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五七ページ板書例手引き・読解5」)られた意味を考えよ。小説Ⅰ小説Ⅰ小説Ⅱだけの問題ではなく、袁傪との話の流れ全体からいっても、妻子のことは後回しでどうでもいいといった感じが受け取れる。読者としてはここで、李徴が虎になってもしかたがないという思いを持つところであろう。ただ、■自■的な調子に戻って、言った。■(五六・11)とあるから、李徴は己の身勝手さがわかっているのである。わかっていて改めることができないのである。しく泣く声、の意。この部分では李徴は自分のことを■自分■と言っており、冷静さを保っているようであったが、袁傪が■懇ろに別れの言葉を述べ■(五七・6)たので、永遠の別離の思いがこみあげてきて自分を抑えきれなくなったのであろう。伝■の終末は、袁傪が残された李徴の妻子を厚くもてなすところで終わる。それと比べると、明らかに■山月記■の幕切れは、ドラマティックである。しかも、詩に生涯を託し、その果てに破れ去った一人の詩人の最後を描く、■白く光を失った月■や■二声三声咆哮した■という情景は、透徹した悲劇的世界を完結させ、読者に余韻を感じさせる描写となっている。なお、■白く光を失った月■が異界からの解放と日常性の開始を象徴しているとする説や、李徴の人間性の消失の象徴であると見る説などもある。あるのに、末尾の■見なかった■の主語は、袁傪たち一行になっている。文の途中で主語が転換するという破格の表現である。前の文の末尾の■彼らは見た■と呼応させようとしたものであろう。堪えられないような悲この文の主語は■虎は■では、自分の勇ましさや潔さを自慢するという意味である。第七段落を音読し︑最後の場面のイメージの豊かさを味わう︒  答 朝になり、空全体が明るくなってきたから。▽袁傪が商於を出発したときには、■残月の光傪と李徴との出会いから別れまでは、夜明け出来事であった。  答 袁傪への惜別の情と、自分の人間性が失われていくことを悲しむ心。▽袁傪が李徴の妻子を厚くもてなすという後日談で終わる■人虎伝■に対して、■山月記■では題名を彷彿とさせるように■白く光を失った月■を仰ぎながらの咆哮で終わる。非常に印象的な幕切れである。3 表現全し体たをか改っめたての読はみ何返かしを︑考作え者るが一ー︒こジ時の作で限品見ごでとやのす*  授く▽  問答李  業示徴「展しこ変鑑の身開ま賞の作」例し理品参由のをた照主を。、。題まをと原発まめ則問とたうめ見例よえ開や。で、き板作二書者がペ例こ*  問 この作品の中で月はどういをう役豊割富を果にた示してのお作り品で、何実を訴際えのたかごっ授たの業かのにつイいメて、ー生  答 「板書例」参照。教科書(四六〜五八)▽要所要所で月が出てきて、作品全体を薄いベールで包むような印象を受ける。(→「学習の*  問 「山月記」という、この小説の題名に込め  答 詩に執着するあまり虎と化した李徴の悲劇を、李徴が暮らす山を照らす月に象徴させた。▽作者が原典の■人虎伝■という題名を捨てて■山月記■としたのは、月に向かってほえるしかない李徴の姿に孤独と悲しみを集約させようとする意図があったのであろう。    授業展開例○月の役割・「残月の光を頼りに」   「白く光を失った月」    ︙時間の経過を表す・「時に︑残月︑光冷ややかに」    ︙神秘的な雰囲気をもたらす・「此の夕べ渓山明月に対し」   「おれは昨夕も︑あそこで月に向かってほえた」   「山も木も月も露も︑一匹の虎が怒り狂って︑哮っているとしか考えない」   「すでに白く光を失った月を仰いで︑二声三声咆哮した」    ︙李徴の孤独と悲しみを訴える対象︵四七・10︶︵五七・11︶︵五三・13︶︵五三・11︶︵五五・11︶︵五五・12︶︵五七・11︶山月記7 堪ええざるがごとき悲泣の声 光を失ったのか。徴のどのような心情を象徴しているか。●まとめのポイントしているのか。ジを描きやすい徒紙に面自由構に成考えとさなせたっいて。います。1312  再びその姿を見なかった 11  虎は、すでに白く光を失った月を仰いで…… ■人虎11   問 「月を仰いで」「咆哮」する虎の姿は、李前をの頼暗りいに頃■(か五ら七日・10が昇)るし頃てまいでたのの短で板書例 実際の板書にお役いあ時る立ていただける例を示しま間。した。の袁2 11   問 「白く光を失った月」とあるが、なぜ月は

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