 1 皇族子 1 於虢略 1 少博学、善属生は乃ち君等と伍を為さんや〔人虎伝〕2 2 3 3 教科書(六〇〜六二)も経ていた■ととればよい。ときの年号で、十五載は天宝最後の年。安禄山の乱によって玄宗は退位し上皇となり、七月霊武で息子の粛宗が即位して年号は至徳となる。科挙の進士科の試験に合格し、■進士■の資格を得る。天宝十五載の進士合格者る。江南道(唐代の行政区画。長江中下流の南側)の、とある県の治安・税務等を担当する官に任ぜられる。■尉■は県の上から四番目に位置する官。警察業務ばかりでなく、租税の徴収も担当する。■江南■は、漠然と■長江の以南■とか■長江の下流域■の意で用いられることが多いが、ここでは行政区画の■江南道■ととった。通常県尉の場合は、■尉■の上に行政区画の県名がくる。■江南道■は、江蘇省・安■省・浙江省・福建省・江西省・湖南省等の広範囲に及ぶ。この■江南道■の下には約四十ほどの■州■があり、■州■はその下にそれぞれ数■県■を持つ。李徴はこのいずれかの県の尉になった。人と親しまず、身勝手であること。●導入のポイント*  問 この「人虎伝」の漢文と対応する「山月記」の記述の書き出しと最後の部分を記せ。●展開のポイント1  問 「隴西李徴、皇族子。家がどのような関係にあるかを明らかにして現代語訳せよ。5  問 「生乃与李徴のどのような思いが見て取れるか。小説Ⅰ小説Ⅰ小説Ⅱ於虢略。」を、二つの地名君等伍耶。」という反語形の発言には教科書︵六〇・1~六一・10︶についての解説を掲載しました。34挙はの三試十験三に名応。ず李る徴七十は五分、六なそ年資の。■質一天が人宝あと■りいは、う唐発問例 読解のポイントをそわののけ玄押さえられる発問と、その訓宗で解答を示しました。練あの

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