1 5湯ゆ澤ざわ規のり子こ食の履歴書一九一九～二〇一三。漫画家・絵本 作家。戦争が続いて、野も山もすっかりやけただれた国がありました。荒れはてて砂漠のようになった土地にほんの数人の子どもたちが、なんにもたべるものもなく死にそうになっていました。もう最後かもとおもうとき、空のむこうにちいさな点があらわれたかとおもうとみるみる大きくなって近づいてきました。アンパンマンだ！アンパンマンはこげ茶色のマントの下からやきたてのアンパンを子どもたちの上へおとしました。 （や1なせたかし「十二の真珠」より）やなせたかし1015226アンパンマンには作者の戦争体験や飢餓の記憶が込められている―食の変遷を通じて近代・現代を捉える評論です。評評評評論論論論ⅣⅣⅣⅣ
元のページ ../index.html#28