探求 現代の国語/探求言語文化 付属教材・資料見本
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(出入国在留管理庁﹃出入国管理のしおり度版﹄)②訪日外国人の増加グラフⅠ・Ⅱが示すように、訪日外国人旅行客は、二〇一〇年代に急激な増加を遂げた。その背景や課題については、以下のように分析されている。二〇二〇年実社会Ⅱ①入管の仕事グラフⅠを掲載している出入国在留管理庁パンフレット「出入国管理のしおり」では、入管の仕事を次のように説明している。実用的な文章3 出国手続きを考える参考資料ルスの世界的感染拡大が生じた。そのためグラフⅠやⅡが示す数値は一気に減少し、ここ数年の流れとは大幅に異なることになり、より根本的には、防疫の観点から事実上国境を閉ざすという選択を多くの国が行うことになった。「実社会へのアングル」が述べるように、国際化、ボーダーレスの時代であったが、それがために感染症があっという間に世界に広がり、国際化、ボーダーレスとは全く逆の方向に舵を切らざるを得ない状況になった。実は、この傾向は中東やアフリカからの移民や難民に対し、国境を閉ざしたヨーロッパにすでに存在していたとも言える。このように、国境をどのように開き、また閉じるかという問題は、さまざまな要因で今後も変動していくに違いない。そこではまた、新たな法規が決められ、私たちの行動を規定していくのである。空港でのみならず、生活の場と大きく関わる法令について、関心を疎かにするべきではない。国際化時代の中で、日本は世界に向かってできる限り扉を開くようにしています。とは言っても、外国人が何らの制限や審査も受けずに自由に日本に入国し、仕事につき、生活してよいというわけではありません。外国人がどのような目的で日本を訪れ、どのくらい滞在するのか、それが日本人の生活をおびやかすことがないのかどうかなどを日本の法令に基づいて判断し、日本に滞在することができるかどうかが決められます。これを行う入国管理の仕事は、人の交流が活発になればなるほど一層重要になってきています。正当な目的をもって来日しようとする人がスムーズに入国し安心して生活できるようにするとともに、日本での滞在を認めてはならないような外国人から日本国民の生命・安全や産業・国民生活上の利益を守ることも、また入管の仕事です。日本にとってのインバウンドとは、日本を訪れる外国人観光客のことである。2013年、その数が初めて1000万人を突破した。政府は当初、オリンピック開催年である2020年までに2000万人、2030年までに3000万人のインバウンド観光客を誘致することを、その政策目標に掲げた。しかし、その後、インバウンドは予想を上回る伸びを示し、2015年度の時点で2000万人を突破してしまった。そこで、政府は計画を見直し、2020年までに4000万人、2030参年ま考で資に料6000万人と、目標値を倍増させた。っ2た0も1のの6年、は結熊果本的大に2震災4や0一0素掲時万的人材げなを文ま円超高えのしのるテた外影響国ー。が人マあ観をよのこだり。の深(構表く造1変理「化出解の入具す国体管る的理要の統因計にと」し役グてラ立はフ、つ省ま略資ず)、料政を府が教科書(一八二〜一八四)光客が日本を訪れた。増加傾向は維持されている。このまま順調に推移して、無事2030年に6000万人というインバウンド誘致の目標が達成されたとしよう。厚生労働省の推計によると、2030年段階における日本の総人口は1億2000万人となる。極めて大胆な想定をし、もし6000万人のインバウンド観光客が同時に日本に滞在すると仮定すれば、人口の3分の1は外国人ということになる。今でも東京都心で昼間に地下鉄などに乗ると、周りはほどんど外国人であることも珍しくない。そうした状況がより一般化、深化していくだろう。そうなると、このような事態に対応すべく、現状よりもさらに高い次元の受け入れ環境の整備が急がれることになる。しかしながら、この課題について現状においてすでに綻びが生じている。次章以降で詳しく論じていくが、現在、特に宿泊施設とバスの不足の問題が顕在化している。また、従来日本では、日本人が海外に出ていくアウトバウンドがインバウンドを大幅に上回ってきた。その差は最大で4倍近くに上った時期があり、この格差をどのようにして埋めていくべきかが問われてきた。しかし、インバウンドの急激な増加に対し、円高基調になり、さらに「若者の海外離れ」の傾向も現れてきたこともあってアウトバウンドの伸びが抑えられた結果、2015年は45年ぶりにインバウンドがアウトバウンドの数を上回ることになった。一昔前からは全く予想できない事態である。明らかにここ数年で、日本を取り巻く観光環境に大きな構造変化が起こっているビザの発給制限の緩和、撤廃を急速に進めていること           51*現代の国語 指導資料(実社会)

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