探求 古典探究 ダイジェスト版
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寡か人じんんこうい    めまん水すいんいくうくいんゅいいやくくん22孤こ臣し妾しょう子し卿け豎じ子し官か吏り布ふ衣いゃく百ひ姓せ客か遊ゆ子し傾け国こ天て子し相しよう古典世界ビュー|②戦術「戦術」とは、兵力や兵器などの軍備を基にし、それに地の利を踏まえて立てられる戦い方を言います。この紀元前二世紀頃には、戦国時代の縦横家の考えが再認識され、「合従・連衡」の外交術を応用した「団結と離反」の策略が、「戦術」にも一定の影響を与えていました。韓信は圧倒的な趙の大軍を前にして「背水の陣」を敷き、兵士たちには退路を断って必死の覚悟を持たせ、指揮官たちには「趙を破ってから会食をしよう」と言って勝利の望みを持たせ、「団結」を図ります。一方でがら空きになった趙のとりでに自軍の旗を立て、趙軍の戦意を喪失させ、趙の兵士たちを敗走させて「離反」に追い込みます。この戦いは、敵・味方両軍の「心理」を巧みに操った韓信の策略が功を奏し、「戦術」に結実したものなのです。●井陘口の戦い関係図古典常識・背景知識の習得①(「古典世界ビュー」「漢文常識語」)● 自分を指していう語(自称)● 相手を指していう語(二人称)◉漢文常識語……和漢異義語きゃくしゃきゃくせんわたし。諸侯が自分のことを謙遜していう。わたし。本義は「ひとり」。王や諸侯の謙称。わたし(男性)。臣下が君主に対して自分のことを謙遜していう。わたし(女性)。君主や主人に対してへりくだっていう。あなた。成人した男子に対する敬称。あなた。君主が臣下を呼ぶ語。また官吏間や夫婦間で互いを呼ぶ語としても用いられる。ん綿蔓①子ども。②小僧。青二才。人を罵るときに使う語。役人。上級の役人。役人。下級の役人。官位のない者。庶民。庶民。人民。旅人。食客。「客か舎し」は「旅館」、「客か船せ」は「旅人を乗せた船」。旅人。絶世の美人。「傾け城せ」も同じ意。天下を治める者。天命を受け天帝に代わって行うことからいう。大臣。 「ひゃくしょう」と読み、「農民」。史伝Ⅰ*四語とも会話文中の謙称として「わたし」の意で用いられる。古典世界ビュー本文を読解するのに役に立つ以下のテーマを理解することで、学習者にとって、漢文世界をより身近に感じられるようになります。【①故事成語の来歴】【②戦術】【③古体詩の役割】【④桃源郷】【⑤名場面の描写】【⑥荀子】作品から見えてくる当時の世界観を体感できます。教科書25ページ502 階級・資格等に関する語1 人の呼称に関する語25 背水の陣(軽騎兵二千人裏道伝いに進む)(とりでを開いて迎撃)(太鼓や旗を捨て逃げ込む)(太鼓を打ち鳴らし前進)井陘口(水のほとりの軍)(漢の赤旗二千本を立てる)趙壁(趙軍混乱し逃走)(とりでを 空にして 追撃)(漢軍、趙軍を撃破)(とりでに退却)(泜水に至る)漢軍の動き趙軍の動き

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