探求 古典探究 ダイジェスト版
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解析①地方官であった父に伴われ、上かずさ総の国(現在の千葉県)に下った作者は、物語の世界に憧れを抱ことになったが、帰京後、継母は父との関係が悪くなり、離婚して家を出ることとなった。いたが、それは宮廷生活を知る継母からの影響が大きかった。父の任期が終わり、一家は都へ戻る紛らわしい語の識別に注意して、本文を正確に読み解く。竹た取と物語大やと和物語伊い勢せ物語ゅう大おがみ鏡か 平安後期︒藤原氏の繁栄を描くが︑栄え花が物語 平安中期︒藤ふ原わ道み長なの栄華をたらの落お窪く物語つつみゅう平へ中ち物語今いがみ鏡か 平安末期︒後ご一い条じ天皇~高倉天皇ょう夜よの寝ね覚ざめ︵菅す原わ孝た標す女む?︶らのえのすめ水みがみ鏡か ま鎌で倉十初三期代︒百神じ四武む十天六皇年~間仁に︒明み紀伝天体皇︒四し鏡きょう浜は松ま中納言物語︵菅原孝標女?︶みなもとの頼よ国く女む?︶にのすめ増まがみ鏡か 南北朝前期︒後ご鳥と羽ば天皇~後ご醍だ醐ごろも狭さ衣ご物語︵ゅうょうなのょうものむらさきすめえのょう古文解析て、ほかに渡るとて五つばかりなる2児ちどもなどして、「あ3はれなりつる心のほどなむ、忘れむ世あるまじ継母なりし人は、宮仕へせしが下りしなれば、思ひしにあらぬことどもなどありて、世1の中恨もめしのげにのあはれき。」など言ひて、梅の木の、つ4ま近くて、いと大きなるを、「これが花の咲かむ折は来むよ。」と言ひ置つしか、梅咲かなむ。来むとありしを、さ7やある。」と、目をかけて待ち わた るに風、花雅もみのな咲道きぬれど、きて渡りぬるを、心の内に恋しくあはれなりと思ひつつ、忍5び音ねをのみ泣きて、そ6の年もかへりぬ。「い8音おもせず。思ひわびて花を折りてやる。頼めしをなほや待つべき霜枯れし梅をも春は忘れざりけり▶資料一覧ビュー古典世界ビュー本文から見えてくる、 当時今のや世夢界昔観をや解夢説と   Q R 資 料現を代含語む訳教材すさまじきもの      現代語野分のまたの日こそ    現代語二月つごもりごろに    現代語130鷹を放つ         現代語夢よりもはかなき世の中を 現代語有明の月に        現代語水鳥に思いよそえて    現代語日本紀の御局       現代語 雲林院の菩提講 文法助動詞「めり」/敬語「たまふ」の用法66花山院の出家  文法敬語「侍り」「候ふ」の用三船の才     文法「る」の識別平  3 宇忠道家 治度長構物古物源   川のと 成典語紫柏葵藤氏語の の都伊と上木上壺 魅物概  先落周のととの力観語 陣ちの  ―死女物里「   競  三の下現平   射代 宮怪が家    か   り物ら文文文文    の法法法法語「視    」品敬呼に点    詞語応」の分の②    平解識副    家①別    物現現現現語代代代代語語語語先帝 入水   コラム4原文を読み解く魅力匂宮と浮舟現代語現代語訳訳訳訳訳訳訳訳訳訳訳訳法詞訳訳訳訳小林秀雄9220202222古文枕草子 編主な特長       訳            と5︱いいのぬならうきずいうげはいまりけんいんうんんつんうい―はまらな   ごきゃんっんんうんんょんんっ 説ん源りがつまるかちぼけりいま ん 物5すずまおいんんちいじちが 5 蜻蛉日記 和泉式部日記 紫式部日記 大鏡 継ま母はとの別れ〔更さ級し日記〕 倭建命小野小町秘する花を知平安ること虚実皮膜の論師の説になづまざること  娘さと  堪忍   コラム5国語教科書の源流 星の夜の深きあはれ〔建礼門院右京大夫集〕 天下怪異のこと〔太平記〕 夜空を詠んだ和歌・俳諧ー付録ー大鏡 古事記 無名草子風姿花伝難波土産玉勝間源氏物語玉の小櫛櫛柴門の辞おらが春雲萍雑志曽根崎心中 徳兵衛お初道行近世和歌訳訳248訳251訳256訳260鳥瞰文学史中古(平安時代)現代語訳する課題文法事項に留意して ビュー④不本意な出家 1随筆2日記5歴史と軍記5歴史と伝説6評論Ⅱ7近世の文章・戯曲・和歌狂「古文解析」とは…歌“古文を正確に読み解くこと”を意図して設けています。8古典世界の夜月・星・闇 語歴史物語古文解析更級日記 五五ページ参照。ょう三さ宝ぼ絵え詞ことば︵みな源もとの為た現め憲のり︶代語ゃく今こ昔じ物語集発ほ心し集︵鴨か長ちょう明めい︶現宇う代治じ拾し語遺い物語ゅうゅうもの撰せ集じ抄ゅう蜻か蛉ろ日記︵藤ふじ原わらの道みち綱つ母は︶一千余編収録の最大の説話集 ︵たち橘ばなの成なり季すえ︶前九年の役を描くょう︿作り物語﹀     ︿歌物語﹀たえる︒時代順の編年体︒批判も︒人物中心の紀伝体︒式部︶まで五十四代︒編年体︒天皇まで十五代︒編年体︒章段に大別されしる上︒げる意味を持つ。百段は︑類る聚じ的章段︑随想的章段︑日記的は﹁枕草子﹂に似るが基調は無常観︒ょうょう   日本古典文学史年表 重要古語索引めて︑事実として民間に伝承された話を的には主に中古・中世を中心に文字によ広義には伝説・神話・昔話などをも含わる話が主流の仏教説話と︑民衆生活のって表された読み物としての話を指す︒いう︒内容上から大きくは︑信仰にまつ諸相を記した世俗説話とに分類される︒め先行文学の成果をみごとに生かし︑文ばれる二系列があったが︑これらをはじ学史上の傑作﹁源げ氏じ物語﹂は誕生した︒︿日仏本教霊り説話異い﹀記 ︵ 景き ょう 戒か現い︿︶世代俗説語話﹀中古の概観  平安京軍遷都794記要素合も戦取をり中入心れとなしがてら︑叙あ事る的歴に史描をい説た話作的関の政政治治まへ体た日と制故記移か実はりら先元ま、例来す天を︑。皇伝宮さのえ廷ら外る貴に戚た族、とめが貴し︑備族て日忘の藤々の力原漢たが氏文め衰がで︑退権し力、をく振院体に政る験随しをうた・が経摂っ感て想自・す由見るに聞こ書なときどをつを勅ちづょ︑く撰せっ筆んとたのい散おう文も。をむあっP.113〜『た古こ中今き世和を歌代集表』す905るジャンルである︒の仮名文字の発明と和文体の発達により︑唐滅亡907すでに中古の中期︑﹁将し門も記﹂﹁陸む和奥つり歌入文れ学日あらの記るれ復主文ま権学題し がのた誕も。生と男すに性る作貴︒者族そののの内間最面で初を漢が表詩紀き現のや貫つすら漢之ゆるき文などの漢字文ありP.32『︑竹た中取と世物前語期』の﹁保ほ元げ物語﹂物語文学の成立﹁平へ治じ物化が重の要﹁視土とさ佐され日る記一﹂方でであ、り和︑歌続はい私て的平な安場女で流詠まれし丈じるょたうも記き姿の﹂﹁をと徒つ示れ然づしれ草ぐてが方さ﹂いが生がるあみ書︒る出か続。されくれ勅︑中撰る和とこ世歌いのに集う三はを考作﹁え編を方ほうかな心情の表現を可能にし、恋のやりとりの際など◇、和古歌典は三大随で、筆天皇を権威づけるとと陸奥げ話う記世紀初め、土土醍だい佐佐醐ごか日天ら記︵京皇紀ま*の*貫で勅ち之五ょ︶十く命め五いに日間よのり旅、『日記古今和歌集』が﹁編へ源げんん氏じ纂さん物さ語﹂と並ぶ平安文学の代表作︒約三男性貴族にとっても、重要なものとなりました。そし枕て草、子︵十清せ少し納なや言ご『︶日一〇本〇書〇紀年』頃をはじめと保元物語れ、和歌は公的なものとしての資格を獲得します。物漢語詩文文学やの1000年成仮和い兼か名立ね家いみ泉 文えの式し古字妻部ぶととく日しかの記て︵関らの和わ伝苦泉悩式えりと部にら道︶よれ綱へってのてき愛、た物神語話やとい伝う承新も序しま︑いた天文、変地異の*体2験︑ 作閑居りの物叙語述・と歌︑整物然語語」の『竹取紫物式語部』日『記う︵紫つ式ほ部物︶語』『落窪物語』、「*歌*物を語表」す︒の学の形をと親る王よとのう恋にを三な人り称まで物し語た風に。記十す世紀頃には、「*と作*しりた物構成を持 つ古︒来和漢の混伝交承文を体踏でま無常え観漢文『伊勢物語』『更さ宮廷級し大生日和活記︵の物菅す記が語録原わら』との孝た『鋭か標す平い女女む中房︶物評語など』が作られました徒。然ま草︵た兼け、好こ法ほ内師し︶容一を三扱三う一年も頃のが、『竹取男性が仮1100年名讃さ少を女岐き使時典すっ代侍けかて日ら書記お︵いよ藤たそ原四長ち『十土子し年︶佐間の日回記想』は日記文学と序豊い段かうとな新二思百索四で十随物三筆語段文』か学らのを成典はり型じ︑をめ広成といすす見︒聞形ると式作り◇説話集の系譜◇平安期の物語の系譜◇平安期の主要な日記作品ここには︑古文編で扱う作品の属する各ジャンルについて概略をまとめ知ることによって︑作品への理解を深めることができよう︒た︒学習の際︑ジャンル内の流れを把握しその作品の文学史上の位置を本来は口承の類いをも含むが︑文学史に生まれた︑歴史上の人物や出来事など貴族階級が衰退してきた平安時代後期発生当初︿作り物語﹀︿歌物語﹀と呼語という︒藤原氏の過去の栄光を懐古すを仮名で物語風に叙述したものを歴史物がある︒る作品や︑摂関政治を批判する作品などうつほ物語源氏物語︵む紫らさき堤中ち納な言ご物語とりかへばや物語▽文学作品と時代との関わりを眺めよう。命令のこと。天皇の命令によって文集・詩歌集を編纂平安京に遷都後、唐の文化がより積﹁の極枕まくち的らのにょ草そう取う子しど﹂一で︑〇早〇く〇も年随頃筆に文成学立のし完た成いう︒文学史上最初の随筆は︑中古中期古代中国には、有徳の為政者のもとでは優れた漢詩文纂することは、良き天皇のもと良き歌が詠まれたこともに、和歌の地位を、漢詩する日本の正史と同等に押方丈記︵鴨か長ち明め︶一二一二年学の影響を受け、伝奇的な◇主な歴史物語 識別現十じ二に代訓き﨟ろ抄う左ざ︵語衛え六ろく門も波はん入羅ら道?︶P.98・188『源氏物語』1008頃P.173『建和い武ずのみ泉中式しき興部ぶ︑日南記北朝』の対立などP.58・158『太た平ま家平へ枕く一ら記の︵門草そ小こうの子し島じ盛ま』法衰1000師を頃?和︶漢混交文で描く鎌倉『平落お家ち窪く物ぼ物語語』室町P.168『蜻か蛉ろ日記』974頃平安『将平へ門い中ち記ゅう物語』962頃古こ今こ著ち聞も集じ鎌倉沙し石せ集︵無む住じゅう︶1100年1000年(古文ジャンル解説・鳥瞰文学史)文章のジャンルの概要を把握できるよう、巻頭に「古文ジャンル解説」を設置。連綿と続く日本文学史の流れが押さえられるよう、巻末に「鳥瞰文学史」を掲載。▶P32-33へ文学史的観点からの学習文法学習(Ⅰ部「文法」問題、Ⅱ部「現代語訳」問題)/古文解析Ⅰ部では本文中の文法事項を取り上げた文建  法問題、Ⅱ部では文法事項に留意して訳すか大嘆礼か納き門る言つる現代語訳問題をそれぞれ設置。「古文解院夢殿つ右見参ひ析」では古文を正確に読み解くためのポイ京ぬりと大人たりントを、解析として示し、400字前後の文章やま寝夫いひる集2編と設問を通じて学習可能。ひて夜 け  ▶P14~19へむ     現現現代代代語語語66242488842082072031981932801818161611111313887080787573188278276173166164168170254158161243二次元コード掲載18618418117917626626426227227527426912 話  菅道原長道の真豪の胆左  遷            現現代代語語訳古文ジャンル解234238説286282『平う治つ物ほ語物語』話品記を﹂い  うと  ︒い遣武っ唐た士使漢が廃活文止体躍894のす先る駆動和歌文学の復権的乱なの作時品代でがて武士記階し級たが記台録頭でしあまっすた。︒しかし︑中古初期◇作語平  安「﹂﹁主P.36P.45『『『と平へ要い大や伊い土と往ほ家けな佐さ勢せと和ぼ物物日物来軍同語語記語じ﹂記』』』物頃が935作頃にそ」品はのの︑形軍を話記整物え語てのく代る表︒性してが、使な日低い記くい始回と位め想通置た記称づ平にさけ仮近れに名いるやと︶作ど片が品ま仮次群っ名︵々てがに明い、書確ま漢かなし字れ日たで付た。はは︒難ししかかしもっ、った主て細に古や女典三大随筆と称している︒ を 中 古 と 言 い 平ま安す京。遷平日都安か時ら記代鎌は倉、幕律り府令り成制立にま基でづのく約天四皇百中年心間 *随勅1命 勅と筆は命、天皇・上皇の

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