探求 言語文化 ダイジェスト版
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とばやとか5ま がりりと 1比較で深める▼桜への思い玉勝間風をかこち2待ち惜しむ心 訳づ 風くがし吹をくのを嘆き。3心深きも4さもえあら 訳ぬ 情を趣嘆のき深たいる歌なもれ。5いづこの歌にかは……あらむ6さるを7さかしら そ心れなのに。8作り雅び随筆と日記▼巻末246鳥瞰文学史 40本も居お宣の長なは兼好法師の「花は盛りに」(三八ページ)の考えを批判している。本居宣 江長(戸一七時三代〇~後一期八〇の一)随。筆集。作者はのや月が出るのを)待ち(花 訳 (が花散がり咲月くが隠れるのを)惜しむさまざまなもの思いを。はありえないことを嘆いているの 訳で そあるう。歌に……があろうか。深める手がかり「花は盛りに」と「兼好法師が詞のあげつ らひ」を読み、兼好法師の考えに対する本居宣長の批判の中心となる部分をまとめてみよう。 兼好法師が「徒然草」に、「花は盛りに、月は隈くなきをのみ見るものかは。」とか言へるは、いかにぞや。いにしへの歌どもに、花は盛りなる、月は隈なきを見たるよりも、花のもとには風1をかこち、月の夜は雲をいとひ、あるは、待2ち惜しむ心づくしを詠めるぞ多くて、心3深きも、ことにさる歌に多かるは、みな、花は盛りをのどかに見まほしく、月は隈なからむことを思ふ心のせちなるからこそ、さ4もえあらぬを嘆きたるなれ。い5づこの歌にかは、花に風を待ち、月に雲を願ひたるはあらむ。さ6るを、かの法師が言へるごとくなるは、人の心に逆さひたる、後の世のさ7かしら心の、作8り雅みびにして、まことの雅び心にはあらず。かの法師が言へる言こども、この類ひ多し。みな、同じことなり。兼好法師が詞このあげつらひ〔玉たま勝かつ間ま〕徒然草玉勝間源氏物語 訳 どの1310 わ 利ざ口とぶ作っったた心情。趣。

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