探求 文学国語 ダイジェスト版
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どり1大上京阪府し内たの 高校に通っ2和めよう 3大仁 4伊豆の踊子 当時「私」はていた。ほぐそう。「の口は数なもぜ減かっ。ていった。」静岡県伊豆半島北部の町。現在の静岡県伊豆の国市の一部。(一八九九~一九七二)の小説「伊豆の踊子」。一九二六(大正15)年発表。第一高等学校生の「私」が伊豆半島北部の修し善ぜ寺じで旅芸人一座の踊り子の少女と出会い、天あ城ぎ峠を越えて下し田だで別れるまでが描かれている。を2和なめようとして、自然に口数だけは多くなっていった。ところが、京都から乗り込ん今から十三年前、私は友人と二人して、ある私立大学を受験するため上1京した。というより、上京するため確かに東京行きの列車に乗ったのである。世の受験生と同様、私たちもまたいくぶんの不安と心細さを抱いて、窓外の景色を眺めていた。そんな気持ちできた一人の女子高生が私たちの隣の席に座ったことで様相は一変した。めったにお目にかかれないほどの美人だったからである。私も友人も何となく態度が落ち着かなくなり、口数も減っていった。友人が*意を決してその女子高生に話しかけたのは静岡を過ぎてからであった。彼女は京都の大学を受験して、伊い豆ずの3大お仁ひに帰る途中だった。友人はそっと私に耳打ちした。「伊4豆の踊お子こやなァ。」なぜ踊子なのかわからなかったが、私は、うんうんとうなずき返した。彼女もだんだ宮みや本もと 輝てる小説Ⅰ途中下車おと15ごゅんまもわたすり18川か端ば康や成な十三年前、私と友人は女子高生と知り合い、受験をせず人生最初の途中下車をした―人生の様々な「途中下車」を描く短編小説です。10小説Ⅰ 〈Ⅰ部〉32

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