探求 文学国語 ダイジェスト版
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状の植物を絡ませて作る。箱形の錠前。錠の本体に棒状や明るい避暑地の一角に、妙に暗い感じの家を見ることがある。別に家が古くて、廃屋じみていたり、塀が壊れていたり、建築様式が陰気で、小さな窓や深いひさしが屋内にてもいい。その家の前を通るときに、奇妙に寂せ寞ばとした、ひんやりした気配が襟もとを襲い、家全体から説明しがたい暗い印象を受ける家というものがあるものである。例えば裏庭に、向ひ日葵が頽くれている。裏木戸のちょうつがいが壊れていて、道伝いに潮風が襲ってくるとき、奇妙な音をたてる。そんなささやかな退廃の兆しは、子どものpergola(1るパーたゴめラの 棚。格子状に組んだ材に、つる2南京錠 英語)。日照を調節す3二百坪 取っ手状のかんぬきが付いていて、片側を差し込むと錠が締まる。坪は土地の面積の単位で、一坪は約三・三平方メートル。多い朗らかな家族の住む家であったら、何か滑稽な面白い印象を与えこそすれ、不気味な空気を醸し出すことはないに違いない。は近こき藤どち家んでとはし、て壊おれりて、い裏る木も戸のの2は南ナ何京キも錠じなはか、っ光たり。輝戸く締新まり品上に生け垣が巡らされ、白いペンキ塗りの門はそう高くない。外から見たところ、窓も引き戸も、戸締まりが堅固にできていて、開放的な建築であるのに、故意近藤は部下に戦犯の罪をなすりつけに自た過去を持ち、近藤一家は、部下の分父・玄武の復讐に怯える―緊迫感の中漂う戯曲的世界に触れます。に閉じこもっているという印象を与えるのである。陰気廃屋 退廃 故意寂寞滑稽堅固ょう小説Ⅲ三み島しま由ゆ紀き夫お復ふ讐しうずりわまきくくゅ     うんンン585 復讐そ差れしが入白る外いパ光1ーをゴ遮っラをて差いした出りし、とた明いるういの別では荘風なのい家。でたあとえっで二3百あ坪っほてど、あ決るして木造さのび別つ荘いて風のな洋ぞ館いでな、かっ周囲たは。低芝い生の石垣庭がの1016小説Ⅲ 〈Ⅰ部〉

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