探求 文学国語 ダイジェスト版
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ひんがしくゑちねの5せつごひルつうひ▼参考 ― 三七三ペ19ー世ジ紀「『末舞の姫ベ』ルのリ世ン界」1と熾熱か。灯 carta(2骨牌 3サセイイゴゴンン。 インドシナ4ニル・アドベルリンに留学した太田豊太郎は、過ミ去の生き方に疑問を持ち、エリスと交ララリ際を始める―和漢洋の格調高い文テイン 体で愛と別離を描きます。nil admirari(アーク灯のこポルトガル語)。ここでは、トランプのこと。半島南部の都市。今のベトナム社会主義共和国の都市ホーチミン。語)。何事にも感動しないこと。無関心。Saigon石炭をばはや積み果てつ。中等室の卓つのほとりはいと静かにて、1熾し熱ね灯との光の晴れがましきもいたづらなり。今こ宵よは夜ごとにここに集ひ来る2骨カタ牌仲間もホテルに宿りて、舟に残れるは余一人のみなれば。五い年と前のことなりしが、平ひろ生の望み足りて、洋行の官命をかうむり、このセ3イゴンの港まで来こし頃は、目に見るもの、耳に聞くもの、一つとして新たならぬはなく、筆に任せて書き記しつる紀行文日ごとに幾千言をか成しけん、当時の新聞に載せられて、世の人にもてはやされしかど、今日になりて思へば、幼き思想、身の程知らぬ放言、さらぬも尋よ常つの動植金石、さては風俗などをさへ珍しげに記ししを、心ある人はいかにか見けん。こたびは途みに上りしとき、日に記きものせんとて買ひし冊子もまだ白紙のままなるは、ドイツにて物学びせし間に、一種のニ4ル・アドミラリイの気象をや養ひ得たりけん、あらず、これには別に故あり。げに東に帰る今の我は、西に航せし昔の我ならず、学問こそなほ心に飽き足らぬところも多かれ、浮き世の憂き節をも知りたり、人の心の頼みがたきは言ふもさらなり、森もり 鷗おう外がい小説Ⅳ舞ま姫ひめ1036小説Ⅳ 〈Ⅱ部〉368

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