探求 言語文化 ダイジェスト版
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 古典世界ビュー|⑨食客史伝 諸侯や王族などの有力者の下に集まった私的な家来のことを食客といいます。特に戦国時代には、軍事や外交での優位を求め、多くの有力者がその個人の能力を重視し、人材を集めようとしました。斉の孟嘗君は数千人の食客を抱えていたといわれています。 孟嘗君は、私財を投じてさまざまな才能ある者を身分を問わずに厚遇したと伝えられています。この時代の食客は巧みな弁舌や勇気ある行動で他国との交渉などに活躍しました。食客にとっても、名を揚げる好機に恵まれた時代であったといえるでしょう。29古典世界ビュー本文を読解するのに役に立つ以下のテーマを理解することで、漢文世界をより身近に感じられるようになります。【⑧科挙】【⑨食客】【⑩花】【⑪儒教】【⑫江戸時代の漢学者】作品から見えてくる当時の世界観を体感できます。155 鶏鳴狗盗孟嘗君(右)に、食客となることを願い出る(絵画本中国通史)

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