探求 文学国語 ダイジェスト版
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1詩室人生・犀小星説 家。石川県2犀川 3越後 4ディレクターdirector(眼め覚ざめる頃」など小説佐さ渡ど島しを除く新一八八九~一金沢市の旧加賀藩士の子として生まれたが、犀川べりの寺にすぐ預けられ、後に僧真し乗じの養子となった。高等小学校を中退して働き、新聞に詩や俳句を投稿。一九一三(大正2)年、雑誌「朱ザ欒ボ」に掲載された「小景異情」で詩壇に登場。以後、哀切で激しい感情をうたった詩を多く発表した。後に「幼年時代」「性にも数多く執筆した。富山・石川県境から金沢市を通り、日本海に注ぐ川。潟県全域の旧国名。英語)。放送番組の主担当者。九六二。四年ほど前に、わたしは生まれて初めて金沢へ行った。あるテレビ番組出演のためだったが、1室む生う犀さ星せの生まれた国を訪ねることが、その番組の目的には入っていた。というより、室生犀星の生まれた国だからわたしは行ってみたいのであった。かといって、詩人室生犀星についての、詳しい伝記的知識があったわけではない。「2犀さ川が」という詩が好きだから、その犀川を見たかった。〈3越え後ごの山も見ゆるぞ さびしいぞ〉という詩句が好きだから、越後の山をそこから見たかった。金沢で、犀川のほとりに立ったときは雨が降っていた。その雨の犀川がテレビに映された。ところが東京へ帰ってから、その雨の犀川のシーンに重ねて、「犀川」の詩を流したいから、朗読してほしいとデ4ィレクターがいってきた。朗読は、東京のスタジオで録音されたが、そのときわたしが読んだのは、次の詩である。文学評論Ⅰ富とみ岡おか多た惠え子こ詩人のふるさと0000ちいわいいろ 5まがンアんょう239 詩人のふるさと1044文学評論 〈Ⅱ部〉

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