四六ページ 8中国甘粛省東南部の地名。長安から西へ約四百キロメートルに位置した。李徴の本籍地、つまり李徴一族発祥の地である。中国では殊のほかこの本籍を大事にし、長く伝承してゆく。■人虎伝■には■隴西の李徴は皇族の子（子孫）にして……■の記述があるが、それは唐王朝の皇帝も李氏であり、しかも隴西を出身地としているので、それを根拠に称しているのである。真偽のほどはわからない。例えば李白なども西域で生まれ、錦州（四川省）に移住した商人の息子と言われるが、唐初の動乱で西域に逃亡した王室の一族の末裔であると自称する。しかし、当時正式にそれが認められた形跡はない。李徴一族も同じである。たとえ本当に王室の末端とつながりがあったとしても、唐王朝が開かれてすでに百四十年、そのような人はおびただしい数に上っている。何よりも押さえなければならないのは、李白も李徴も現に貴族の身分ではなく、特別裕福な生活をしているわけではないということである。李徴については、誇り高い知識人の一族と理解しておけば十分である。西暦七五六年。唐の玄宗皇帝の御代の最後の年。前年から安史（安禄山）の乱が起きており、政治も社会も大混乱の時代である。李徴が地方の県官になり■俗悪語な句大の官■解（説四六・4）の下で仕えていたのは、この乱の最中で、読いみく取ら江り南のとはう言ええ、で都重が反要乱と軍にな蹂る躙語句にたついとい思てう気、持ち、またそれと裏腹に知らず知らずのうちに自分が別のものになってしまうのではないかという恐怖である。こういった点を引き出せれば、■山月記■への導入として十分であろう。２ 全文の範読を聞き︑印象をまとめる︒＊ 問 本文全体の音読を聞いて、印象を述べよ。▽漢文の書き下し文のような印象を与える文章である。漢語独特の語彙や、見慣れない語彙・語句の多用の効果について考えさせたい。特に最初の第一段落で内容の把握を諦めてしまう生徒もいることが考えられる。途中から読みやすくなることを予告しておくのもよい。また、あらかじめ予習の課題としたり、意味の難しい語句を説明するプリントを作成したりするなど、クラス状況に応じて対処する。▽授業の中で全文を音読するには、ＣＤ等を利用しても約三十分はかかる。時間がなければ二十分程度与えて黙読させる。＊ 問 この小説の文体の特徴とその効果につい 答 漢語を多用した漢文訓読調の文体と、短く歯切れのよい文を重ねることで、迫力のある力強さとリズム感を出している。▽文体の簡潔さが李徴の絞り出すような悲しみ授業展開例 （発問と解説）語句の解説山月記①山月記●導入のポイントあるか。教科書（四六〜五八）１ 作品世界への導入として「変身」について考える︒＊ 問 「変身」を扱った話にはどのようなものが▽まず挙げられるのはカフカの小説■変身■で主人公ザムザがある朝起きてみると、巨大な虫になっていたという場面から始まる。この作品では最後まで、なぜザムザが虫になったのかの理由が説明されない。この点で、明確な形ではないものの李徴変身の理由が述べられている■山月記■とは違っている。ほかに、旧約聖書から連綿と受け継がれるテーマである■狼男■の物語や、仮面ライダーパイダーマン■といった映画など、変身をテーマにしたものは生徒からいくらでも引き出せる題材であろう。▽問題なのは、我々の中に存在する変身に対する■願望■と■恐怖■であろう。自分を変え小説Ⅰ小説Ⅰ小説Ⅱ●展開のポイントてまとめよ。１ 隴西 １ 天宝の末年 教科書（四六・１~五七・12）詳しい解説を掲載しました。やのあ戦テろ隊レうもビ。のド一、ラ九ウマ一ルや五ト■年ラザにマ・発ンフ表なラさどイれ、（た子■こど男のも）作■■発問例 読解のポイントを押向品けスはさえられる発問と、その解答を示しました。
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