探求 文学国語 ダイジェスト版
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▼▼  ざな――安あ部べ公こう房ぼう「壁」すぐれた書き出しは、読者を一瞬でその小説の世界に引き込んでくれる。今すぐ続きを読みたくなった作品はあるだろうか。読み手の興味を引き付ける書き出しを、自分が文章を書くときにも工夫してみよう。――森もり見み登と美み彦ひこ「太陽の塔」書き出しが誘いう小説の世界桜の樹きの下には屍し体たいが埋まっている!――梶かじ井い基もと次じ郎ろう「桜の樹の下には」 桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。――坂さか口ぐち安あん吾ご「桜の森の満開の下」 目を覚ましました。 朝、目を覚ますということは、いつもあることで、別に変かわったことではありません。しかし、何が変なのでしょう? 何かしら変なのです。春が二階から落ちてきた。――伊い坂さか幸こう太た郎ろう「重力ピエロ」 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。 さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴のは聞こえないように、私はプリントを指で千ち切ぎる。細長く、細長く。紙を裂く耳障りな音は、孤独の音を消してくれる。気け怠だるげに見せてくれたりもするしね。葉緑体?音ねで鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りに活動のプロセス2 「古典作品を翻案する」(六三ページ)活動のプロセス6 「短編小説を書く」(四〇二ページ)――川かわ端ばた康やす成なり「雪国」 ハッ。っていうこのスタンス。 ――綿わた矢やりさ「蹴りたい背中」 何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている短編小説を創作をする際の参考として、実在する作品の。〈書き出し〉を巻末に厳選して収録しています。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。ⅵ3 オオカナダモ?41

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