探求 現代の国語 ダイジェスト版
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 例えば、昔は電車に乗るなら、切符を窓口で買い、改札では駅員に切符を示したものです。それが現在は切符の販売も改札も機械が行い、そもそもICカード各評論の冒頭に、読解の指針となる「プロローグ解説」を配置乗しました。学習者にとって身近な内容で、評論学習の導入とし車券てお使いいただけます。があれば切符を買う必要もなくなりました。これも、コンピューターが人間の仕事を奪ったと言えますが、好ましい「省力化」だと思われています。 新しい技術が利用され始めるとき、ともすれば、その危険性にばかり目がいったり、逆に期待が過剰になったりします。 AIについても同様で、その力と限界を正しく理解するべきです。そうした冷静な判断への一助として「AIの判断」を読んでみましょう。AIは人間を超えるのかAIを正しく恐れるプロローグ解説9「AIの判断」を読む前に 肉体的に取り立てて特徴を持たない人間が、他の動物と比べて自慢できるのは、知力でしょう。 その脳の力をAI(人工知能)が超えるならば、人間のアイデンティティーが揺らぎます。そして、嫉妬に似た思いで、AIが人類の知能を超える転換点、つまり「シンギュラリティー」を話題にしています。AIが人間の仕事を奪いかねないと危惧する向きもあります。 しかし、特定の分野で人間の力を超える機械は、とっくに出現しています。そして、私たちはそうした機械を使いこなせばよいと割り切ってきました。評論プロ解評論Ⅴ実社会Ⅱ 201 プロローグ解説931

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