探求 文学国語 ダイジェスト版
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ょうちんうょをわ5初夏の犀川1かこなまるや」けとき同 じ。2校訂 3伊藤信吉 「こまや古書などの本文を他の伝本と比べ合わせて訂正すること。一九〇六~二詩人・評論家。〇〇二。   犀川 うつくしき川は流れたり そのほとりに我は住みぬ 春は春、なつはなつの いまもその川のながれ 美しき微風ととも 蒼あき波たたへたりこの詩は詩集「抒じ情じ小曲集」の中の一編である。「抒情小曲集」は大正七年九月発行で、詩集に収められた詩編の制作年代は〈二十歳から二十四歳くらい〉だと詩人は記している。ただし、全集の解説で、校2訂者の3伊い藤と信し吉き氏は、十八歳頃から二十六歳頃に幅を広げてみる方がより正確だと書いておられる。いずれにしても、二十歳前後の作と思われる。室生犀星氏は、昭和三十七年に七十四歳で亡くなられた。それから二年目の昭和三十九年に、「室生犀星全詩集」が出た。その全詩集には、詩人本人が選んだ詩だけが集めら文学評論Ⅰ詩の若書きは、表現の対象も方法もわからないまま出現し、詩人には重荷ともなる―犀星の詩作を例に表現行為の本質に迫る評論です。151024045  こ花1まつやけけるき堤本にの坐すなりさてけと愛とを知りぬ

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