毎回,ある職業の人をとりあげて,その素顔に迫ります。
 第七回 サラリーマンシリーズ(1) 営業マン




♪会社のしくみ基礎知識♪

【その1】
一般的な定義として「サラリーマン」=「給与生活者」です。
会社からお給料をもらって生活している人は全員「サラリーマン」となります。

【その2】
会社は主に3つの部門に分けることができます。

会社をまとめる部署(総務部,人事部,経理部などの管理部門)
モノをつくる部署(製造部門など)
作ったモノを売る部署(セールス部門など)

さて「会社の中」では,どんな部署でどんな人がどんな仕事をしているのでしょうか?
これから少しずつ取材していきますので,お楽しみに!


今回は「モノを売る部署」である営業の仕事を取り上げます。
取材した営業マンは営業歴約4年のHさん(私大卒,26歳男性)です。

Q 営業の仕事を選んだ理由は?

ガンバルゾ! ★ 就職活動をしているときは業界で選んでいたので,金融業界ばかりまわっていました。
 就職活動のとは,自分といかに雰囲気のあう会社を見つけるかを重視しました。突然午前二時に電話をかけてきて「明日面接に来ませんか?」と言ってきた会社もあります。最初は行きたかった会社だったんですが,この電話で相手の常識を疑ってしまい,そこは結局行きませんでした。
 願いがかなって卒業後は信販会社(クレジットカード会社)に就職できたのですが,そのとき営業部門に配属されたのがきっかけです。入社時は別の部門を希望していましたが,適正などを判断されて営業に配属されたのでしょう。転職時も営業経験を生かせると思い,今の職場に就きました。

Q 仕事の内容を具体的に教えてください。

★ 今は人材派遣会社の営業をやっています。
 ある会社に行って「うちの派遣社員を使いませんか?」と取引先を新規に開拓する仕事をやっています。すでにうちの派遣社員を派遣している取引先のアフターフォローもします。次の機会にもぜひうちの会社を利用してほしいので,挨拶もかねてその後の様子をヒアリングすることはとっても大事な仕事です。また,派遣社員の方にも何か困ったこと・悩み事はないかをヒアリングします。
 転職前は信販会社の営業をやっていました。こちらは,宝石店や呉服店(着物を売っているところ)・デパートなど,高額な買い物で「ショッピングローン」が発生するところに行って,「うちの会社のカードを作るように,買い物客に勧めてくださいね」というお願いをしてくる営業です。
 個人のお客様に対して「うちのカードを作ってください!」とキャンペーンをしたりもしますが,割合としては「法人営業8割,個人営業2割」という感じです。
 一口に「営業」といっても会社によって仕事の中身はさまざまです。1年かけて仕事を受注し,億単位の取り引きをする営業マンもいれば,取り引き額は少ないけど毎日が勝負!という営業マンもいます。

Q 営業マンの一日とは?

おもな一日の流れ
8:309:0010:0017:0020:00
出社アポイント取りのtel外回り(10〜15社くらい)帰社。事務処理やフォローのtel退社


Q 想像していた「営業」と現実の「営業」のギャップはありましたか?

★ 私が思っていた「営業マン」は,毎日接待漬けで,好きな時間に出社して好きな時間に帰る・・・という「派手な仕事人」というイメージだったんですけど,それは全くありませんでした(笑)。
 業界や会社にもよると思いますが,実際の営業は地味にコツコツと・・・という感じです。テレビドラマのようにビックプロジェクトが向こうから勝手に入ってきて大活躍!ということはまずありません。
ダッシュ!  実際は,すべて相手の都合で私の仕事や予定が決まっていきます。約束の時間に遅れそうになった時は,駅から営業先の会社まで猛ダッシュすることはしょっちゅうです。時間の約束を守ることは信用にかかわる問題なのでいつも気にしています。先日も,普通なら駅から12分かかる所を5分で行ってきましたよ!
 こうして何度も営業先に足を運び,いろんな提案をし,まめに相手に接していて初めて仕事が発生し,ようやく成功につながるんだということが最近わかってきました。

  Q 営業の仕事をしていてよかったな,と思うことは?

★ 自分が頑張れば頑張っただけの結果が出る,ということです。
 営業は自分が携わったことの結果として数字がきちんとでますからわかりやすいですよ。目標数字を突破したときはとっても達成感あります! 営業マンの評価は成績の数字がモノを言います。上司も営業経験者なので,自分の経験上,部下の誰がどうサボっているか,まじめにやっているか一目瞭然だそうです(笑)。
 しかし,やってもダメだったらどうしよう・・・と結果をだせるかどうか不安になることはありません。若いうちは,プロセスを見てきちんと評価してもらえます。しっかり先輩から教えてもらうこともできるので,心配は無用です!また,若い人に求めることは経験や結果ではなく,新しい発想や柔軟性,みずみずしい感性だそうですよ。
    また,営業はいろんな会社の人と接することができておもしろいなと思っています。例えば経理部だと,担当の銀行員くらいしか会えなさそうじゃないですか。なかなか普段はいろんな業種・会社に接する機会はないので,いろいろ垣間見ることができる貴重な経験だと感じています。

Q 逆に営業の仕事をしていてつらかったことは?

★ 目標の達成ができなかったときですね。
 「営業先で『いらないよ』と断られて落ち込むことはないの?」とよく聞かれますが,それはないですね。そりゃあ最初の頃はショックでしたよ!でもそれは「自分が否定されたわけではなくて,自分の提案内容が合わなかったんだ」ということなんです。次にまた同じ人に別のタイミングで別の提案をすれば契約が成立することも多々あります。そういう経験を積むことでいつのまにか自然に慣れてきました。当時の先輩方もよくそう言ってなぐさめてくれていましたし。

Q 将来の夢はありますか?

★ 営業という仕事は会社の売り上げに直接貢献することができます。早くより大きく売り上げに貢献できるようになりたいですね。モノは売り方によって爆発的にヒットさせることもできるので,とてもやりがいのある仕事だと思っています。
 その先は,営業だけでなく管理部門なども広く経験していき,会社全体のマネジメントや経営ができるようになりたいと思っています。だからといって「起業して社長に!」とは今のところ気持ちが向いていないんですけど。
 こういうご時世なので,自分が会社にしがみつくのではなく,会社から「残ってほしい」と言われるような人になりたいですね。

Q 高校生にアドバイスをお願いします。

★ 「人と話すのがすき」「チャレンジ精神旺盛」「発想の柔軟性」「幅広いモノの見方ができる」こんな人はきっと営業の仕事が楽しめると思います。
 高校生時代には,文系・理系かという選択も含めて,選択肢がたくさん広がっている時期です!ダメだったらやり直すこともまだまだ可能。自分からどんどん情報を取りに行って可能性を広げてほしいです。
 また,何もやらないのにあきらめるのはもったいないことです。「とりあえず・・・」でも許される時期なので,とりあえずやってみましょう!実際に営業の仕事をしていても,「ダメなんじゃないかな・・・でも,とりあえず行ってみよう!」とすると,意外と好反応が得られてすんなりことが運ぶことも多々ありますから。

《取材後記》
 「営業マン」というと,無理矢理ものを売りつけるうえにいい加減な人・・・という「押し売り」のイメージがありましたが(ごめんなさい!),まったくそんな感じはしませんでした。
 ひとつひとつの質問にたいして,とても真剣に考え,丁寧に答えてもらいました。人に対しても仕事に対しても誠実に向かいあう姿勢が伝わってきて,まさしくこれが営業先で信頼を勝ち取っていく人なのだろうなぁと感じました。




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