センターな日々


――教科書だけでどれだけ解けるか!<政経の巻>――




 今年も終わってしまいました。センター試験。それにしても,どうしてセンター試験の当日は雪になるのでしょう。受験生の皆様,本当にご苦労様でした。とはいえ,入試はまだまだこれからが本番。風邪などひかずにいっそう頑張ってください。
 さて,受験生の中には桐原書店の教科書や参考書で勉強した方も多いことと思います。そんな受験生だけに苦労させておく訳にはいかない,ということで,わが編集部の1人(つまり私――筆者です)がセンター試験に挑戦し,雑感を記していこう,というコーナーです。といっても筆者は受験生ではないので,「教科書その他資料何でも持ち込み可」。そんなのずるい? まあまあ,大目にみてください。手元にあるのは各社の現役の教科書5冊。それに当然桐原の教科書も加えて,合計6冊です。この6冊でシェアは6割を超えます。受験生の大多数が使っているであろうと考えられる教科書です。そこで,これらの教科書を勉強するだけで一体どれだけの問題が解けるのか挑戦して,ブログ風に逐一報告していきます。
 ちなみに,筆者の学力は,ごくごく平均的な高校生よりほんのちょっぴりできるかな,といった程度。センター試験で満点を取れるような天才・秀才は読む必要はありません。それから,予備校の先生がよくやっているような入試の専門家的な分析・解説を期待している方がもしいらしたら,あらかじめ申し上げておきます。ご期待には沿えません。多分……。(2月吉日)

<注>
[教科書 : 6冊の教科書は便宜的にA・B・C・D・E・Fと名付けます]
[判定 : 教科書だけで完璧に解ける―○, ちょっと無理はあるが一応は解ける―△, 全然無理―×,とします]

第1問  第2問  第3問  第4問  第5問  集計
  
★第1日★
【第1問】
 800字程度の文章を読んで,下線部に関する問に答えるといういつものパターン。作問委員の苦心の作とは思うが,広範囲な問を成立させるために,この手の文章はかなり強引な展開をする。あくまで各問を導くためのきっかけ程度の意味合いの文章であるから,これを読まななくても各問に答えることは可能である。しかし,時間はたっぷりあるから,一応はきちんと読んでから各問へと進むことにしよう。ひょっとしてヒントが隠されているかもしれないし。筆者は昔からつまらないケアレスミスが多かったし……,と今さら反省してどうなる。
問1
 設問文は「日本的な企業形態は……」と始まっているので,経済の問題かと思いきや,問1はいきなり「核兵器の廃絶と軍縮に向けた取組み」ときた。しかも「誤っているもの」を選べという。ちょっと面食らったが,この程度で面食らっていては受験生にはなれないのだろう。気を取り直して,選択肢をざっと眺めてみる。
@日本政府は,核兵器について,「持たず,作らず,持ち込ませず」の非核三原則の立場をとっている。
 ふむふむ。そうです,そうです。その通りです。A以下を読むまでもなく,正解はこれだ!……おっと,またやってしまうところだった。「誤っているもの」が正解なんだった。あぶないあぶない。
A日本政府は,ODA(政府開発援助)について,軍事目的への使用の回避をODA大綱4原則の一つに掲げている。
 正しそう。ODAを軍事目的に使われてはたまったものではないし。でも,ODA大綱4原則ってどんな原則だったっけ?
B国際連合(国連)は,国際の平和と安全のために,核保有国であることを条件に安全保障理事会における拒否権の行使を認めている。
 この1文はいろいろと突っ込みたくなる要素が多い。まず,文が変だ。「安全保障理事会における拒否権の行使を認め」とあるが,これでは文になっていない。正確には「安全保障理事会における常任理事国の拒否権の行使を認め」ではないのか。文が変だから,これが誤り……つまり正解?って,国語の問題じゃないんだから,それはないだろ,という気がする。そもそも拒否権って国際平和と安全のためにあるの? という突っ込みも入れたくなる。文の論理構造には目をつぶって,とにかく「核保有国であることを条件」というのは何が何でも変だから,これをもってこの選択肢を誤りと判断しろということなのだろうか。それともやはり素直に文全体の論理構造がおかしいから誤りとすべきなのか。もし「核保有国」云々という文言がなかったら,この選択肢は正しいと考えるべきか誤りとするべきか,などとついつい余計なことを考えてしまう。こういう性格は受験には向かないのだろうな。
CIAEA(国際原子力機関)は,加盟国との協定をもとに,原子力施設への現場査察を行っている。
 これはいたって素直に頭に入る。疑わしそうなそぶりもない。作問者はBで力を使い果たしてしまったのだろうか。
<分析>
 これはどう考えてもBがあやしい,ということはわかった。実際,新聞に掲載された正解もBである。しかし,それだけで終わったら単なる感想文になってしまうので,ここで教科書に登場してもらうことにしよう。教科書を勉強しただけで,正解Bを割り出すことが果たしてできるかどうか。
 まず,@の非核三原則は当然すべての教科書に載っている。
 AのODAについてはもちろんすべての教科書が取り上げているが,4原則に関連する内容を取り上げているのは6冊中A・Bの2冊だけだった。(どこの教科書か? それは教科書宣伝の規定にひっかかるので,言えません。教科書にはいろいろな規制があるもんで……ということで納得してください。今後,以下同です。)
 しかし,この2冊の記述でも,この選択肢の正誤を直接判断することのできる記述とは言い難い。ただ,この4原則を知らなくても常識的に判断できるし,選択肢Bのあやしさは群を抜いて光っているので正解を導くことは十分可能だ。
 Bの安保理は当然すべての教科書に載っている。ただ,教科書の記述には当然のことながら「核保有国であることは条件ではない」とは書いてないから,それが条件になっているのかなっていないのかはわからない,ということになる。したがって,結局あとは常識で判断するしかないか。
 CのIAEAにはちょっと驚いた。6冊中このことばが載っていたのはFの1冊だけである。逐一読んだ訳ではないのだが,少なくとも索引にはない。となると,新聞やテレビのニュース等で情報を仕入れておかないと,何のことやらさっぱりわからん,ということになる。まあ,この問題の場合はしつこいようだがBがあまりにもあやしいから,正解にはたどり着けると思うが……。
 ということで,総合判定は△
 たった1問でこれだけ時間がかかってしまった。全問解き終わるまで,何日かかることやら。先が思いやられるが,この先,末永くおつきあいください。

★第2日★
問2
 次は労働組合法に関する問題である。今度は正しいものを選ぶのか。
@労働組合の設立を許可制としている。
 これは労働組合のある会社に勤めていればわかるはずだが,高校生にはどうか。あるいはなまじ中途半端な知識がないほうがいいかもしれない。
A多数派組合に団体交渉の独占権を与えている。
 これも@と同様。会社に組合はひとつと思っている高校生が多いのでは。
B労働組合が,使用者に不当労働行為を行うことを禁止している。
 これもまた難癖をつけたくなる文だ。「労働組合が」はどこにかかるのか,よくわからない。「行う」なのか「禁止している」なのか。「禁止している」の主語が暗黙の主語「労働組合法」だとすると,「行う」にかかっていると考えられるが,だとすると「,」の位置がおかしくないか。わざわざ「,」をいれて,かえってわかりにくくしてしまった感じだ。ま,どちらにかかろうが,いずれにしても間違いであることははっきりしているのだが。
C労働組合と使用者との間で,労働協約を締結することを補償している。
 その通り,ですよね。
<分析>
 労働組合法についてはもちろんすべての教科書が取り上げてはいるが,教科書Cは極端に記述が少ない。残り5冊は法律の内容が結構詳しく載っている。
 @については,多くの教科書が,組合を「自主的に」つくることができると記している。自主的=許可制ではない,というふうに考えられれば,この選択肢が誤りであることはわかる。ただ,中途半端に労働委員会への資格審査の知識なんかがあったりすると,悩んでしまうなんてこともあるかもしれない。でも,そんな高校生いないか。社会人だって労働組合のことなんか全然知らない人が多い今日この頃だし。
 Aは団体交渉だが,まず「多数派組合」がひっかかる。教科書には第二組合だの多数派組合だのまでは出てこない。団体交渉の「独占権」などという記述もない。教科書にないことはすべて間違いと判断することはもちろんできないわけだから,この選択肢の正誤は教科書だけでは直接的には判断できないことになる。労働組合法の精神から類推して判断するしかない。
 Bはさきほども言ったとおりの悪文だが,不当労働行為は会社が労働者に対してはたらく行為であり,それを禁止するのが労働組合法なのだから,教科書をきちんと理解していれば,文意をどうとろうと明らかに誤りであることはわかる。わかるのだが,たとえ誤りの選択肢であっても日本語としてきちんとした文にしておいてもらいたい,という気はする。国語の正誤問題ではないのだから。
 Cはほとんどの教科書にのっている記述そのもの。
 この問2は正しいものを選ばせる問題で,教科書をきちんと勉強しておけばCが明らかに正しいとわかるから,ほかの選択肢に多少迷ったとしても,正解にはたどりつける。したがって,判定は○ということにしよう。

問3
 次は,企業の資金調達の問題である。前問同様,正しいものを選ぶのか。
@同じ企業集団に属するメインバンクからの借り入れによる資金調達は,直接金融である。
 これは直接金融とは何かということがわかれば簡単だ。文の前半「同じ……メインバンク」に惑わされそうだが,ここは単に「銀行」と置き換えてしまえばいいんじゃないか。
A証券会社を通して家計が購入した新規発行株式による資金調達は,間接金融である。
 これも間接金融とは何かがわかれば簡単。@と同様,文の前半の「証券会社を……購入した」は無視してよい。@といいAといい,わざと惑わせるような文言を付け加えた作為的な表現の場合,無理矢理つくった選択肢である可能性が高い,ということでも判断してもよい。いや,それはやっぱりまずいか。
B利益の社内留保によって調達された資金は,自己資本である。
 「社内留保」などということばで驚くことはない。自分で稼いだ利益なのだから自己資本だろう,って考えればいいんじゃないか。
C株式発行によって調達された資金は,他人資本である。
 Bとペアで,自己資本・他人資本がわかっていれば簡単。@・Aのいかにも受験生を惑わしてやろうという文に比べると,このB・Cはいたってストレートである。面倒になってしまったのか。あるいは作問者は意地の悪い人にはなりきれない人物なのか。いずれにしてもこの問3は,知識がなければ考えても無駄かもしれない。
<分析>
 直接金融・間接金融に関しては,6冊すべての教科書に掲載されている。したがって,@・Aは除外できる。ところが,自己資本・他人資本について書かれているのはAとCの2冊のみ。この問題は典型的な知識問題で,覚えていなければ当てずっぽうで答えるしかないから,BかCかで確率50%ということになる。銀行から借りた資金は間接金融であり他人資本,株を発行して得た資金は直接金融で自己資本,と覚えておけばとりあえずいいわけだが,B・Cに関しては載っていない教科書の方が多いのだから,判定は×とするのが妥当だろう。うーん,複雑な心境です。教科書会社の人間として……。
 ところで,ここまできて気がついた。問2・問3はともに正しいものを選ばせる問題だと思っていたが,厳密には違うらしい。問2は「最も適当なものを」選べとある。それに対して,問3は「正しいものを」選べとある。つまり,問3の場合は正解の選択肢は絶対的に正しく,それ以外は絶対的に間違っている,ということになるが,問2の場合には,正解の選択肢以外でもまんざら間違いとはいえないものもあるよ,ひょっとしてある意味で正しかったりする場合もあるよ,でも一番いいのを選んでね,ということなのだろうか。紛らわしい選択肢をつくらないと単調な知識問題だけになってしまう。不正解のつもりでつくった選択肢が,意図に反して,間違っていなくもない選択肢になってしまうこともあるかもしれない。そんな場合を考慮しての一種の逃げだろうと思われるが,それならすべて「最も適当なものを」で統一してしまってもいいような気がする。でも使い分けてるということは,何か深い事情でもあるのだろうか。日本語って,微妙ですね。
 さて,今日は2問進んだか。明日もがんばるぞー。(つづく)

★第3日★
問4
 ちょっとスピードアップしないとまずいな。がんばりまーす。
 さて,問4は企業間関係の問題である。「最も適当なものを」選ぶのか。気をつけなくっちゃ。
@財閥とは,種々の産業部門に属する諸企業を,役員の相互派遣や共同事業の推進によって統合したコンツェルン(企業連携)である。
 文の最初と最後だけ読むと正しいそうだが,間に余計なことがごちゃごちゃと書いてある。こういう場合はあやしいケースが多いんだよな……って,また経験則で判断しようとしている。これがいけないんだよな。ちゃんと判断しないと。その間のごちゃごちゃだが,「役員の相互派遣」にちょっとひっかかる。疑い出すとキリがない。コンツェルンにわざわざ(企業連携)なんてついているのも,ひょっとして何かの陰謀か,と疑いたくなる。
A下請け企業とは,親会社が発行する株式の引受けや債務の保証によって,親会社の資金調達を請け負っている会社である。
 これも何だかいろいろと書いてある。「下請け」って,もっと単純に考えていいんじゃないの。
Bトラスト(企業合同)とは,ある産業における市場占有率の合計が50パーセントを上回る企業間の合併である。
 うっかり読んでいると何も問題がないように思えてしまうが,50パーセントなんて基準があっただろうか。もっともらしく書いてあると,ちょっと迷ってしまう。思うつぼだ。
C持株会社とは,別会社の事業活動を支配することを目的として株式を所有する企業である。
 選択肢の中では一番シンプルである。疑わしさを感じさせる作為的な部分がない。やっぱり「正解は美しい」という原則があてはまりそうだ。
<分析>
 まず@だが,コンツェルンと財閥の両方が説明されている教科書がEとF,コンツェルンだけ説明のあるものがA・B・Cの3つ(ただしCは名称のみで解説はない),まったく記述のないのがD。案外出ていないんだな,というのが正直な感想。解説のある教科書は,大体がコンツェルンは「種々の企業を支配下におく」というような言い方をしている。この選択肢の判断材料は「役員の相互派遣や共同事業の推進」にあるようだが,それに触れている教科書はない。したがって,教科書の記述だけでこの選択肢の正誤を判断することは不可能である。
 Aの下請け企業は,すべての教科書で「中小企業」の説明の中にみられる。しかし,下請けの定義づけがなされているものはない。説明するまでもない当たり前の用語として出てくる。筆者もとくにその定義について考えてみたことはなかった。だから,この選択肢のように言われると,虚をつかれるというか,とまどってしまう。それがねらいか。
 Bのトラストは,載っているのがA・B・C・E(Cは名称のみ)で,D・Fにはない。載っている教科書でも「50パーセント」等の記述は皆無。したがって,これも正誤の判断はできない。
 Cの持株会社は,B・C・Fにはこの選択肢とほぼ同様の解説があるが,A・D・Eには記述がない。
 公表されている正解はC。ほかの選択肢で悩んでも,明らかに「最も適当な」選択肢がわかれば正解できる。しかし,正解を導くことのできる教科書は半分だけだから,総合判断としてはこれも判定は×とせざるをえないか。もちろんB・C・Fで学んだ受験生は正解しなければいけません。

問5
 設問文の下線部は「契約の不履行」なのだが,この問5の問題指示文を読んでいくと,何のことはない,司法制度改革についての問題であった。かなり強引。この問題は知識問題で,指示文も「正しいもの」を選べとなっている(やっぱり使い分けているんですね)。知らなければ考えても無駄だ。
@特許権侵害訴訟などの処理のため,知的財産高等裁判所が設置された。
 最近,著作権などの知的財産を守ろうとする動きが強いから,これは十分ありうるかな,と想像することはできる。
A国民の民事訴訟への参加を図るため,裁判員制度の導入が決定された。
 これも正しそうに見えるな。@の知的財産高等裁判所よりもこの裁判員制度のほうが話題になっていてなじみが深い。これは迷うな。迷ったときはよく選択肢の文を吟味すること,と昔習った。よく見ると……,民事訴訟にはちょっと引っかかるな。もっと正確に記憶しておくんだった。
B訴訟費用負担の軽減のため,弁護士費用の敗訴者負担制度が採用された。
 「訴訟費用負担の軽減」とあるが,誰の負担を軽減するのかよくわからない文だ。「敗訴者負担制度が採用された」からすると勝訴者の負担か。とすると,敗訴者の負担は増になるわけで,かなり一方的な表現の文だな。それにちょっと時代に逆行もしているよね。
C国民の利便性を高めるため,地方裁判所が増設された。
 一応毎日,新聞を読んでいるが,地方裁判所が増設されたなんていう話は聞いたことがない。でも,それは自分が見落としていただけだったかもしれない。もしそうだったら,これが正しいのかもしれない。なんてついつい考えてしまう,弱気な私。
<分析>
 司法制度改革については,すべての教科書が多少は触れているが,扱っているのは裁判員制度(あるいは参審制)についてだけ。しかも,「民事訴訟」云々(正しくは刑事訴訟だそうだ)までつっこんだ解説はない。知的財産高等裁判所にいたってはまったく記述がない。したがって判定は×
 ただし,教科書会社の人間として弁明させてもらうと,この手の時事問題は教科書で対応するのはもともと難しい。なぜなら,教科書がつくられてからそれが高校生の手に渡るまでには数年のタイムラグがあるからだ(ちなみに,今使われている教科書がつくられたのは概ね4〜5年前である)。検定制度がある以上,これは教科書会社にはどうにもならない。一方で,「政経」の入試である以上,時事問題が出るのは当然のことである(と思う)。したがって,政経で受験する以上,常日頃から新聞ぐらいは読んでおかなければならない(と思う)。テレビもバラエティばかり見ていないでニュース番組を見る心がけが必要である(と思う)。その典型的な問題がこの問5だ(と思う……ん?しつこい?)。でも,それを言ったら,このコーナーの意味がなくなってしまうというジレンマに,今気がついた。人生不可解なり。
 というところで,今宵も日が暮れ,赤提灯が恋しい時間となってしまった。

★第4日★
問6
 これは高度経済成長期における経営方法の特徴に関する問題である。
@従業員の雇用保障よりも,株価の上昇や企業買収の増加を優先してきた。
 うーん,これはまさにタイムリーな選択肢だ。どこでもドア,じゃなくて,なんとかドアの事件を先取りしていたかのようではないか。作問委員の先生,先見の明がありますね。あの逮捕された社長さん,まだシラをきっているらしいが,自分が知らないということは,部下が勝手にやったということになる訳で,最高責任者のくせに潔くない。とんでもない世の中になったもんだ,そんな経営者は高度成長期にはいなかったぞ! という文脈で考えればいいんだな。はいっ次!
A株式の相互持合いによって,敵対的な企業買収の防止を図ってきた。
 これも何だか,昨年来のIT企業によるラジオ局・テレビ局株の買収劇を思い出させる選択肢だ。作問委員の先生,よっぽど腹に据えかねているらしい。それとも株が好きなのだろうか。「そんなことを言うんだったら,上場なんかしなければいいじゃないですか」という件の社長さんの言い分ももっともと思えなくもないが……。というのは,ヒントになるんだろうか。
B個人株主に対して,企業情報の開示を積極的に行ってきた。
 まだ続くか。恐れ入りました。はいはい。今回のなんとかドア事件では,多くの個人株主が損害を被ったそうです。個人株主に限らず,株主をだましてはいけません。企業情報をきちんと正しく開示しましょう。でも,昔の日本の企業だって秘密主義で,企業情報の開示には消極的だったじゃないか,だって? 情報開示に消極的なのと人をだますのとでは次元が違うでしょ。わかってるの? あなた。って,誰にいってるんだ。
C社外取締役を積極的に登用することで,経営の透明性を高めてきた。
 どんな事件が起ころうとも,何でもかんでも「昔はよかった」なんて思ったら大間違いですよね。昔は不透明だらけだったんだから。はい。
<分析>
 この手の内容は教科書には出てきません! ごめんなさい! と,先に謝ってしまう。正解はAだが,これは日頃培ってきた「常識」で判断するしかない。したがって,判定は×
 ところで,アメリカの学校では,低学年から株式の売買など実践的な経済教育がおこなわれている,ということが数年前に紹介されて話題になった。その後,日本でもそういった教育を取り入れる学校があらわれてきているらしい。教材でも,株式売買をシミュレーションするソフトなどが開発されている。今後,どんどんそういった指導が教育現場に広がっていくことが予想されるが,一方で今回のあの事件を契機に,そんなことよりももっと大事な教育があるんじゃないか,という意見も強くおこっている。確かに,小学生がお年玉をデイトレードにつぎ込んでいるなんていうニュースを見ると,何かおぞましさを感じてしまう。どこか多少の後ろめたさを感じながら子供にデイトレードを仕込んでいる親御さんたちや,今は眉をひそめている親御さんたちも,そのうち,センター試験にだって出るんだから,と大いばりで「稼げる」子供を育てるようになるのだろうか。で,そうなると,我々のような出版社はその対策問題集とか参考書とかを出版するんだろうな。と,考えると,親御さんだけを非難できません。問題を解きながら,ちょっと考えてしまいました。

問7
 社会主義国関連の問題である。今度は「適当でないもの」を選ばなければならない。
@第一次世界大戦後のドイツでは,社会権につながる考え方が,憲法に示されるようになった。
 ワイマール憲法だな。これは教科書の一番最初に出てくるから,途中で挫折してもここだけは覚えている。
A第二次世界大戦後のアメリカでは,トルーマン・ドクトリンを発表して,社会主義国の封じ込め政策を展開することになった。
 ドクトリンは直訳すると「教義」とか「主義」。トルーマン・ドクトリンは,トルーマン大統領が1947年におこなった一般教書演説で明らかにされた政策である,んだそうだ。一般教書演説というのは,大統領が議会でおこなう演説である,んだそうだ。社会主義国を封じ込めてやる!,んだそうだ。
B1970年代のソ連では,景気変動を統制するための計画経済が功を奏して,二度の石油危機にもかかわらず,それ以前と同様の経済成長を続けた。
 計画経済がうまく機能したのは1960年代の途中までで,70年代以降はさまざまな弊害があらわれてきて,90年前後に相次いでソ連や東欧諸国の社会主義体制が崩壊していくわけですよね。
C1990年代の中国では,市場経済を導入する社会主義市場経済が推進され,先進国首脳会議参加諸国をしのぐ経済成長を遂げた。
 まあ,大体そんなところじゃない。いまでも中国の経済成長率はすごいけど。
<分析>
 この問7は非常に素直な問題だ。どの選択肢も不自然さや作為性を感じさせない。日本語としても破綻していない。解いていて気持ちがいい。もっとも,間違えてしまったら,そんなこと言ってる場合ではない。
 さて,@だが,これはすべての教科書の冒頭に掲載されている。完璧である。
 Aのトルーマン・ドクトリンは,出ている教科書がA・B・D・E,出ていないのがCとF。
 Bのソ連の計画経済の破綻については,ほとんどの教科書が記述しているので,この選択肢が誤りであることは明白。ただ,Cの教科書はいつ頃からうまくいかなくなったのかという記述がないので,想像で補うしかない。
 C中国の社会主義市場経済についてはCを除くすべての教科書に掲載されている。Cは社会主義国の市場経済化については記されているものの,あくまで一般論にとどまっており,具体的な国名にまでは触れていないので,この問題を解くには少し物足りない記述である。
 まあ,若干の教科書で多少の無理はあるものの,概ねよしとして,判定は○。久々にホッとした。

★第5日★
問8
 「ローレンツ曲線」なるグラフを読み解く問題である。少々頭が重くなってきたところなので,ちょっと気分転換になりそうだ。ただ,グラフを見なければこの問題が把握できない。お手元に試験問題をお持ちの方はそれを見ていただければよいが,ない方はわからない。ここにそのグラフを掲載すればいいわけだが,それでは味気ない(?)ので,想像していただくことにする。頭の体操だと思って,次のようなグラフを頭の中に思い描いてください。
 ■正方形があります。左下の隅は0(ゼロ)を表しています。ここから正方形の底辺を右にずっとたどっていくと,右端が100%となります。このラインは「人数の累積比率」を表しています。
 ■0地点に戻って,今度は上にたどっていくと,上端はやはり100%となっています。このラインは「所得の累積比率」を表しています。
 ■さて,左下の0地点から右上の縦軸・横軸ともに100%を表している地点まで,対角線が引かれています。これは,最低所得者から最高所得者まで,所得が完全に均等に分配されている状態を表しているんだそうです。なぜそうなるんだろう,と思った方は,実際に絵を描いて,ゆっくりと考えてみてください。その探求心は大事です。私,そういう人好きです。あ,そんなことはどうでもいいか。逆に,考えるのが面倒な方は,そういうもんだ,と思ってください。入試の現場ではそういう割り切り方も必要です。よね。
 ■この斜めの直線を,ピンと張った糸だと思ってください。この糸を引っ張る力を少し弱めます。すると下の方に弧を描いてだらりと垂れ下がります。これを曲線Aとします。さらに,もっと力をゆるめると,もっとたるみます。これを曲線Bとします。これらの曲線は,所得の分配が不均等であることを表すことになります。どうでしょうか。グラフが思い描けましたでしょうか。それでは,ここからが問題です!
@累進所得税は,曲線をBからAの方向に移動させる効果をもつ。
 曲線Aは所得の分配がやや不均等な状態,曲線Bはかなり不均等な状態を表している訳だから,BからAに移動ということは,「かなり」から「やや」に移動させるということになる訳で……。
A公的扶助は,曲線をAからBの方向に移動させる効果をもつ。
 AからBにだから,「やや」から「かなり」にか。公的扶助は格差を拡大させる訳か。なるほど……じゃないか。
BAで示される所得分布の不平等の度合いは,Bで示されるよりも大きい。
CBで示される所得分布の不平等の度合いは,Aで示されるものに等しい。

 B・Cについては,@のところで結論が出ているから,考えるまでもない。
<分析>
 ローレンツ曲線なるものが載っている教科書はない。この手の問題は思考力や判断力を問うことが目的な訳だから,特定の教科書に同じ図やグラフが載っていては,不公平となってしまう。へたをするとセンターは世間から袋だたきにあってしまう。だから,載っていてはまずいのである。載ってなくてよかった。
 さて,問題自体は決して難問ではない。見たことのないグラフだからといって焦ることはない。各教科書には累進所得税や公的扶助が,所得格差や不平等を是正する働きがある(というかそれを目的としている)ということが説明されているので,それをもとに考えれば,すんなりと解けるはずである。したがって,判定は○
 どうですか。気分転換になったでしょうか。では,すっきりしたところで,次にいきましょう。

問9
 下線部は「IT革命」。すごく懐かしい言葉だ。こんなことを言っていた時代もあったんだ。
@インターネットに接続可能なコンピュータ上の個人情報が,本人の意図に関係なく,他人に知られるという危険性が高まっている。
 はい,その通りです。
Aインターネットの利用者は,現在までのところ,全人口の半数を超えていない。
 どのくらいいるかは知らないけど,もっといるんじゃない。
Bインターネットを使ってやり取りされる音楽,映像,文章などの情報が増大したが,このやり取りは,有料,無料を問わず著作権を侵害しない。
 今,著作権がうるさくなっているのに,「侵害しない」はないよな。
Cインターネット利用を登録制にすることにより,電子商取引市場でのネット犯罪が減少している。
 え,いつ登録制になったの?
<分析>
 インターネットのメリット・デメリットについては,すべての教科書が取り上げているが,この問題なら教科書に頼らなくても常識で解けるだろう。今までの問題に比べると急に簡単になってしまった印象だが,どうしたのだろう。サービス問題なのか。ま,とにかく,判定は○。

問10
 下線部は「政府」だが,問題は選挙制度。問題指示文は,「政府」から「選挙」へ何とか結びつけようと苦心しているが,かなり強引。ちょっと無理があるんじゃないだろうか。はじめから「選挙制度について」でいいのに。
@小選挙区制では,少数派の意見が反映されない結果となりやすい。
 小選挙区制だと2大政党制になりやすいが,死票が多く,少数意見が反映されにくい。これは受験生なら常識です。
A比例代表制では,政党中心ではなく候補者中心の選挙となりやすい。
比例代表制は政党中心に選ぶ。これも受験生の常識です。
B日本では,政党への企業・団体献金は,法律により禁止されている。
C日本では,政党への助成金制度は,最高裁判所により違憲とされている。

 B・Cは正確に覚えていないと迷いやすいかもしれない。とくにBなどは,一瞬そうかな,と思ってしまいそう。でも,@が明らかだから,比較的簡単な部類に入るだろう。
<分析>
 @からCまで,すべての教科書が解説を施している。普通に勉強していれば普通に解ける。きわめてオーソドックスで素直な良問と言えそうだが,出題者側からすると引っかけそこなった失敗作ということになるのだろうか。いずれにしても初めてのパーフェクトな判定○
 ということで,ようやく第1問が終わりました。いやあ,こんなに時間がかかるとは思わなかった。<政経の巻>が終わったら,現社も日本史も世界史もと,当初はやる気満々だったが,早くもめげそう。始めた以上,政経だけでも片付けないと,面目が立たないので,愚痴ってないでがんばります。

第1問  第3問  第4問  第5問  集計
  
★第6日★
【第2問】
 第2問は,国家に関する問題。ざっと見たところ,テーマとしてはオーソドックスな問題である。
問1
 下線部は権力分立。誤っているものを選ぶ。一般的な「傾向と対策」には出てこないが,問1は誤っているものを選ばせる問題が多い傾向にある。ま,そんな傾向がわかったところで,何の役にも立たないのだが。
@第二次世界大戦前の日本では,外見上は権力分立制がとられていたが,究極的には,天皇が統治権を総覧するものとされていた。
 はい,そうです。これが正解! あ,違った。誤っているものを見つけるんだった。いつも同じことをやってしまう。進歩がないな。今,自分で得意になって「傾向」の解説をしていたくせに……自己嫌悪。
Aイギリスでは,議会の上院が最高裁判所の役割を兼ねるなど,厳格な分立制はとられていない。
 確かそうだった。ような気がする。
Bアメリカでは,権力分立が厳格に貫かれており,大統領は議会に法律案を提出することも,議会の可決した法律案を拒否することもできない。
 そうです。アメリカは明確に権力分立になっているんです。法律案も提出できないんだったよな。でも,拒否権ってあったような。
C旧ソ連では,権力分立とは異なる考え方に基づいて,全人民を代表する合議体にすべての権力を集中させる仕組みをとっていた。
 ソ連が崩壊したのは今の高校生が赤ん坊のころだから,もはや若い人たちにとってソ連は歴史で学ぶ言葉になってしまっている。どうせ出すんだったら,中国でもよかったような気がするが,余計なお世話か。
<分析>
 各国の政治制度の問題で,内容的には至極順当な問題だ。イギリス・アメリカは民主制度を語る上では必須の定番。かつてはこれに旧ソ連の政治制度を加えて説明していたが,現在は旧ソ連にかわって中国の政治制度を取り上げている教科書が大部分である。ただ,誤っているのはBで,これはすべての教科書に載っているから,大勢に影響はない。判定は○

問2
 次は抑制と均衡に関する問題。問1がストレート勝負だったから,今度は変化球がきそうな予感。
@国会は,地方自治体の制定した条例の内容が法律に違反する場合,最高裁判所にその確認を求める権限を有する。
 国会の機能についてはどんな教科書にも載っている。しかし,この選択肢@のような内容は出てこない。出てこないのは,ないから出てこないのか,あるいはあるんだけど単にそこまでは書かれていないのか。出てこないことを理由に間違いとしていいものかどうか,悩み出すと夜も眠れなくなるんです。
A内閣は,衆議院で不信任の決議案が可決された場合でなくとも,自らの判断で衆議院の解散を決定することができる。
 7条解散のことだな。「できる」って言い切っていいんだろうか,というのがちょっと気にかかるが,現実にやってるんだからいいんだろう,ということにとりあえずしておく。
B最高裁判所は,違憲判決を下した法律が改廃されない場合,自ら国会に法律案を提出することができる。
 最高裁判所が国会に法案を出したなんて話は聞いたことがないが,そんな制度があったら案外おもしろそう。しかしそうなると,最高裁は自分で法律をつくって自分で裁くことになるから,やっぱりまずいか。てなことを考えていたりすると,時間の無駄です。
C国会の両議院は,各々内部の運営に関する規則を制定できるが,衆議院と参議院の規則が異なる場合には衆議院規則の方が優位する。
 両議院内部の規則は内部で運用するんだから,規則が違っていたってかまわない訳で,どっちが優位だとかいう問題じゃないだろ。ははん,これは予算や法律案の議決における衆議院の優越に引っかけた選択肢だな。とは思うのだが,でも内部の規則のことについては習った覚えはないし,ひょっとして,そんな決まりがあるのかもしれない。困った。あ,いかん,いかん。考えてはいかん。変に悩み出すと,また夜眠れなくなってしまう。
<分析>
 @だが,教科書にはもちろんそんな記述はない。
 Aの不信任決議ではない場合の解散については,CとFには記述がなく,それ以外は解説されている。
 Bももちろん,こんな説明はない。が,これは常識の範囲内でしょう。
 Cも同様です。
 昨年,衆議院の解散・総選挙があったばかりなので,時事問題ではねらわれそう,という予測はできた。日頃から政治の動きに関心をもっていれば,別に難しい問題ではないし,@BCが誤りなのは明らかなので,まあお堅いことは言いたくないが,やはり「できる」と言い切られるとちょっとひっかかる。
 さて,教科書から直接的にAの正解を導き出せるかというと,2冊には問題があるが,ほかの選択肢を除外できる程度には学習できるので,ちょっとおまけで判定は○としておこう。
 ところでまた話がそれるが,衆議院の解散に関する教科書の記述を読み比べていて,ちょっと気になったことがある。というのは,日本国憲法の日本語としての表現についてだ。衆議院の解散については,一般的に第5章の第69条が根拠とされる。引用してみる。
「内閣は,衆議院で不信任の決議案を可決し,又は信任の決議案を否決したときは,10日以内に衆議院が解散されない限り,総辞職をしなければならない。」
 これによれば,内閣が衆議院を解散するのは,衆議院で不信任の決議あるいは信任の否決があった場合となり,これがいわゆる7条解散を認めない派の根拠となるのだと思うが,それはここではおいておく。問題はそのあとの表現だ。「衆議院が解散されない限り」とある。「衆議院を解散しない限り」ではない。となると,衆議院を解散するのはどこか,という問題が残る。内閣が解散する,あるいは解散できるというような記述が第5章にはない。第4章の国会のところでも,第54条に「衆議院が解散されたときには」という文言があるが,どこに解散されるのかはない。唯一あるのは第1章天皇のところ,第7条だ。天皇の国事行為その3として「衆議院を解散すること」とある。しかし,天皇の国事行為はあくまで形の上での行為であり,その国事行為は「内閣の助言と承認」がなければならないから,実質的には内閣が解散権をもっている,ということになっているらしい。しかし,これは言語表現としてすっきりしない。「助言」というのは「〜した方がいいですよ」ということだろう。「〜してください」とか「〜せよ」というのは助言とは言わない。「承認」もそうだ。天皇が提案して内閣が承認する,という意味になってしまうではないか。つまり,内閣は天皇に対して,実質的に強制力をもつにもかかわらずあくまでこれは「助言」ですよという体裁をとった「助言」をあたえ,それを受けた天皇が内閣に対して衆議院の解散を提案し,内閣は自分が実質的に命令したにもかかわらず,それをまたみずから「承認」し,その「承認」を受けて天皇が衆議院を解散する,ということになる訳だ。仮に相手が天皇だから表現をやわらかくして(というか曖昧にして)ということだとしても,あるいは無理矢理天皇を介在させるためだったとしても,やっぱり何か変じゃありませんか? 「内閣は衆議院を解散することができる」とすれば,言語表現としても論理的にもすっきりしたのに。無条件に解散権を認めないのなら「不信任の決議案が可決した場合に限り」などとすればよい。また,どうしても天皇の国事行為にしたいのなら,「内閣が決定し,天皇が衆議院解散を宣言する」とか,書き方はいろいろあるだろう。ま,そう書かれていないから解釈に苦労しているんだろうが。何かしら事情があったんでしょう……。
 こんなことは,憲法学者や法律を少しでも勉強した人にとってはすでにわかりきったことなのかもしれないが,今まで何度も憲法を読んでいたにもかかわらず,筆者はとくに気にもとめていなかった。なもんで,今気づいてちょっと興奮してしまいました。お恥ずかしい。それにしても,日本国憲法の文章って,日本語としては何とも奇妙な表現が多いな(ということもよく言われてはおりましたが,実感しました……あくまで表現の話です)。

★第7日★
問3
 次は国民主権の問題。
@日本国憲法は間接民主制を採用しているので,国民が,国民投票によって直接に国政の意志決定を行う仕組みはない。
 憲法改正時には国民投票をおこなうことになっていますよね。これ,受験生の常識です。
A地方自治体において住民投票を実施する際には,その都度,法律の根拠が必要であり,地方自治体が独自の判断で実施する仕組みはない。
 法律は国会で定めるもの,条例は地方自治体で定めるもの,でしたよね。住民投票にはどんな手続きが必要だったかなあ。確か条例だったような気がするけど。
B最高裁判所は,選挙の際の戸別訪問禁止は,選挙の自由と公正を確保するために必要であり,憲法に違反しないと判決した。
 「戸別訪問禁止」が憲法に違反してないんですね。「禁止」がなかったら間違いですよね。念のため。
C最高裁判所は,衆議院議員選挙について,小選挙区と比例区との重複立候補は選挙への民意の反映を損なうので,憲法に違反すると判決した。
 去年もありました。重複立候補。あれって,なんかずるいっすよね。小選挙区で選挙民の支持が得られなくて落ちた人が当選してしまうんですから。というのは筆者の個人的な感想だが,最高裁はそう簡単には違憲判決は出しません。断じて出しません。どんなにお願いしても出しません。って,そこまで強調することはないか。
<分析>
 @の国民投票については,当然すべての教科書に載っている。
 Aの住民投票に関しては注意が必要だ。住民投票には,(1)特定の地方自治体にだけ適用される法律を制定する際にはそこの住民の合意を必要とするという特別法の住民投票と,(2)議会の解散や議員・首長のリコールに際しての住民投票,(3)地方自治体で重要政策を決定する際に住民の意思を確認するための住民投票がある。(1)は憲法第95条に定められており,(2)は地方自治法に定められている。(3)についてはその都度,住民投票条例を制定しておこなわれる。教科書では,すべての教科書が(1)(2)を説明してるが,(3)についてその手続きまで説明しているのはAとCだけで,Bは(3)にふれてはいるもののその手続きについては説明がなく,D・E・Fには(3)そのものの説明がない。
 Bの戸別訪問禁止は,Cを除くすべての教科書で取り上げている。ただ,この選択肢がちょっと意地悪なのは,最高裁の判決を問題としていることだ。最高裁がどのような判決を下したかというようなことにまでふれている教科書はない。したがって,現に禁止されているのだから最高裁が違反の判決をしているはずはないだろう,と考えるしかない。
 C一票の格差に関する最高裁判決は多くの教科書が記述しているが,重複立候補についての判決は皆無。重複立候補そのものの記述も,あるのはAとCのみ。
 結局,Cに関しては教科書だけでは判断が難しいが,Bの正解を導くことは可能なので,判定は△

問4
 次は福祉に関する問題。
@健康で文化的な最低限度の生活を営むことのできない者は,法律の根拠がなくても,直接憲法に基づいて国に生活保護を請求することができる。
 プログラム規定説のことだな。朝日訴訟か。
A義務教育においては,国民に,授業料を徴収しない教育の機会が補償されているだけでなく,教科書もまた無償で配布される。
 確かに中学まではタダで教科書をもらっていた。高校でもそうかと思ったら買わされたんで,びっくりした。しかも全部合わせるとかなりの金額。今にして思えば,親は大変だったろうな。にもかかわらず,その教科書はロッカーの中に入れっぱなし。この親不孝者め。あー,あのころもっと勉強しておくんだった。
B勤労は,権利であるとともに義務でもあるので,国が必要と認める場合には,国民を強制的に徴用することができる。
 国が強制的に徴用したら,強制労働じゃないか。それはちょっとまずいんじゃない。
C公務員も勤労者であるから,労働基本権の保障を受け,その一つである争議権もしばしば合法的に行使される。
 個人的な心情としてはこれを正解としたい気持ちもなくはないが,現実は違うんだよね。
<分析>
 @の,憲法は具体的な権利までは保障していないとするプログラム規定説は,すべての教科書に載っている。
 Aの義務教育に関しては,憲法第25条2項に「義務教育は,これを無償とする」と定められている。教科書も無償で配布される。ところで,高校の教科書は無償ではなく,買わなければならない。ただ,一般の国民に意外と知られていないのだが,この定価も文部科学省が決めている。したがって,どの会社の教科書でも同じ教科であれば同じ定価である。それは,まあ平等でいいでしょう。ただ,問題はその値段である。たとえば,この4月から使われる平成18年度用の政経教科書の定価は,430円。皆さん,430円ですよ。500円玉1個で10円玉が7つも返ってくるんですよ。50円玉1個と10円玉2個の場合だってありますけど。全部1円玉だったら70枚ですよ。そんなお釣りもらっても迷惑ですけど。文庫本だってへたをすると1000円近くするご時世に,あれだけ文字や写真やグラフが入って,しかも多色刷りで,口絵までついていて,それで430円ですよ。しかも,2年前は435円だったのが,値下げまでされているんです。親御さんのご負担を考えると何とも心苦しい限りではありますが,これでは教科書会社はもちません。つぶれてしまいます。これ,本当です。何とかしてください。お願いします。と,ちょっと愚痴ってみました。
 Bこれは教科書を持ち出すまでもないだろう。強制労働はともかく,勤労は確かに国民の義務と憲法に定められてる。ですから,学校に行かないんだったら働きましょう。
 C公務員の労働基本権に対する制約は,すべての教科書が記載している。
 ということで,判定は○

★第8日★
問5
 次は規制緩和の問題。適当なものを選ぶ。
@競争を通じて企業の活力が引き出され,経済活動がより効率的に行われるための手段となる。
 規制緩和されて自由競争になると,競争に勝ち抜くために経営を効率化しなければならない。結果的に自由な競争が経済を活性化する,って言われてますよね。でも,そうなると偽装なんかしちゃって,人をだましてでも儲けようなんていう輩が出てくるんですよね。困ったものです。
A幼稚産業の育成や衰退産業の保護など,産業構造の転換を円滑に進めるための手段となる。
 規制緩和されて自由競争となると,弱肉強食化がますます進んで,弱い産業なんか吹き飛ばされてしまうんだそうです。だから保護にはならないよなあ。しかし,ここにある「産業構造の転換」というのは何をいっているのだろう。
B消費者が財やサービスを生産・提供する側の情報を十分に得ることができない場合に,消費者が被る不利益を解消するために有効である。
 こういうのを確か,情報の非対称性とか言うんだったな。
C規模の利益による自然独占が存在する場合に,価格決定やサービス提供の面で消費者が不利益を被ることを防ぐために有効である。
 独占状態にあるのに,さらに規制緩和する訳ですね。そうすると……。
<分析>
 規制緩和については,すべての教科書が記述している。したがって,@が正解であることはすぐにわかる。AからCは,規制緩和のデメリット,あるいは規制緩和のメリットであるが,こう並べられると,規制があった方がいいんではないかと思えてくるから不思議だ。もちろん,作問者にそんな意図はなかっただろうが。
 さて,教科書にはAからCに類する記述はあったりなかったりだが,@がわかれば問題はないので,判定は○

問6
 各種の改革,民営化に関する時事問題。教科書が苦手とする話題だ。適当でないものを選ぶ。
@高速道路の建設・管理を行ってきた日本道路公団など道路関係4公団は,累積債務や事業の非効率性などへの批判を受けて,民営化された。
 あれは去年のことだったか。総選挙の陰に隠れてしまって,すっかり忘れていた。藤井総裁なんてのもいたな。今は防衛施設庁のほうが話題になっているから,もう遠い過去の話のような気がするけど,どこもかしこも,やってることは同じだなあ。それに,お役人は天下り先がいっぱいあって,退職金なんかも何回も何回ももらえたりなんかして,いいよなあ。みんなでグルになって談合なんかやってたりしてもなかなかバレないし。そういえば,中央道に談合坂なんてあったけど,あそこで談合やってたのかなあ。だから談合坂っていうんだ,なんて,そんな訳ないだろ。
A戦後の住宅難解決にあたった日本住宅公団は,住宅事情の改善もあり,現在では新規の分譲住宅建設事業を行わない都市再生機構に改組された。
 都市再生機構は確か教科書にも載っていたような気がするが,よく思い出せない。思い出そう,思い出そうとしていたら,昔,中学生だったころ,好きな女の子が団地に住んでいて,学校からの帰りに用もないのに団地の中を通って帰っていたのをふと思い出した。もちろんそんなこと思い出してる場合ではない。はい,わかってます。
B中央省庁改革の一環として,郵便事業を担う組織は,郵政省から郵政事業庁を経て日本郵政公社となった。
 これはまさに「小泉改革の本丸」だから,よもや忘れはしまい。
C衛星放送やケーブルテレビなど放送メディアが多様化したため,日本放送協会の特別の地位は廃止され,他の民間放送事業者と同等となった。
 この選択肢,NHK関係者が見たらギョッとするだろうな。いやあ,作問委員の先生,やりますねえ。
<分析>
 時事問題なので,この1〜2年の社会の動きをおさえておかなければできない問題である。
 @の道路公団は,昨年10月1日から民営化された。道路関係4公団というのは,おもに有料道路の建設や管理をおこなっていた特殊法人で,日本道路公団・首都高速道路公団・阪神高速道路公団・本州四国連絡橋公団のこと。今ではすべて株式会社となっている。もちろん,というか残念ながらと言うべきか,教科書にはここまで詳細には載っていない。一般論として特殊法人の弊害と民営化の動きにふれている教科書がA・D・Fで,残りはほとんど記述されていない。
 Aの日本住宅公団は,都市基盤整備公団などを経て,2004年に独立行政法人都市再生機構となった。教科書の記述に関しては@と同様である。
 Bの郵政事業に関しては,もともと中央省庁でもあったので,すべての教科書に記述されている。
 Cは「適当でないもの」であるから,当然教科書には載っていない。
 日頃から世の中の動きに注意をはらっていればさして難しい問題ではないが,最近は新聞を読んだことのない高校生が多いと聞く。ゆとり教育の弊害を云々する以上に,筆者としてはこちらの方が心配だ。もっとも政経で受験する高校生はそんなことはないだろうが。
 何はともあれ,教科書に載っていないのは事実だから,判定は×

問7
 次は,官僚支配に関する問題。「官僚制への統制を強化する主張とは言えないもの」を選べとある。こいういう場合は,選択肢の内容が正しいか正しくないかということではなく,その内容が目的に一致しているかどうかが問題となる。言うまでもないだろうが。
@内閣総理大臣が閣僚や省庁に対して強力なリーダーシップを発揮できるようにするため,首相公選制を導入すべきである。
 首相公選制にすれば,直接国民が首相を選ぶ訳だから,首相の権威は今よりも高まるであろうことは予想できる。しかし,その力は省庁にまで及ぶのか。正直なところ,よくわかりません。
A国会は,行政を監督する責任を果たすため,国政調査権などの権限を用いて行政各部の活動をチェックすべきである。
 国会が行政の活動をチェックする,まさに官僚制への統制を強化することになる。はずだよね。
B各議院は,テクノクラートのもつ専門知識を有効に活用するため,法律案の作成や審議への政府委員の参加機会を拡大すべきである。
 テクノクラート? ちゃんと日本語を使いなさいよ。「外来語」委員会(国立国語研究所にあるんだそうです)にいいつけますよ! さて,テクノクラートとは何か。こういうときには「広辞苑によれば……」とやるのが世の常だが,広辞苑は分厚くて重い。だから机の上に置くと邪魔になる。だから本棚に入れてある。でもって,そこまで行くのは億劫だ。仕方がないから,手元にある集英社の国語辞典で調べてみる。すると,「技術者・科学者出身の官僚」とある。なんだ,要するに官僚のことか。手間をとらせるな。ということで読み進めると,「政府委員」だと? なんじゃこりゃ。ついでだからこれも国語辞典で調べると,「国会で国務大臣を補佐して所管事項に関する答弁や説明をする行政官」とある。なんだ,これも要するに官僚じゃないか。ということは,この2語を単純に「官僚」と置き換えると,「各議院は,官僚のもつ専門知識を有効に活用するため,法律案の作成や審議への官僚の参加機会を拡大すべきである」となる。ということは,官僚制を統制するどころか,強化することになる訳だ。これだ。やったー! と,これだけの判断を受験生は国語辞典を使わずに瞬時にやってのけなければならない。荒川静香選手は,ジャンプした瞬間に3回転を失敗した場合の得点と,2回転に切り替えて成功した場合の得点を比較し,今日の調子と照らし合わせて成功する確率と失敗する確率を割り出し,空中で1回転する間にどうするか判断するんですって。すごいですねえ。私たちも訓練すればそんなことができるようになるんでしょうか。と,ここまでのことを,筆者は選択肢を読みながら瞬時にして考えた。(ウソです。ごめんなさい。)
C国民が直接行政を監視し,政策過程に参加するため,情報公開制度を活用したり,オンブズマン制度を設けたりすべきである。
 国民が直接行政を監視するんだから,答えは明白だ。
<分析>
 これは時事問題ということではないのだが,教科書との直対応を求めるのには無理がある。言ってみれば,一般常識問題とでも言いましょうか。したがって,判定には迷うが,教科書に書かれていることを総合的に判断すれば正解を割り出すことは不可能ではないので,ちょっと甘いかもしれないが,判定は△としておこう。

第1問  第2問  第4問  第5問  集計
  
★第9日★
【第3問】
 第3問は国際社会の問題。
問1
 ほらきた。問1は「誤っているもの」を選ばせる問題だ。言ったとおりでしょ。
 この問題は,1980年代の東欧諸国の民主化に関する問題。
@チェコスロバキアで,「プラハの春」と呼ばれる運動が起こり,共産党政権が崩壊した。
 「プラハの春」って宝塚じゃなかったっけ。そういえば,「羊の顔をした狼」じゃなくて「人間の顔をした社会主義」なんていうのを聞いたことがあったな。子供の頃だけど。
Aポーランドで,自主管理労組「連帯」が自由選挙で勝利したことで,非共産党主導の政権が成立した。
 そうそう,ありました自主管理労組「連帯」。ワレサ大統領の誕生。ワイダの映画もよかったよね。
Bソ連で,ゴルバチョフ共産党書記長が,ペレストロイカやグラスノスチを提唱し,国内改革を推進した。
 最近,ゴルバチョフさんの動きが活発ですねえ。お元気でなによりです。あのときは,まさか「国内改革」が崩壊にまで進んでしまうとはご本人も思わなかったでしょう。世界史の大転換点でした。社会科の教科書も毎年書き換えなければならなくて,大変だったそうです。当時は,入社試験なんかでもペレストロイカがよく出題されていました。
C東ドイツで,反政府デモが各地で起こり,社会主義統一党の書記長が退陣して,改革派が政権を引き継いだ。
 それからベルリンの壁が崩壊するまで,あっという間だったな。不謹慎な言い方かもしれないが,あの頃はあらゆるテレビ番組の中でニュース番組が一番ダントツで面白かった。
<分析>
 前にも言ったが,1980年代後半から90年代初頭の激動の時代は,今の受験生が生まれたばかりの頃。歴史の世界だ。政経の教科書でも,第二次世界大戦後の世界の大きな流れを扱ってはいるが,ここで問われている内容にまで突っ込んだ記述はしていない。せいぜい,ソ連の崩壊とベルリンの壁崩壊の事実を述べる程度にとどまっている。
 まず,@の「プラハの春」だが,これは1968年のできごと。民主化の波が波及することを恐れたソ連と周辺諸国(ワルシャワ条約機構)はこれに軍事介入し,鎮圧した。いつの時代も大国のやり方は変わらない。ということで,これは明らかに時代が違うから誤り。ついでに「共産党政権が崩壊した」というのも誤り。しかし,政経の教科書ではここまでは出てこない。
 Aのポーランドもそう。
 Bのソ連については,冷戦終結にいたる最大級の歴史的事件だけに,政経の教科書でも取り上げている。ただ,このあたりの記述も,最近では世界史の教科書にゆだねられつつあり,政経の教科書に載せる記述としては少々「古い」印象になってきている。
 Cの東ドイツについては,ベルリンの壁崩壊はもちろん取り上げているが,この選択肢の段階までさかのぼりはしない。
 ということで,問1は15年前なら時事問題だが,今ではどちらかというと世界史の問題に近い。科目を問わず,知っておくべき常識ではあるが,政経の教科書からの観点で判断すれば,判定は×とするしかない。

問2
@国連総会の決議により,常設の国連軍が設置された。
 常設の国連軍があったら,イラク戦争はもっと違った展開になっていただろうか。変わらないかな。
A国連安全保障理事会の決議により,多国籍軍の軍事行動が容認された。
 多国籍軍というと湾岸戦争を思い出す。あのとき日本は,金は出すが人は出さないと国際的に批判された,ということになっている。で,イラクにはとうとう自衛隊を派遣した。今にして思うと,あんな批判,ホントにあったんだろうか,と思わなくもないでもないような気もするようなしないようなムニュムニュです。
BEU(欧州連合)により,加盟国の領域内での軍事行動が行われた。
 これはどういうことだろう。EU内で軍事的な紛争が起こり,EU軍のようなものが出動して鎮圧したというようなことなのだろうか。それならそうとハッキリ書いてくれ。
CASEAN(東南アジア諸国連合)により,平和維持活動が行われた。
 これもどういうことだろう。ここでいう平和維持活動というのは何を意味しているのか。「ASEANにより,平和維持活動が行われた」??? 何を言いたいんだか全然わかりません。まあ,これは誤りの選択肢だからあまり深く考えることもないのだろうが,何回読み直しても私にはわかりません。頭が変になりそうです。それとも頭が変だから理解できないんでしょうか。誰か教えて!
<分析>
 @の国連軍だが,本来の国連軍がまだ存在しないことはすべての教科書が記述している。したがって,この選択肢が誤りであることは明白にわかるはず。
 Aの多国籍軍については,Bを除くすべての教科書が何らかの形でふれている。
 Bは,もともとないことを言っているのだから,当然教科書にはそんな記述はない。
 Cについてはもう考えたくありません。
 ということで,Aの正解にたどりつくことはできる。判定は○

★第10日★
問3
 今度は紛争を未然に防ぐ試みではないものを選べということだが,なんか,ここにきて突然あからさまな知識問題になってしまった。選択肢を考えるのが面倒になってしまったんだろうか。何となく前問のBCあたりでその予兆はありましたが。
@ARF(ASEAN地域フォーラム)
 フォーラムっていうと,みんなでどうしようか考えましょう的な集いだよなあ。そうするといくらなんでも,あの国をやっつけましょう,みたいな集いではないだろうな。とすると,紛争を未然に防ぐための試み,って感じだよなあ。
ACFE(欧州通常戦略)
 「戦略」って書いてあるから,これあやしいな。
BCSCE(全欧安全保障協力会議)
 「安全保障」っていうくらいだから,どちらかというと紛争を防ごうという感じだよなあ。
CSDI(戦略防衛構想)
 ここにも「戦略」があった。これはAと迷うな。
<分析>
 これでは選択肢を読み解く楽しみがないではないか! 筆者の生き甲斐だったのに。
 索引で調べた結果であるが,@のARFが載っているのは,A・B・F。AのCFEが載っている教科書は皆無。BのCSCEが載っている教科書は,A・B・D。CのSDIは,Aだけ。正解はCとなっている。ちなみに,@ARFはアジアの安全保障のための機構であるから,除外。ACFEは冷戦時代にNATOとワルシャワ条約機構との間で均衡を保とうという趣旨だから,これも除外。BCSCEは東西の対話を推進するのが目的だから,これも除外。CSDIはアメリカの戦略構想で,ミサイルが飛んできたら空中で撃墜しようということだから,紛争を未然に防ぐのではない。むしろ東西の均衡を崩してしまう可能性があるとして批判もされた。アメリカは今でもTMD計画などを推進していて,発想は全然変わっていない。
 さて,教科書の結果としては惨憺たる結果となってしまった。正解のCが載っているのは1冊だけ。他の選択肢の掲載率もきわめて悪い。しかも,Aだけが@・B・Cを掲載していて,教科書間の偏りがあまりにも激しい,というか極端だ。このような単純な知識問題はその場で考えても仕方がない。知っているか,知らないか,だけだ。ところが,その内容は特定の教科書だけに偏っている。時事問題でもないし,受験生レベルの常識問題とも言い難い。このコーナーはセンター試験を批判するのが目的ではないのであまり言いたくはないが,この問題はどんなもんでしょうか。
 もちろん判定は×だ。

問4
 1980年以降の難民人口の推移を表したグラフを読み解く問題。このグラフは,第1問の問8のように頭に思い描くことはほぼ不可能なので,見たい方はどこかで問題を入手して見てほしい。
@イラクでは,冷戦時代から難民の流出が始まり,冷戦終結後に難民人口が最大値に達し,その後もおおむね同じ水準で推移している。
 グラフを見ると,イラクは1989年から1993年の間がラクダの瘤のようにポコンと盛り上がっている。この期間は冷戦終結の時期であるが,93年以降はその時期以前の水準近くまで下降しているので,「その後もおおむね同じ水準で推移している」は間違い。
Aソマリアでは,冷戦時代から難民の流出が始まり,難民人口はいったん減少したものの,その後は増加傾向にある。
 ソマリアは,1987年頃からグラフに登場する。92年頃にピークとなり,その後は減少傾向にあるから,これは間違い。
Bボスニア・ヘルツェゴビナでは,冷戦後に難民の流出が始まり,難民人口は最大値に達した後,おおむね減少傾向にある。
 まあ,そのとおりかな。
Cルワンダでは,冷戦後に難民の流出が始まり,難民人口が最大値に達した後も,高い水準で推移している。
 ルワンダは1995年に著しいピークをむかえ,その後3年間で急激に減少している。イラクがラクダの瘤なら,ルワンダは剣の先のような形。したがって,「高い水準で」は間違い。
<分析>
 難民についてはすべての教科書で何らかの記述がなされているが,ここでの問題に直結するような記述なり図なりが載っているものはない。この問題は,グラフを見て読み解かせるのが目的だから,教科書に同じグラフが載っていたりすると逆にまずいことになる。記述に関しても,教科書にあろうがなかろうが関係ない。その点,前問に比べると純粋にその場での力を試す問題であるから,良問といっていいだろう。問3のマイナスを問4でカバーしたといったところか。
 教科書には直接的には載ってはいないが,それでも解ける問題だから,判定は△としておこう。

★第11日★
問5
 次は1990年代の政界再編について。
@無党派知事が出現したため,官僚による地方自治体の支配が強化された。
 無党派知事というのは誰のことだろう。90年代ということは,青島幸夫と横山ノックかな。確か95年頃だった。でも,それで何で官僚の支配が強くなるんだろう。
A政党内の派閥が解消されたため,選挙制度の改革が起こった。
 派閥は今でも健在です。
B政党の離合集散が起こり,保守合同によって,自由党と保守党が合流し,自民党が成立した。
 自由党と保守党が合流したら自由保守党(自保党)にならないの? それにしてもこの選択肢のプッツン度合いはすごい。これを正解に選んだ受験生ってどのくらいいるんだろう。知りたい。
C政党の離合集散が起こり,日本新党や新生党など,現在では存在しない多くの政党が形成された。
 そうそう,太陽党・新党友愛・改革クラブ等々,この頃は本当にたくさんの政党が現れては消えていった。どこがどう割れてどことどこがくっついてどうなったのか,銀行の離合集散と同じで,もうまったくわかりません。
<分析>
 すべての教科書がCに関する記述を載せている。判定は○
 それにしてもこの頃の離合集散は本当にめまぐるしかった。教科書にはよく「戦後の政党の変遷」といった図が載っているが,90年代についてはそのすべてを図示しようとすると,訳がわからなくなる。その後,民主党が出現して現在の2大政党制(と言っていいかどうか疑問はあるが)に落ち着いたが,2大政党制も与野党が拮抗していないとあまり意味がない,ということを早くも露呈してしまった今日この頃です。

問6
 問6は政党再編期の連立政権に参加しなかった政党を選ばせる問題。問5の延長戦的な問題である。
@自民党
A公明党
B社民党
C共産党
<分析>
 単純な知識問題。問3と同じで,選択肢を読み解く楽しさを味わうことができないではないか。どうしてしまったんだ!
 ただ,問題としては,問3と比べるとこちらは常識問題だから,まあ簡単な部類だろう。問5ではないが,これに新党さきがけとか入ってくるとちょっと迷ったりするかもしれないが,この選択肢なら迷うこともないだろう。教科書にも記述されているので,消去法で考えれば共産党にたどりつける。判定は○

問7
 住民投票の問題。誤っているものを選ぶ。第2問の問3の選択肢Aとややカブっている。
@住民投票条例の中には,永住外国人や未成年者に対して,投票資格を認めているものもある。
A市町村合併の可否を問うために,当事者である地方自治体で,住民投票が行われた。
B住民投票条例の中には,投票の結果に対して,政策を直接決定する法的な拘束力を認めているものもある。
C産業廃棄物処理施設の設置をめぐって,環境問題などが提起され,住民投票が行われた。
<分析>
 住民投票に3つの種類があることは第2問の問3で触れたが,これはその(3)の住民投票。一応選択肢がそれなりにつくられてはいるが,別に吟味しなければならないほどのことではない。@もAもCも,実際に行われている。住民投票の結果に法的拘束力がないのも,まあ常識か。ただ,そのあたり,実際には専門家の間でもいろいろな議論があるらしい。入試レベルではこだわる必要はないだろうが。
教科書については,第2問の問3と同様,この住民投票に触れているのはAとCしかなく,法的拘束力にまで言及しているのはCのみ。したがって判定は×
 これで第3問が終了した訳だが,この第3問にはどうもイマイチおもしろみが感じられなかった。(入試なんだからおもしろい必要はない? まあ,それはそうなんですが,スポーツだって対戦していてこの相手と対戦できてよかった的な充実感を勝敗とは別に感じることもあるじゃないですか。入試問題でも,その問題と対決した充実感みたいなものが欲しいわけです。)で,その原因として考えられるのは,単純な知識問題が多かったということだろうか。国際問題と国内問題がとくに関連性もなく並んでいて,あまりよく練られている感じがしない,ということもあるかもしれない。正直,ちょっと中だるみの印象だ。問題つくる方も大変なんだとは思いますが……。残る2問に期待しよう。

第1問  第2問  第3問  第5問  集計
  
★第12日★
【第4問】
 第4問は経済に関する問題。問題文は,先生と学生A・Bの3人の会話体。これはなかなか意欲を感じさせる問題だ。期待しよう。
問1
 3つの経済主体を問う問題。例の企業・家計・政府における三角関係の図である。3つの経済主体の間は矢印の線で結ばれており,その矢印が意味している内容が,ア・イ・ウに示され,その正しい組み合わせを答えさせる。何だかよくわからない? 説明が下手ですみません。これ以上うまく説明できないので,問題を見てください。
 したがって,選択肢はア・イ・ウの組み合わせでしかないので,選択肢をここに再掲しても意味がないから,省略する。
<分析>
 分析もしようがない。教科書には経済の導入として必ず載っている図だから,基本中の基本の問題。これを間違えるようだと,もう一度教科書を読み直しなさい,ということになる。くれぐれも矢印の向きを間違えたりといったつまらないミスをしないように。なんて,ちょっと老婆心でした。判定は○

問2
 コンプライアンス(法令遵守)を推進するために企業が行う方策として適当なものを選べ,だって。またカタカナ語。せめて「法令遵守(コンプライアンス)」ぐらいにしてはどうでしょう。ホントに「外来語」委員会に言いつけますよ。
@企業倫理に配慮した経営を行っている企業に投資する。
 企業倫理に配慮した経営を行っている企業って,とってもいい企業じゃないですか。そこに投資する,いいじゃないですか。
A従業員が留意すべき事項を明記した行動指針を作成する。
 この選択肢,ちょっと引っかかる。というか,ちょっと気に障る。というか,正直言うとかなり腹立たしい。従業員の行動指針だって? バカ言っちゃいけませんよ。まず法令遵守しなけりゃならないのは,経営者の方でしょう。人の上に立つ者こそ襟を正さなきゃいけないんです。それなのに世の中見てご覧なさい。偽装マンションしかり,なんとかドアしかり,なんとかインしかり……。法令守ってないのはみんな経営者じゃないですか。そんな輩が,毎朝だか毎週だか知らないけど,従業員の前では偉そうな訓辞垂れているんですよ。ふざけんな,って思いませんか。そんな経営者にこき使われながらも,会社を信じて一生懸命働いてきた従業員の身にもなってみなさいよ。ホント腹立ちますから。あ,筆者も従業員なもんで,ついつい興奮して取り乱してしまいました。失礼。
B障害者が暮らしやすいようなバリアフリーのまちづくりに取り組む。
 これ,とってもいいことじゃない。そうしなさいよ。
C芸術団体の活動に対して資金援助や施設の提供を行う。
 これも,またまたいいことじゃない。どんどんやってよ。
<分析>
 いやあ,久々に熱くなってしまった。少し熱を冷まして分析しよう。
 先に言っておくが,正解はAだそうだ。Aついては,頭が冷えてからまた触れたいと思うが,とりあえず問題の正解としてはいいだろう。ただ,@が明確にダメと言えるかどうかについては,正直なところ筆者には自信がない。法令を守ることと企業倫理は別物だということなのだろうか。あるいは,企業が企業に投資するという部分がいけないのか。今は頭に血が上っているせいか,どうもうまく判断できない。「最も適当なもの」を選ぶんだから,Aでいいのだけれど。あとで頭が冷えたらもう一度よく考えてみます。
 で,核心のAだ。確かに従業員に法令を守らせることも大切なことでしょう。でも,ここは「法令遵守に違反した経営者を厳罰に処す」とか,せめて「経営者が心得るべき社会的責任を明記した行動指針を作成する」ぐらいの選択肢が欲しかった。従業員の身としては。
 ところでこの問題,@もBもCも,言っていることは実にいいことではないか。これらのいいことが不正解で,一番気に入らないAを正解として選ばなければならないというのも,実に不愉快だ。なんて考えていると,熱を冷ますどころか,ますますヒートアップしそうだ。こんなところで寿命を縮める訳にはいかない。冷静に,冷静に。でも腹が立つ。ったく,もう!
 あっ,忘れるところだった。教科書。
 企業の社会的責任に触れている教科書もあるにはあるが,コンプライアンスを載せている教科書は皆無。したがって判定は×だ。次に新しい教科書つくるときには,絶対に載せてやる。ったく,もう!

★第13日★
問3
 消費者問題。消費者の不利益を防止するものでないものを選ぶ。
@訪問販売などで,消費者が購入申し込みをして代金を支払った後でも,一定期間内なら契約を解除できるクーリング・オフ制度がある。
 クーリング・オフ制度を利用する場合の条件や利用法などは,まずはインターネットなどで調べるといいです。はい。泣き寝入りする必要はありません。
A製造物の欠陥により消費者が損害を被った場合,製造業者が消費者に対して責任を負うPL法(製造物責任法)が制定されている。
 それは当たり前ですよね。でも,その当たり前が法制化されたのはわずか10年前だったんですって。
B米の価格を安定させるため,政府が消費者米価を決定する食糧管理制度が実施されている。
 食管制度って懐かしいな。自主流通米なんてことばもあったな。
C消費者への情報提供などを目的として,国民生活センターや消費生活センターが設立されている。
 苦情相談にも応じてくれるそうです。
<分析>
 選択肢4つの中にあって,Bだけがあきらかに異色だ。浮いている。光っている。ここ掘れワンワンと言っている。これはサービスなんだろうか。
 教科書では,@のクーリング・オフ,AのPL法,Cの国民生活センター・消費生活センターは一括して扱うことが多い。もちろん,すべての教科書が取り上げている。農政の転換についても,すべての教科書が農業問題のところで取り上げている。判定は○

問4
 次は企業の環境保全に関する問題。
@気候変動枠組条約によって,企業間で窒素酸化物の排出許容枠を売買する排出権取引が認められた。
 これはうっかり読んでいると,別に問題がなさそうに見える。あぶなく引っかかるところだった。窒素酸化物。これって排気ガスやなんかに含まれているんだったよな。酸性雨とかになったりして。地球温暖化の主役は二酸化炭素でしょ。
AISO(国際標準化機構)によって,組織が環境に配慮した運営を行っていることを認証するための規格が作られた。
 確かISO14001とかいうんだったな。
B日本では,ゼロ・エミッションの考え方に基づいて,自動車の発する騒音を一定水準に抑えることがメーカーに義務付けられている。
 ゼロ・エミッションって何でしょう。今度はインターネットで調べてみよう。いろいろな解説をまとめると,ゼロ・エミッションとは社会全体で廃棄物の排出をゼロにしようということで,1994年に国連大学が提唱したものらしい。とすると,自動車の騒音は関係ないか。
C日本では,ナショナル・トラストの考え方に基づいて,自然の景観を維持するために国立公園内の工場建設が規制されている。
 ナショナル・トラストって何でしょう。またインターネットで調べてみよう。美しい環境を維持し保全していく運動やムーブメントのことだそうです。町おこしや地域振興にもつながっていくそうです。
<分析>
 @地球温暖化の二酸化炭素についてはもちろんすべての教科書に登場する。ただ,気候変動枠組条約という言葉はFには出てこない。
 AISOに触れているのはBとCだけ。
 Bゼロ・エミッションが出ているのはB・C・D。
 Cナショナル・トラストが出ているのはD・Eのみ。
ということで,掲載率はかなり悪い。教科書だけの観点からすると,これはかなりの難問だ。判定は×

★第14日★
問5
 次は為替相場の問題。ドルに対する円の為替相場を上昇させる要因か。こういうの,苦手なんだよなあ。正直言ってちんぷんかんぷんです。
@日本からアメリカへの輸出が増加する。
 日本からアメリカへの輸出が増えるということは,ドルが日本に入ってくる訳で,そうなるとドルに比べて円の価値があがりそうだ。
Aアメリカの短期金利が上昇する。
 えーと,アメリカの金利が上昇するということは円よりドルのほうが有利になるということで,そうなると円安になるのかな。
B日本銀行が外国為替市場で円売り介入を行う。
 円を売るのか。どんなものでも大体買い手が多いと価値が上がって,売り手が多いと価値が下がるものだ。そう考えることにしとこう。
C投資家が将来のドル高を予想して投機を行う。
 これはドルを買う訳だよね。ということはBの考え方でいくと,ドルが高くなる訳だ。それにしても,この為替というのはどうもよくわからん。自分は投資家にはなれないな。
<分析>
 @の輸出と為替相場の関係は,Aを除くすべての教科書が記述している。ただC・D・Eは円高になると輸入が増え,円安になると輸出が増えると説明しており,輸出が増えた結果どうなるかはわかりにくい。B・Fが若干そのあたりに触れているが,それでも@を判断するのはちょっと難しい印象だ。
 Aの短期金利に触れている教科書は皆無。
 Bの円売りとCのドルへの投機は,教科書全体の説明から常識的に判断すればわかるだろう。
 筆者の苦手意識を差し引いても,この問題は教科書レベルからするとやや難問か。迷った末に,判定は×とする。

問6
 企業の多国籍化が世界経済に対して及ぼした変化でないものを選ぶ問題。
@多国籍メーカーは,労働コストの削減を目的として発展途上国に進出し,生産能力の拡大や技術移転などを通じて,進出先の工業化を促進した。
 今や日本のスーパーなどで売っている衣料品や食料品の大多数が中国産となってしまった。
A企業の多国籍化は,国家間での資本・人・技術の相互浸透をもたらし,企業間競争を激化させた。
 企業間競争が激化して,「勝ち組」「負け組」なることばが登場し,それが人間社会すべての尺度になったかのように一般化してしまった。はっきり言ってこの言葉,大っ嫌いです。それはお前が「負け組」だからだろうって? ほっといてください。
Bメーカーの多国籍化は,それらに中長期の資金を供給している銀行の多国籍化を誘発した。
 中長期の資金云々というのはよくわからないが,確かに金融業界の多国籍化は進んでいる。
C企業の多国籍化は,各国における保護主義政策を招き,ブロック経済化が進行した。
 第二次世界大戦の一つの原因がブロック経済にあったと,確か日本史や世界史の教科書に出ていた。
<分析>
 多国籍企業については,Cを除くすべての教科書に記載されている。ただ,その解説は,この選択肢にあるほど詳しくはないから,ある程度常識的に判断するしかない。@・Aに関しては教科書の記述から十分類推できるが,Bについて直接的に触れている教科書はないから,ちょっと悩むかもしれない。正解のCがグローバリズムにともなう経済自由化の流れに反しているから誤りだといいうことは常識的に判断できそうではあるが,これも教科書には直接的には出てこないから,教科書のあちらこちらに書かれていることを総合的に集約して判断することになる。その点では難問といえるかもしれない。判定は△

問7
 次はEUへの歩みとして適当でないものを選ばせる問題。
@ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)において,石炭と鉄鋼に関する単一市場の形成がめざされた。
 欧州石炭鉄鋼共同体とわざわざ書いてあるんだから,これは石炭と鉄鋼のことに違いない訳で,考えるまでもない。
AEEC(欧州経済共同体)において,いくつかの例外を除いて,域外共通関税が撤廃された。
 利害が一致する域内では自由貿易を推進し,域外に対しては共通関税でのぞもうというのだから,これは間違い。
BEC(欧州共同体)において,いくつかの例外を除いて,域内の非関税障壁が撤廃された。
 域内の非関税障壁を撤廃するのが目的だから,これも考えるまでもない。
CEU(欧州連合)において,共通通貨ユーロが導入され,域内の通貨統合に向けて大きく前進した。
 これもごく当たり前のこと。
<分析>
 EUへの歩みは,すべての教科書に載っている。ただ,多くはECあたりからで,それ以前のECSCやEECは用語がでてくる程度で説明はない。ただ,地域的経済統合の意味がわかっていれば正解は導き出せる。判定は○。オーソドックスな基本問題といえるだろう。

第1問  第2問  第3問  第4問  集計
  
★第15日★
【第5問】
 第4問までは比較的順調に問題を解いてきた(つもりだった)のだが,ここにきて何だか忙しくなってしまって……,いや,正確に言うと忙しいような気がしただけなのだが,急に進まなくなってしまった。残すは第5問だけ。がんばります。その第5問は経済史の問題。高校生と違って,筆者はリアルタイムに体験してきた世代なので,これはできないとまずいなあ。
問1
 1950年代から60年代にかけての税制を問う問題。問1は例によって適当でないものを選ばなくてはらなない。「問1=間違い探し」説はほとんど定説化できそうだ。ただし,前にも言ったが,だからといって何の役にもたたない。
@税率一定の付加価値税は,累進所得税と比べ,ビルト・イン・スタビライザー機能が比較的大きいという特徴をもっている。
 ビルト・イン・スタビライザーは,日本語で言うと「景気の自動安定装置」だったかな。財政制度の中にあらかじめ組み込まれた機能で,累進所得税でその効果が高いはずだった。
A累進所得税は,税率一定の付加価値税と比べ,税負担の垂直的公平が達成されるという特徴をもっている。
 かつてビートたけしさんが「オイラ高額所得者って言われるけど,これだけ稼ぐには人の何十倍も働いている訳で,それなのにこんなに税金持っていかれたらたまったもんじゃないよ」ってなことを言っていた。単純に,儲かっている企業や儲かっている人からジャンジャン税金取ればいい,と思っていたのは自分が怠け者の貧乏人だからか,と反省したものだが,この累進所得税のお陰でこれまで日本の社会は格差が小さかったのだとすれば,最近貧富の格差が大きくなりつつあるというようなニュースを聞くと,やっぱり儲かっている企業や人からジャンジャン税金を集めて欲しい,と思ってしまう今日この頃です。
B日本の所得税では,給与所得者,自営業者,農業従事者の間で所得補足率に差があり,税負担の不公平の一因とされてきた。
 俗に「トーゴーサン」なんて言うんだったな。「トーゴーサン」と言っても「東郷さん」ではない。所得補足率が,サラリーマン10割,自営業5割,農家3割程度というのを称して「トーゴーサン」と言うんだそうだ。サラリーマンは給料から税金が天引きされてしまうので,ゴマかすことができない。ほぼ完璧に持って行かれます。もっとも,国民には納税の義務があると日本国憲法にも記されているくらいだから,ゴマかしてはいけない。もちろん,自営業者や農家の方もゴマかしているわけではないはずです。でもサラリーマンからすると何となく不公平だなという印象はぬぐえない,とまあそういう問題でした。しかし考えてみると,企業の計画的な脱税はよく社会問題となるし,脱税とまではいかなくても,決算時に利益が出ると何とかして税金を少なくしようとする,いわゆる「節税」なる対策をとるのはごく当たり前になっている。自営業者や農家の所得補足よりもこっちのほうが問題ではないだろうか,という気がしなくもない。しかし,そんなことはとりあえず問題とは関係ない。ついつい頭が脱線してしまう私って,やっぱり受験には向いていないんでしょうか。
Cシャウプ勧告では,直接税を中心に据えた税体系が提唱され,その後の日本の税制に大きな影響を与えた。
 冒頭で,筆者はリアルタイムで体験してきた世代であると書いたが,訂正します。シャウプさんは知りません。生まれてません。でも,ここで言っていることは歴史の教科書で習いました。その通りだと思います。
<分析>
 @ビルト・イン・スタビライザーはもちろんすべての教科書に出てくる。B・C・D・Eは累進課税との関係にも直接的にふれている。
 A垂直的公平とは,所得の多い人は多く,少ない人は少なくという,まさに累進課税の目的とするところである。これに対して水平的公平とは,職業のいかんにかかわらず同じ所得であれば同じ税額とすることをいう。この両者について説明してあるのはAとFのみ。
 B所得の捕捉率による不公平税制については,Bを除くすべての教科書が解説している。
 Cシャウプ勧告については,Dを除くすべての教科書が解説している。
 ということで,B・Cが正しいということは明白にわかる。問題は@・Aだが,Aの垂直的公平という用語がわからなくても,これが正しいということを類推することは可能だし,@についても4つの教科書が載せているので,判定は○

問2
 財政投融資の問題である。1953年から2004年までのほぼ10年おきの使途別構成比を示した表があり,使途が伏せられているA・B・Cの組み合わせを答えさせる問題。これは実際の問題を見てもらうしかない。選択肢も単なる組み合わせだから,再掲載するほどの内容ではない。したがって教科書の分析結果だけ記すことにする。
<分析>
 財政投融資はすべての教科書が記載しているが,その使途別内訳について参考資料が掲載されているのはBとFのみ。仮にこれらの教科書を使った高校生でも,この資料の内容を覚えている生徒はどれだけいるだろうか。判定は×とせざるを得ないか。
 ただ,この問題の表をながめながら,戦後の財政政策を考えてみると,ある程度の類推は可能と思われる。Aは1953年に29.1%だったのがその後急速に数字が下降し,2004年には1.6%にまで下がっている。これに対してBは,ほぼ一貫して上昇してきており,2004年には26.4%にまで達している。Cは1995年まで上がり続け,この年35.3%に達したにもかかわらず,2004年には一気に7.5%にまで下落している。選択肢にある項目,「産業・技術」「生活環境整備」「住宅」をどれに当てはめるか考えるのは面白い考察だし,その意義は十分ある。この期に及んで何で今さら財政投融資なの,という気がしないでもないが,それを差し引いてもこれは良問といってよいのではないだろうか。

★第16日★
問3
 次は公共投資の問題。日本・アメリカ・イギリスの公共投資の大きさを,1970年から2002年にわたって,それぞれの国の対GDP比で示したグラフを見ての設問である。A国は,4.5%ぐらいから6%強の間で波をつくりながら高水準を維持して推移している。B国は1975年ごろに5%超のピークをつくってのち80年代に一気に2%前後に下落してそのままややジリ貧状態で推移している。C国は2%前後でほとんど一定である。これらA・B・Cの国名の組み合わせを選ばせる問題である。これも選択肢を記載しても意味はないので省略し,分析に移る。
<分析>
 これはニュースで報道されたあの設問だ。同じ教科書会社としては正直なところあまり触れたくはないのだが,これにはいろいろな問題が含まれているので,整理してみる。
 まずこの手の設問は,覚えた知識ではなく,与えられた条件から思考して結論を導き出させる,つまり思考力を問うことを目的としている。第1問の問8,第2問の問4,前問(第5問の問2)などがそうした設問である。このような設問は,考えるための条件にあたる部分が特定の教科書にそっくりそのまま載っていてはいけない。思考力が問えないし,不公平になってしまうからである。
 ところが,このグラフとほとんど同じグラフが,ある教科書に載っていた。筆者の手元にある6冊のうちの一つでもある。このような事態が起こると,通常,それは作問者のミスとしてセンターは批判される。それはまあ仕方がないだろう。しかし,今回問題になったのは,その教科書に載っている国名が,正解とは異なっていた点にある。センターの解答は正しい。つまり,教科書のグラフの国名が間違っていたのである。この教科書できちんと勉強した受験生は,このグラフを見てラッキーと思ったことだろう。そして,嬉々として教科書にあった国名を当てはめたに違いない。ところがそれが間違いだった……。
 この報道を目にしたとき,筆者は文字通り背筋が寒くなった。問題となったのは他社の教科書ではあるが,これはどこの教科書におこってもおかしくない出来事であり,とても他人事とは思えなかったからである。教科書会社の責任の重さを痛感させられた出来事だった。
 さて,この事件(?)はさておき,この設問を純粋に分析してみると,この設問のもう一つの特異性が見えてくる。繰り返すが,この手の問題は思考力を問う問題でなければ意味がない。思考力を問うには,考えるにあたって手がかりとなる前提条件が示されているか,あるいはその前提条件が既習事項の中に含まれていなければならない。ところが,この問題にはそれがないのである。仮に日本の公共投資がかなり大きいとしても,それが対GDP比で何%になっているかなどということを知っている受験生はほとんどいないのではないか。アメリカ・イギリスにしてもそうである。つまり,そのことを知識として頭に入れていない限り,国名を特定しようがないのである。考えようがない。これは,1社にだけ同じグラフが載っていたことと合わせて,ちょっと問題ではないだろうか。それとも出題者は,このような情報がほかの教科書にも結構載っているだろうと考えたのだろうか。もしそうだとすると,やはり教科書をよく調べていないということになるし,この設問は思考力を問う問題ではなく,単なる知識問題ということにもなる。うーん,理解に苦しむ。前問が良問だっただけに残念だ。
 ということで前置きが長くなったが,当然判定は×だ。

問4
 前問で重苦しい空気に包まれてしまった。気を取り直して次にいこう。次は消費支出に関する問題だ。
@好況期には貯蓄が増えるため,国全体の消費支出は減少する傾向がある。
 景気がいいとどんどんお金が入ってくる。どんどんお金が入ってくればどんどん使いたくなる,というのが人情ってもんじゃありませんか。そんなときにセコセコと貯金している人って,偉いのかもしれないけれど,あんまり友達にはなりなくないなあ。
A所得が多いほど,消費支出に占める食料費の割合は上昇する傾向がある。
 うーん,これは考えてしまった。所得が多いと美味いもんをたらふく食べられる。だから食料費の割合が上昇するかもしれない。しかし普通,人間は貧しくても食べないわけにはいかない。着るものなんかは買わずに我慢できても,食べ物だけはどうしようもない。だから,どちらかというと所得が少ないほど食料費の割合は上昇しそうだ,とも言える。ところがである。筆者の学生時代の友人は,お金がなくなるとまず食費を切りつめていた。彼は,生活費が足りなくなってくると,次の仕送りが届くまでの数日間,1日3食,食パン1枚を水で流し込んで急場をしのいでいた。これをどう考えたらいいのだろう。しかもその彼が,今やある銀行の支店長となっている。これを「意外」と捉えるべきなのか,「やはり」と捉えるべきなのか。またまた筆者は深く深く悩んでしまうのであります。
Bレジャーや教育などへの支出が増えると,消費財への支出割合が小さくなるので,消費支出は減少する傾向がある。
 レジャーや教育などへの支出も消費でしょう。
C家計が保有している株式や土地などの価格が上がると,資産効果が働いて,消費支出は増加する傾向がある。
 何だかバブルの頃を思い出すなあ。
<分析>
 結論から言うと,選択肢にかかわらずこの設問に関する記述が載っているのは,Aだけだ。しかもAには,@からCのすべてが記述されている。というより,Aだけに@からCの記述があり,他にはまったくと言っていいほど,ない。正解はCだが,ここにある「資産効果」なる用語もAにしかない。これは前問同様,どう見ても偏っているとしか言いようがない。作問者は,このAの教科書をもとにこの設問を作成したとしか思えない状況証拠がそろっているのだが,真相やいかに。
 その点はとりあえず置いておいて,純粋に設問を分析してみると,@からBについてはまあ常識的におかしいと判断することは可能だろう。しかし,Cが正しいかどうかは俄には判断がつきかねるかもしれない。正解にたどり着くことは必ずしも難しいことではないかもしれないが,いずれにしてもA以外の教科書にはまったく出ていないことは事実なので,判定は×。前問といいこの問題といい,それにしても……,な気分だ。

★第17日★
問5
 次は社会福祉の問題。今話題の年金について。適当でないものを選ぶ。
@日本の公的年金制度は,積立方式として発足したため,現在,国民年金(基礎年金)への加入は任意とされている。
 国民年金は賦課方式。厚生年金は賦課と積立の中間方式だから,積立方式は間違い。加入は任意も間違い。国民年金の加入は義務だ。20歳になったら加入しなきゃいけない。年金のCMに出ていた女優さんが年金に未加入だったって大騒ぎになったことがあったじゃないですか。そんな事件もとても遠い昔のことのような気がするけど。その後続々と政治家にも未加入があったことがわかって,政党の党首が交代するなんて事態に発展したんだったっけ。だから,義務なんです。義務!
 ちなみに,サラリーマンだと保険料は税金と一緒に天引きされます。毎月,給与明細を見るのがつらいんです。はい。
A日本の公的年金制度は,共通の基礎年金を支給する国民年金に加え,厚生年金や共済年金では報酬比例年金を支給する制度となっている。
 いわゆる2階建てっていうやつですね。
B賦課方式による公的年金は,高齢者世代に支給する年金を,その時点の現役世代から徴収した年金保険料で賄う方式である。
 つまり,今私たちが払っている保険料は自分たちのためのものではなくて,今の老人のために使われている訳です。自分たちの受け取る年金は,その時の現役世代が支払う保険料で賄われる訳です。払う世代よりも,受け取る世代の方が人数が多かったら,大変ですよね。これから,そんな大変な時代になるんですって。
C積立方式による公的年金制度は,高齢者世代に支給する年金を,その世代が過去に支払った年金保険料の積立金とその運用益で賄う方式である。
 って考えると,なんだか積立方式の方がすっきりしているような感じもしますよね。ま,いろいろあるんでしょうけど。
<分析>
 年金についてはすべての教科書が記述しているが,CとFは説明が少なく,この設問を解くには物足りない。ただ,ほかの教科書では完全に解けるし,CとFでも@が誤りであることは判断できそうなので,判定は○とする。

問6
 次は財政赤字に関する問題。国際発行と消化に対する制度的制約として適当なものを選ぶ。
@銀行資金が国債購入に充当されることで,民間投資に回らなくなるのを防ぐため,発行される建設国債を直接購入するのは日本銀行に限られる。
 そんなことはないよね。筆者も国債買ってます。
A国債発行については,赤字国債発行の原則があり,建設国債を発行する場合には,発行年度ごとに法律を制定することが義務付けられている。
 毎年特例法で発行しているのが赤字国債だから,これは逆だ。
B建設国債の発行は,公共事業などの投資的経費の財源を調達する場合に限って,国会で議決された金額の範囲内で認められている。
 その通り……のはずだ。
C人件費などの経常経費の財源を調達する赤字国債の発行は,財政運営の円滑化を図るという観点から,日本銀行引受けの範囲内で認められている。
 しつこいようだが,筆者は国債買ってます。
<分析>
 @からCの選択肢は,結局のところ,建設国債と赤字国債の発行の仕方についていろいろ表現を変えているに過ぎない。ポイントとなるのは,建設国債は公共事業等の財源にあてる国債で国会の議決が必要なこと,赤字国債は歳入不足を補うための国債で特例法を制定した上で発行すること,の2点。建設国債・赤字国債に関してはすべての教科書が記述しているが,この定義を明確に示しているのはAとCの2冊だけ。Bの正解を導くことは,ほかの4冊からは難しいかもしれない。一方,国債の消化に関する記述は教科書にはない。したがって,Cについてはまったく判断がつかないということになる。ということで,判定は×
 国債の定義付けはまあ確かに大切ではあるが,しかしどの教科書も,国債発行の解説で重要視しているのは,国債依存度と残高の高さである。どうせ問うのなら,そのあたりのことを問うて欲しかった気はする。そうすれば,単なる知識問題を超えた奥行きのある学習に結びついたのではないか。来年,再来年と勉強する高校生たちのためにも。

問7
 とうとう最後の設問となった。いい問題,期待してますよ! ということで,問7は2001年の省庁再編に関する問題。
@政策および企画をつかさどるために,副大臣と政務次官のポストが導入され,政務官ポストが廃止された。
 なくなったのが政務次官じゃなかった? 国会の答弁なんかでも,以前は官僚がやってたりしたんだった。官僚主導から政治家主導に切り替えようというのがねらいだったはずだ。
A内閣の機能を強化するために,公正取引委員会や中央労働委員会など,行政委員会の内閣からの独立性が弱められた。
 行政委員会は内閣から独立した存在で,その独立性が弱められてしまったら,なんのための行政委員会だかわからなくなってしまう。
B民間経済の動向を的確に把握し,省庁横断的な予算を迅速に編成する機関として,財務省に経済財政諮問会議が設置された。
 経済財政諮問会議って,郵政民営化のあれだよね。財務省だったっけ?
C重要政策について内閣を補佐し,行政各部の統一を図るための企画立案や総合調整を担う行政機関として,内閣府が設置された。
 内閣府は確か省庁再編のひとつの目玉でもあった。
<分析>
 @だが,正しくは副大臣と政務官が導入され,政務次官が廃止された。ただし,このことが載っている教科書は皆無。
 Aの行政委員会はすべての教科書が解説している。省庁再編で独立性が強められたか弱められたかは載ってはいないが,まあ常識の範囲内でしょう。
 Bの経済財政諮問会議は内閣府の所属だ。といっても,これが載っている教科書は皆無。
 Cの内閣府はもちろんすべての教科書に出てくるが,その内容に立ち入って説明しているのはAとFだけ。しかも,完全にこの選択肢に対応できるのはFのみ。
 と見てくると,教科書だけで対応するには少々無理がありそう。判定は×。ただ,この設問は,省庁再編直後であれば時事問題としていい問題だったかもしれないが,なぜ今なの? という疑問が残る。常識として知っておくべき事柄であることは認めるが,教科書ではさほど重要視している項目でもない。すでに省庁再編から5年たっているわけで,再編でこう変わりました,と教える時期でもない。しかも単なる知識問題だし,センター試験のしめくくりに置くほどの設問なのだろうか。より時事的な話題はいくらでもあったろうに……と,最後までブツブツ言って終わることになってしまった。

★集計★
 さて,これで全問終了した。長い間お付き合いくださった読者の皆様,ありがとうございました。こんな駄文を最後まで欠かさず読んでくれた人がどれだけいるのかわかりませんが,もし全部読んでくれた人がいたとしたら,すてきな景品を差しあげます,と言いたいくらいうれしく思います。景品はあげませんが。
 ということで,以下,判定結果を集計します。

設問 判定 配点
第1問
問1
問2
問3 ×
問4 ×
問5 ×
問6 ×
問7
問8
問9
問10
第2問
問1
問2
問3
問4
問5
問6 ×
問7
第3問
問1 ×
問2
問3 ×
問4
問5
問6
問7 ×
第4問
問1
問2 ×
問3
問4 ×
問5 ×
問6
問7
第5問
問1
問2 ×
問3 ×
問4 ×
問5
問6 ×
問7 ×

 ○が38問中,17問。△が5問。点数を計算すると,○だけで100点満点中,46点。△が12点。△が全部できたとすると,合計58点となる。6割弱だ。平均点は例年50点台半ばから60点台半ばあたりになっている。したがって,平均点に届くか届かないかといったところだろう。決して高いとはいえない。やはり,教科書だけではちょっと無理がありそうだ。平均点以上の得点を期待するのなら,日頃のプラスαの学習が必要という,教科書会社としては内心忸怩たる思いのする結果であった。

第1問  第2問  第3問  第4問  第5問
  
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