探求 古典探究 ダイジェスト版
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小門より入らせたまへ。」と申しければ、(6行目)行目) ⑦ 御琵琶あそばされけるところに、(8行目)まとめ実定が大宮のもとを訪れたときの二人の様子はどのようなものであったか、まとめよ。恨めしげにて、(1行目) ②それぞれどのようなものか、説明せよ。たいらの清き盛もは反平氏勢力の藤ふ原わ基も房ふらを解任、後ご白し河か法皇を洛ら南なの鳥と羽ばに幽みなもとの頼よ政まは平家一門の専横、源氏方への軽侮に対し、以も仁ひ王おを擁して挙兵するが失やうやういのもぎ御み格かう子し上げさせて、御琵び琶はあそばされけるところに、大将参られたりければ、「いかに夢かやうつつか。らのやうもぎわうひんがしもてみんなみもて1徳とく大だい寺じの左さ大だい将し実し定て卿きは、2旧ふき都の月を恋ひて、八は月づ十日あまりに、福原よりぞ上りたまふ。何事もみな変はり果てて、まれに残る家は、門前草深くして、庭て上し露しげし。3蓬よが杣そ、4浅あ茅ぢが原、鳥の臥ふし所どと荒れ果てて、虫の声々恨みつつ、5黄く菊き紫し蘭らの野辺とぞなりにける。故郷の名残とては、6近こゑ衛河原の大宮ばかりぞましましける。大将その御所に参つて、まづ随ず身じに7惣そ門もをたたかせらるるに、内より女の声して、「誰たそや、蓬よ生ふの露うち払ふ人もなき所に。」ととがむれば、「福原より大将殿の御参りさうらふ。」と申す。「惣門は錠のさされてさぶらふぞ。ばとて、東の門より参られけり。大宮は御つれづれに、昔をや思おしめし出いでさせたまひけむ、これへこれへ。」とぞ仰せける。8源げ氏じの宇治の巻には、9優う婆ば塞その宮の御むすめ、秋の名残を惜しみ、琵琶を調べて夜もすがら、心を澄ましたまひしに、有あ明あの月出でけるを、なほ堪へずや思しけむ、撥ばにて招きたまひけむも、今こそ思ひ知られけれ。旧都の月〔平へい家け物語〕一一七九(治じ承しう3)年、平閉した。翌年、敗に終わる。六月、清盛は都を福ふ原は(今の兵庫県神こ戸べ市)へと遷うした。その年の秋のことである。語を補い現代語訳せよ。行目) ① 近衛河原の大宮ばかりぞましましける。(3 ② まづ随身に惣門をたたかせらるるに、(4行目) ③ 「福原より大将殿の御参りさうらふ。」と申す。(5行目) ④ 「惣門は錠のさされてさぶらふぞ。東面の雑草が茂っている様子の比喩。藤原実さ定さだ(一八ページ注7参照)。このとき、大納言左大将であった。藤原多た子し(一一四〇〜一二〇一)。実定の妹。近衛河原(今の京都市)に御所があった。  4浅茅が原 「源氏物語」の宇う治じ十帖じ。  9優婆塞の宮 解析 敬語に注意しながら、次の文を必要に応じて主東面おの小こ門もより入らせたまへ。」と申しければ、大将さら平安京を指す。邸の大門。南面おのょうかま平家物語 九一ページ参照。雑草の生えた野原。  2旧き都 菊や藤ふ袴ばなどの秋草。  5黄菊紫蘭   7惣門 宇治八宮。桐き壺つ帝の第八皇子。古文解析古文解析10133 古文解析131 古文解解析とまとめ各教材にはポイントに関連した「解析」問題を掲載。文章全体の理解度を問う、「まとめ」問題も設けています。ポイント敬語に注意すること17 8源氏の宇治の巻 りぼねじけりちんくぼん5いんうんんくのいまさるつきらくうつ源さりちとうょさとじりよらわくん    ⑥⑤  東昔のを門やよ思りし参めらしれ出けでりさ。せ(た7ま行ひ目け)む、(7 3蓬が杣  6近衛河原の大宮  1徳大寺の左大将実定卿 

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