探求 古典探究 ダイジェスト版
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読み比べ学習②(「古典世界の夜」)▼本文中にも挙げられている、夜空・▼建礼門院右京大夫が眺めたと思われ3*ことなる心地するにつけても、ただ物のみ覚ゆ。てかけい1十1二月一つ日たごろなりしや2らむ、夜よに入いりて、雨とも雪ともなくうち散りて、3村む雲く騒がしく、ひとへに曇りはてぬものから、む4らむら星うち消えしたり。引5きかづき臥ふしたる2衣きを、更けぬるほど、6丑う二つばかりにやと思ふほどに、引7き退のけて、空を見上げたれば、ことに晴れて、8浅あ葱ぎ色なるに、光ことごとしき星の大きなるが、むらもなく出いでたる、なのめならずおもしろくて、花9の紙に、10箔はをうち散らしたるによう似たり。今こ宵よ初めて見そめたる心地す。先さ々ざも星11月夜見なれたることなれど、これは折12からにや、月をこそながめなれしか星の夜の深きあはれを今宵知りぬる軍記古典世界の夜―月・星・闇〔建け礼れ門も院ゐ右う京き大だ夫ぶ集し〕1これら 2希代 1十二月一日ごろ 3村雲騒がしく 4むらむら 訳あちこちに。まだらに。5引きかづき臥したる衣 訳(私が)横に6丑二つ 7▼引参き考退 け巻て末 1「訳(時被刻っ・て方い位た図衣」を)どか8浅葱色 葱ねの芽のような淡い青色。新暦では一一八七年の滋賀県大津市付近に滞在していた。一月中旬。このとき作者は、旅で現在「にやあらむ」の変化した形。訳であろうか。だろうか。「村雲」は群がっている雲。固まっている雲。訳固まりになっている雲が慌ただしく(空を行き交い)。「使衣っ」てはいこたののとかき。、どのような目的でなり引き被っていた夜着。午前二時半から三時の間。して。さまざまな異常気象など。世にもまれなこと。珍しいこと。9花縹はの色(紙浅 葱と藍の中間の色)をしている。紙のようにしたもの。い夜。からだろうか。「現こさとれなてるい心る地か」。は、歌の中でどう表露草の花の搾り汁で染めた紙。金や銀などの金属を薄く延ばして、星の共通のテーマ・内容を持つ、複数の文章を読み比べること明かりは、共通点や相違点に思いをめぐらせ、双方の文章をよりが月深く、正確に読解する力を身につけることに繋がります。のように明「文章を正確に読み解く力」は「課題を解決する力」に結びるつきます。読み比べ学習はそれを実現するための有効な手段です。記星の夜の深きあはれんのやうの古典世界の夜▼巻頭6古文ジャンル解説▼巻末7鳥瞰文学史たへきんいい   ききくひぬしもらさ5ちい日んいんいふぎ213古典に登場する色星空に関連する色を見てみよう。一一八六年旧暦十二月一日頃の星空る星空を見てみよう。なだ古典世界の夜▼巻頭6 古文ジャンル解説▼巻末7 鳥瞰文学史278読み比べ学習の意義、そしてその先へ教科書紙面上の二次元コードを読み込むことで、学習の参考となるデジタル資料を見ることができます。同じテーマに関する複数の教材を配置。単元の末尾には、テーマについての考察を深めるために、 深める手がかり(本ダイジェストP39)を設問として掲げました。2762こや▼のら参時む考季  の巻季頭節2「感京は都、ど付の近よ地う図な」ものか。3612折からにや 訳(旅をしている)ときだ10箔 11星月夜 

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