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五一ページ五二ページ五二ページうちに、の意。■業■は、ここでは■詩人として名を成す■ことを指す。■いまだ成らざる■は■未成■の漢文訓読で、■未完成■の意味。■人虎伝■に■我に旧文数十■有り。未だ代に行はれず■とあるので、ここの■代■を■御代■ととり、■まだ天子の耳に達していない■の意とするものもあるが、そうではない。■人虎伝■が■世■を■代■と言い換えているのは、同時代の王朝の君主の諱を避けて別字に置き換える■避諱■に従ったまでである。ちなみに■世■を■代■に変えたのは、唐の太宗李世民の■世■を避けて■代■にしたのである。ここは■山月記■でも■人虎伝■でも、■まだ世間で読まれていない■の意である。発表されずに死後遺された原稿、の意で、李徴が自分の原稿をこのように述べていることは、自分の人間としての死を明確に表していることになる。漢文訓読調の表現である。■それ■の指示する内容は、後にある■もの■であり、この部分全体で李徴が求語め句た詩のと解い説う芸術を指している。詩人としてまだ有名にならないまだ世間で読まれていない。ーリーの展開に注目していくように生徒に指示するのがよいだろう。  答 自分の中にたまっていたすべてのものを出し切ったということ。▽生徒には、単に■言い終わった■ではないことに気づかせたい。* 表 問現 を詩、に第こ四だ段わ落りの続中けかたら李抜徴きの出心せ情。板書例 実際の板書にお役に立ていただける例を示しま関わした。る  答 「板書例」参照。▽①と③から、李徴が求めていたものが、結局世俗的なものであったことがわかる。李徴は② 「︵自分の詩を︶後代に伝えないでは︑死んでも③ 「おれの詩集が長安風流人士の机の上に置かれて①「元来詩人として名を成すつもりでいた」→世俗的な名声を求める李徴の価値観死にきれない」 →自分の詩への執着いるさまを︑夢に見ることがあるのだ」→①の具体的なイメージ④「詩人になりそこなって虎になった哀れな男」→自分の生き方への自嘲︵五一・16︶︵五二・5︶︵同・14︶︵同・16︶授業展開例 (発問と解説)語句の解説山月記④山月記●展開のポイントいのだ」とあるが、なぜ李徴は、虎になっても、自作の詩を後代に伝えたいと考えるのか。常に微妙な点において)欠けるところがあるのではないか」とあるが、李徴の詩に欠けていたものはどんなものだったと考えられるか。教科書(四六〜五八)1 第四段落を音読し︑李徴の詩への思いをまとめる︒いと考えるから。 ▽ ■答 一人自前分のが詩人人間面でをあっしたた証いをのこで発問例 読解のポイントをのは世押さえられる発問と、そのなにい解答を示しました。残■(した五二・4)、■産を破り心を狂わせてまで自分が生涯それに執着したところのものを、一部なりとも後代に伝えないでは、死んでも死にきれない■(同)とあるのに着目する。詩人として認められたいのではなく、生きた証しが欲しいと思うのである。  答 「鑑賞」参照。▽第五段落および第六段落にその内容が示され小説Ⅰ小説Ⅰ小説Ⅱという表現からどんなことが感じられるか。板書例1 まだ世に行われておらぬ 2 遺稿 4 産を破り心を狂わせてまで自分が生涯それに執着したところのもの 8 格調高雅、意読趣み卓逸 取りここのでうは■え格で調■重が要詩のと風な格る、語句にてついるい。てここ、では答えを出さず、今後のスト3   問 「これを我がために伝録していただきた教科書(五一・16~五三・15)詳しい解説を掲載しました。       1016  業いまだ成らざるに 13   問 「旧詩を吐き終わった」とあるが、「吐く」11   問 「第一流の作品となるのには、どこか(非

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