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プロローグ解説7生活に欠かせない「衣食住」のうち、日本人の「衣」は明治期に和服から洋服に大転換したと思われがちです。しかし、それは主に軍服や学生服などの公的な服装で、女性を中心とする庶民が普通に洋装をするようになったのは、第二次世界大戦後です。「住」の変化も大きなものです。現在、畳の部屋で暮らし、そこに布団を敷いて寝ている人はどれほどいるでしょうか。マンションのような集合住宅も含めて、これらも戦後における変化が大きいと言われます。つまり、私たちの生活は、近世から近代にかけて大きく変わり、さらに近代から現代に至る中でも変化を続け、今に至っています。「食の履歴書」は、近代以降の私たちの「食」生活の変化を話題にしています。パン・ハンバーグ・パスタ・カレー等々、近代以前にはなかったものを、現代の日本人は口にしています。しかし、米を中心に、そばやうどん、刺身や漬物など、変わらない部分もあります。本文では「アンパンマン」が話題になりますが、あんことパンを合体させたあんパン自体が不思議な食べ物です。また、何のための「食」かという意識も大きく変わり、現代 の私たちは、空腹を満たすのとは異なる目的でも食事をしています。本来は寒さをしのいで命を守った「衣」に、ファッション性を求めるのと似た変化かもしれません。湯ゆ澤ざ規の子こ食の履歴書00200249914991899189916891689109910991879187912891289107910791479147912691269166916691459145918591859105910591249124916491649148399911483999118309012830901262916291099109910391039149914991819181912891289122912291689168910191019141914191879187912091209160916091079107914791479189818981269126916691669185918591459145916491649105910591839183912491249103910391439143912291229162916291819181910191019141914191209120916091609189818981                       (や1なせたかし「十二の真珠」より)一九一九~した。そして二十世紀半ばから始まる戦後、人びとは戦時期以上の食料難にあえいだが、しだいにそれが解消され、評評評評高論論論論度ⅣⅣⅣⅣ経済成長期に突入すると、まもなく飽食の時代が到来した。食べることそのものから満足感を得ていた時代から、たくさんの食べ物の中から何を食 まべずる、か今をか選ら択約し百う年る前かので二満十足世感紀を初得頭る、よ近う代なに時は代人へ口とが移急り増変しわたっこたととに言よえっよてう「。胃そ袋しのて増、大あ」ふがれ始るまよりう、「な農食村べ」物のの胃中袋でに、加もえはてや「胃袋都を市満」たへすとこ流と入にす困る難胃が袋伴がう増こえとたは。少外な食くのな機っ会たが代整わえりらにれ、、一工方場でやは企「業個1が食労」働や者「の孤2胃食袋」にと関い与うす現る象よがう見にらなれっるたよ。う次ににな戦り争、に食よをっめてぐそるの風胃景袋はは一国変家しにたよ。っても管理される一方、十分に満たされないという苦難を経験味しがだ失いわにれそるれ「が崩ほ解食し消さ」れの、時高代度へ経と済突成入長し期、に食突べ入物すやる食とべ、るまこもとなをく日飽常食生の活時の代中が心到と来ししし 二た十。一そ世し紀てへ二の十転世換紀期半にばはか、ら食始べま物るが戦あ後ふ、れ人るび「と飽は食戦」時の期時以代上かのら食、料食難べにるあこえといのだ意が、てた絶。え食ずべ考るえこ続とけそるの状も況のをか、ら多満く足の感人をび得とてがい共た有時す代るかこらと、がた難くしさいん時の代食とべな物っのた中。かまらた何、食をべ食物べはる成か分を、選栄択養し素うとるいかうで言満葉足や感数を字得にる置よきう換なえ時可代能へなと単移なりる変物わ質っとたしとて言理え解よさうれ。るそよしくうなてに、っもあたなふ代りれわ、るり食よにべう、る一なこ食方とべでに物は与の「え中個1らで食れ、」るやも意は「味や孤2も胃食合袋」理をと化満い、うた科現す学こ象化とが、に見単困ら純難れ化がるさよ伴れううるこに傾とな向はりに少、あ食なをめぐる風景は一変した。 二十一世紀への転換期には、食べ物があふれる「飽食」の時代から、食べることの意味が失われる「崩ほ食し」の時代へと突入し、食べ物や食べることを日常生活の中心として絶えず考え続ける状況を、多くの人びとが共有することが難しい時代となった。また、食べ物は成分、栄養素という言葉や数字に置き換え可能な単なる物質として理解されるようにもなり、食べることに与えられる意味も合理化、科学化、単純化される傾向にある。やや極端ではあるが、これが現在に至る食の風景や胃袋をめぐる変化である、とひとまずは説明することができる。る。やや極端ではあるが、これが現在に至る食の風景や胃袋をめぐる変化である、と1970ひ1970とまずは説明することができる。ょくょく2(年)2(年)2(年)2(年)2000200019951995199019901980198019851985197519751965196519551960(年)19551960(年)1950200019502000194019901940199019351985193519851930198019301980192519751925197519601960195019501955195519401940193519351930193019251925にそろって いても、そ家族が同じ食個食ぞれ別々のものを食2孤食ること。一人きりで食をするこ と。個食家族が同じ食にそろって いても、そること。ぞれ別々のものを食2孤食一人きりで食をするこ と。初頭*~に 関あ与えぐ 飽食初頭*~に 関あ与えぐ 飽食わ り51       15*うう5* 1「食の履歴書」を読む前に「食」を振り返るやなせたかし評論衣食住の変貌戦争が続いて、野も山もすっかりやけただれた国がありました。荒れはてて砂漠のようになった土地にほんの数人の子どもたちが、なんにもたべるものもなく死にそうになっていました。もう最後かもとおもうとき、空のむこうにちいさな点があらわれたかとおもうとみるみる大きくなって近づいてきました。アンパンマンだ!アンパンマンはこげ茶色のマントの下からやきたてのアンパンを子どもたちの上へおとしました。プロ解二〇一三。漫画家・絵本 作家。評論Ⅳ1015101015152156食の履歴書 市部郡部人口の推移00000000000000000000000000000000000000000000 産業別就業者人口の推移70007000600060005000500040004000300030002000200010001000019201945019201945総務省統計局資料より作成総務省統計局資料より作成万人万人総務省統計局資料より作成総務省統計局資料より作成万人万人郡部郡部157 食の履歴書 市部郡部人口の推移1400014000120001200010000100008000800060006000400040002000200000 産業別就業者人口の推移70007000600060005000500040004000300030002000200010001000019201945199519701965019201945総務省統計局資料より作成199519701965総務省統計局資料より作成万人万人評評評評論論論論ⅣⅣⅣⅣ総務省統計局資料より作成総務省統計局資料より作成万人万人市部市部郡部郡部市部市部分類不能の産業第3次産業分類不能の産業第2次産業第3次産業第1次産業第2次産業第1次産業(年)(年)151 プロローグ解説713教科書152ページ教科書156-157ページ「食の履歴書」冒頭「アンパンマン」引用教科書151ページ「食の履歴書」プロローグ解説より評評評評論論論論ⅣⅣⅣⅣ「食の履歴書」言語活動(グラフを分類不能の産業絡めて)第3次産業分類不能の産業第2次産業第3次産業第1次産業第2次産業第1次産業「食の履歴書」関連資料(グラフ)「食の履歴書」本文

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