探求 現代の国語/探求言語文化 付属教材・資料見本
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「嫗」が羅城門の上層にやって来た目的は何か、説明してみよう。い、「嫗」の苦境を明確にする。「何か」解答解説深める手がかり比較で深める 羅城門の上層に登りて死人を見る盗人のこと「男」(二一七・1)は、この後の本文中でどのように呼ばれているか、抜き出してみよう。読解答解説教科書(二一七〜二一九)◆◆◆近代の小説本文中から当時の羅城門はどのような場所であったことがわかるか、説明してみよう。読解答解説あ深るめがる、「手下が男」、「かり召使い」などを指し、で「〜ていらっしゃる」と訳す。「たま盗人(二一八・1)(二一八・4)(二一八・8)(二一八・14)(二一九・3)。 「羅生門」で盗人になる決断ができずに羅生門の下に座っていた男が、一貫して「下人」と呼ばれるのに対し、「今昔物語集」では、初出以外一貫して「盗人」と呼ばれる。しかも、初出の「男」にも、「盗みせむがために京に上りける」という説明が施されており、明らかに盗人として扱われている点が、芥川の「羅生門」とは、大きく異なっている。なお、「をのこ」は一般に男性の呼称で卑しめて言う場合がある。「をとこ」も男性の呼「称深としめてる使わ手れがるがか、りこち」らのには解答と例訳すと。「、を解」は答逆を接の導確く定条た件めで「の〜の解説人どものあまた来たる音のしければ」か夫や恋人をな示どし女性まのし相手たと。い「う意読味みもあ取ろにう」と」訳のす。「設た問てでまつはる、」はま謙譲ずの本補助文にらは、むしろ諸国と京都の往来が頻繁でる。またつ、い卑てしめのて内言う容こ理とは解なをい。確も認し動詞まです「お。〜「申深し上めげよる」うと」訳すの。設解答問であったことが推察され、いよいよ芥川作しかするはと、芥読川はみ、「比をべのこに」とよいるう言発葉展的を作な成読するみ際取にはり、を敬語行表い現はま省すく。。本に触発されて、「下人」という主人公を着想したのかもしれない。もちろん臆測に過ぎないが。自分が仕えている女主人が亡くなったが、葬儀をする人がいないので、処置に困って、置き捨てようとしたということ。 「嫗」が「おのれが主にておはしましつる人の失せたまへるを、あつかふ人のなければ、かくて置きたてまつりたるなり。」と理由を説明しているので、この部分を現代語訳し、言葉を整え、説明する。 直訳すると、「私の主人でいらっしゃった人がお亡くなりになったのに、葬儀をする人がいないので、このようにしてお置き申し上げたのである。」となる。「おのれが」の「が」は連体修飾格で「の」と訳す。「おはしまし」は尊敬の補助動詞へ」は尊敬の補助動詞で「お〜になる」文に「若き女」とあるから、「女主人」などとする。また、「嫗」は、自分の仕えている主人が亡くなったのに、葬儀も出せないほど窮乏しているため、処置に困って、その遺体を羅城門に捨てに来たわけであるから、「処置に困って、」などと補ときいているので、文末を体言にする。短い字数制限、例えば十字以内での解答を要求されたら、「女主人の亡骸の遺棄。」などとする。◆◆◆生活に困窮した人たちが、葬儀できない遺体の処置に困って、それを捨てに来るほど、荒廃して、治安の悪い場所。芥川の「羅生門」には、京都の荒廃ぶりが詳細に描かれているが、「今昔物語集」には、京都の様子そのものを説明した部分は見当たらない。「朱雀の方に人しげくありきければ」や「山城の方より品との隔たりを感じてしまう。このギャップを埋めてくれる説明を求めているうちに、次の『日本大百科全書』(小学館)の記述に行き当たった。  平安京は,このような条坊制に基づき町づくりがなされたが,沼沢地の多かった右京については,当初から造成不十分なところも少なくなかった。10世紀後半の成立になる慶よし滋しげの保やす胤たねの《池亭記》は,右京には去る者はあっても来る者はなく,左京に人口が集中していると指摘している。平安初期に嵯峨天皇が唐の都の名をとって,左京を洛陽城,右京を長安城と名づけたが,右京の衰微により左京の洛陽が平安京の代名詞となった。また平安後期には朱雀大路ないし大宮大路が,ほぼ市街地の西辺となり,西朱雀(路)の名が生まれている。羅城門も頽壊していた。このころになると,東河といわれた鴨川の東,白河の地に市街地が形成され,〈京・白河〉の称が生まれる一方,鴨川(原)を朱雀川(原),東京極路(とくに二条以北)を東朱雀路と呼ぶこともあった。このことからわかるように、羅城門から宮中まで伸びる朱雀大路は、もはや京都の中心軸ではなく、完全に西の果てに成り果てていたようである。そして、人口は左京に集中しており、また、鴨川沿いに新興市街地が生まれ、どうやら都の雰囲気があるのは、羅城門からだいぶ離 【評価の観点】  知︙知識・技能話︙話す・聞く能力書︙書く能力主︙主体的に学習に取り組む態度読︙読む能力     3 1    2読読み取ろう読み取ろう読み取ろう102*言語文化 指導資料(近代以降の文章編)

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