探求 言語文化 ダイジェスト版
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文法の要点敬語文法の要点3(さうら)さぶら 122 敬語とは、話し手・書き手が、話題の中の人物や聞き手・読み手に対して敬意を表すために用いる言葉である。敬語は、誰に対するどのような敬意かによって、次の三種類に分類される。1尊敬表現(動作主し尊敬)  話し手・書き手が、話題の中で、動作をする人を敬う言い方をいう。尊敬表現には「①尊敬の動詞を用いる」「②尊敬の補助動詞を用いる」「③尊敬の助動詞を用いる」の三つの方法がある。 ①召させむ。(三六・3)→「召さ(召す)」は「食ふ」の尊敬語 ② お ど ろかせたまへ。(一〇・7)→「たまへ(たまふ)」は尊敬の補助動詞 ③ 言 は れければ、(三六・11)→「れ(る)」は尊敬の助動詞2謙 譲 表 現(受け手尊敬)  話し手・書き手が、話題の中で、動作を受ける人を敬 ①さきざきも申さむと思ひしかども、(六二・4) ② な 起 こしたてまつりそ。(一一・2)3丁 寧 表 現(聞き手尊敬)  話し手が聞き手に対して敬意を表す言い方をいう。地 ①御み方かに御お勢せが候はねば、(八五・11) ② 今 ま で過ごしはべりつるなり。(六二・5)よって、動作の受け手を敬う。謙譲表現には方法がある。→「申さ(申す)」は「言う」の謙譲語→「たてまつり(たてまつる)」は謙譲の補助動詞の文では書き手(作者)から読み手(読者)への敬意を表す。丁寧表現には「①丁寧の動詞を用いる」「②丁寧の補助動詞を用いる」の二つの方法がある。古語の丁寧語は「侍はり(はべり)」「候ふ(さぶらふ・さうらふ)」の二語だけと考えておけばよい。→「候ふ」は「あり」の丁寧語→「はべり」は丁寧の補助動詞   ゅいんた「べ①謙譲の20う動言詞いを方用をいいるう」「。②動謙作譲主のの補行助為動に詞謙読解のために必須の文法事項を、覚えを譲用やすいようにまとめました。表い現また、各教材末尾の「文法」問題と反復るを」使して学習をすることによって、文法知のう二こ識の完全定着を図ることができます。つとにの

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