探求 論理国語 ダイジェスト版
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は自分で見たのではない。人から聞いたり考えたりしたことばかりだ。間違っているかもしれないけれども私はそう思うのだ。とにかくなめとこ山の熊の胆は名高いものになっている。とこ山の熊の胆ありという昔からの看板も掛かっている。だからもう熊はなめとこ山で赤い舌をべろべろ吐いて谷を渡ったり、熊の子どもらが相撲をとっておしまいぽかぽか殴り合ったりしていることは確かだ。熊捕りの名人の淵沢ゅう小こ十じ郎ろがそれを片っ端から捕ったのだ。腹の痛いのにも効けば傷も治る。鉛8の湯の入評論×小説 〈知〉の深化②り口になめ淵沢小十郎は赤黒いごりごりしたおやじで、胴は小さな1 らなきくわちう5らきお宮みや沢ざわ賢けん治じ小説 なめとこ山の熊 〈知〉の深化 ▼赤坂憲雄「木を伐る人/植える人」(八一ページ)の〔参考〕としてなめとこ山の熊のことならおもしろい。なめとこ山は大きな山だ。淵ふ沢ざ川はなめとこ山から出てくる。なめとこ山は一年のうちたいていの日は冷たい霧か雲かを吸ったり吐いたりしている。周りもみんな青黒いなまこや海坊主のよと、向こうの方で風が山の頂を通っているような音がする。気をつけてそっちを見ると、何だか訳のわからない白い細長いものが山を動いて落ちて煙を立てているのがわかる。評論Ⅲいてったぱりいしにて生いえるたけりれ牛どがも逃、げそてこ登をらがなさいがよさう三6に里柵さばかを道り行に立くうきそやなこ中4山山いか3だらた街や。淵道山の沢はの茂川こ中みがの頃いの頃に中きは大なを誰きりもごなう三歩2洞ほと百か穴あ尺落なぐがちいがかてらくいららんの、ると滝。蕗ふやあにいいな5たってどいてりひるが。のごそちれゃがごなちめゃといこた山そのう大おだ空そ。滝た本だ当。そはなしめて昔とこは山そのも熊辺7のには胆い熊もが私熊捕りの名人である小十郎は生計を立てるために熊を殺し、一方で熊とともに生きた―小説の読解を踏まえ、評論「木を伐る人/植える人」の「人と自然をつなぐ」というテーマの内容理解を深めることが可能です。171090

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