探求 文学国語 付属教材・資料見本
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 ■自分■は冷静に事実の経過を語るときに用いられている。■おれ■は興奮して激しく感情を表す場面で用いられている。また、■自分■が人間性、■おれ■が獣性を示すという見方もできる。この一人称の使い分けは第三段落から始まり、最後まで破綻なく行われている。 その転換の様子は次のとおりである。〈第三段落〉自分…虎に変身した経過を述べる。  おれ…人間性の喪失の恐怖を述べる。 ■しあわせ■に傍点があるのは、普通の  〈第四段落〉学習の手引き↓ 朗読。おれ…自■する・解即席説のを詩を示詠しむま。したしい。事特態でにあ新る。しく設けた「活動」によのる設破問局し(か各なか教っ材たのである。 ↓↓  ↓  0000   ↓  読   〈第五段落〉自 分…詩を記録することを頼む・詩の「学習の手引き」のの心解を答失う例とという、こ解と答はあをま導りにくもた恐ろめのを持ポつイ以ン上、トそとの行なきる着く先は自己矛盾におけるおおむねの到達目標◆と◆◆なる言語活動)については◆、◆◆ねらい・準備物・手順・評価規準などを詳しく示し、ご指導の際の手がかりとなるよう留意いたしました。読︙読む能力  お れ…虎に変身した理由を語る・詩の↓ 才能の空費を嘆く。〈第六段落〉おれ…自■する・人間性の欠如を嘆く。自分…妻子のことを袁傪に頼む・袁傪に帰途に寄らないように忠告を付け加える。人間の心を失えば、もう悩み苦しむことがないから。ただし、その■しあわせ■は人間性の喪失と引き替えの恐ろしい■しあわせ■である。意味の幸せではないからである。本当に 幸せなのではなく、単に苦悩から解放されるということであり、その代償に人間・臆病な自尊心…自尊心が傷つくのを恐れるあまり、臆病になり、他者を避け る心。・尊大な羞恥心…羞恥心が強すぎるため、考え方をして、一流の詩人になることをわざと尊大な態度を取って他者を避ける心。で自らの弱点をさらけ出す可能性を事前に防ぐことによって、自らの弱点が暴露されないようにすることで、架空の自信・自負心を守り抜こうとする考え方・生き方を意味している。また、■尊大な羞恥心■も同様に、自らを高しとするものの、他者と出会い、他者と比較することで、自らの至らぬ点があることを知り、中に横たわって見る夢にだよ。嗤ってく恥じる気持ちを自覚することを事前に避ける生き方を意味している。結局は両者とも、自己を守るために他者を避ける心であり、社会の中で生き、詩人としての名を成そうなどという望み 才能を十分に備えていながら、自■癖のため、自らを前進させずに後退させる実現できなかった生き方。李徴の詩に対し袁傪は、■作者の素質が第一流に属するものであることは疑いない。しかし、このままでは、第一流の作品となるのには、どこか(非常に微妙な点において)欠けるところがある■(五二・10)と感じた。そして、旧詩を口にし終えた李徴の■おれは、おれの詩集が長安風流人士の机の上に置かれているさまを、夢に見ることがあるのだ。岩窟のれ。詩人になりそこなって虎になった哀れな男を■(同・14)という言葉を、■李徴の自■癖を思い出しながら、悲しく聞いていた■(五三・1)とある。この箇所を手がかりにして、■おれの空費された過去■とは何かを考えると、才能は十分に備えており、しかも詩人として有名になりたいという夢も持ちながら、自■癖のために、自らを前進させず 【評価の観点】  知︙知識・技能話︙話す・聞く能力書︙書く能力主︙主体的に学習に取り組む態度学習の手引き山月記「おそらく、その方が、おれはしあわせになれるだろう。」(五一・8)とあるが、それはなぜ ■臆病な自尊心■とは、他者との出会いか。「しあわせ」に傍点が付されていることに注意して説明してみよう。読解答解説教科書(四六〜五八)◆◆◆小説Ⅰ小説Ⅰ小説Ⅱ「おれの空費された過去」(五五・9)とはどういうものか、李徴の詩に対する袁傪の感想を手がかりにしてまとめてみよう。解答解説李徴の自称で、「自分」と「おれ」はどのように使い分けられているか、まとめてみよう。読解答解説「我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」(五四・8)とあるが、それぞれどういう心のことか、説明してみよう。読解答解説■■ ■読解 2読解 1■■ ■読解 1■■ ■読解 3■■ ■読解 414

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