探求 現代の国語/探求言語文化 付属教材・資料見本
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教材に関しての、記述式問題の設問例をご用意いたしました(選択式問題は36ページ参照)。データは〈一太郎・ワード・PDF〉の三つの形式でご用意しています。マヨネーズのノズルの穴の形。実にささいなものだがこれが野菜の上のマヨネーズの姿を決めている。円か星型か、細長いスリットか、あるいは小さな穴の集合か。①それによってサラダの上のマヨネーズのaヨウソウは、棒状、デコレーション状、きしめん状、ちぢれそば状などに変化する。「マヨネーズ」ができるまでのプロセス。それは石油の採掘に始まる気の遠くなるようなものづくりの道筋をたどっている。大地に巨大な石油採掘施設が構築される。その中でごう音を響かせながら、ポンプは地中から原油をくみ上げる。それはパイプラインや貯蔵タンクを経由し、港で巨大なタンカーへと移され、地球規模の距離をゆっくりと移動する。やがて石油化学コンビナートに運ばれ、それはbセイセイされていく。そしてそのうちのごくわずかがマヨネーズの容器になる。一方、中身の生産では鶏が活躍している。彼らは養鶏場でひたすら毎日飼料をついばみ卵を産む。その卵は食品工場に運ばれて、おそらくは巨大なタンクに投入され、油やその他の成分と混ぜ合わされ、うすベージュの半固形の食品に仕上げられていくのだ。石油から生まれる容器と、鶏から生まれた食品は工場で出会い、中身が容器に注入され、封印され、薄いビニールの袋に収まってようやく「マヨネーズ」という製品に仕上がっていく。さらにこれはテレビコマーシャルなどを通じて、宣伝される。きれいな映像と広告コピーが野菜を食べる喜びを説く。その勢いに押されてマーケットを通過し、②それはついに③運命の食卓へと進む。皿の上の野菜に照準を合わせ、いざ成就、というマヨネーズの一生にとっての決定的な瞬間を演出するのが穴の形。壮大なプロセスの果てに「ぴゅっ」と絞り出される小さな結末。勝負は一瞬である。まあ、本当にたわいのないことだが物事の性質は、このような一瞬に左右される。考えるに、デザインはある一面ではマヨネーズの穴のようなものだ。生産という遠大な営みの最後の最後の局面で人類のささやかな幸福のためにひと工夫する。ほんのひと工夫だが、そこで物事は品格を得たり台無しになったりするのだ。もちろん、マヨネーズの穴はデザインの象徴ではない。ただ、しっかりと目を凝らすなら、そこから人類の営みの一端をのぞくこともできる。デザインの小さな哲学はそういう場所にcヒソんでいる。記述問題記述問題「「3850点)*現代の国語 評価問題(評論解析)指導資料(現代文編)■■評評論論解解析析AA【【】】次次のの文文章章をを読読んんでで、、後後のの問問いいにに答答ええよよ。。(配点ママヨヨネネーーズズのの穴穴かからら」」■■

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