教育

◆全公立校にパソコン網

 政府は4月下旬に打ち出す総合経済対策の柱として、98年度補正予算に情報通信分野で1兆円の国費を盛り込む検討に着手した。2000年までに全国3万8000の公立学校をインターネットに接続、中高校については今年度中に生徒が1人1台のパソコンを使える教室を全校に設ける計画。このほか、民間事業者向け公的支援による学校向けの割引通信料金の導入や、情報教育を先行実施する学校に補助金を重点配分するモデル校制度も盛り込む。

◆「福祉工学科」設置増える

 介護・福祉機器の開発や専門技術者の育成を目指す「福祉工学科」を設置する大学が増えている。今年度は新潟大学や秋田大学が学科・専門講座を新設、99年度以降も福岡県立大、福井大などが計画または検討中だ。文部省や通産省は新産業創出や雇用確保の観点からも福祉工学の普及を後押しする構えで、今後も学部・学科を設ける動きは広がると見られる。通産省の予測では、介護・福祉機器の市場規模は2005年度時点で95年度の約2倍の1兆7000億円。

◆米軍家族らを英語講師に

 米軍横須賀基地がある神奈川県横須賀市は、5月から米軍人、軍属の家族らを英語講師に採用し、市立中学校・高校へ英語指導助手として派遣する。外国人指導助手の派遣は、財団法人自治体国際化協会があっせんする制度が一般的。この制度を使うと外国から講師を招くことも多く、住宅を用意しなくてはならない。横須賀市教委では、在日米軍なら経費がかからないと考えた。長崎県佐世保市でも年間30回程度、米軍人の家族らを小中学校に派遣しているが、本格的に実施するのは横須賀市が初めて。

◆葛飾区が「病院内学級」開設

 葛飾区は4月から、長期入院している子供たちが授業に後れをとることがないようにと、東京慈恵会医科大附属青戸病院に「病院内学級」を開設した。都では養護学校の教員が病院を訪問して教える「訪問教育」を実施している。この場合だと授業時間や教科が限られているが、「病院内学級」は普通の学級とほぼ同じカリキュラムで授業を進める。

◆群馬・上武大で「講義理解能力試験」

 群馬県伊勢崎市の私立上武大は来春、受験生に大学教授らの講義を聴かせ、内容について出題するユニークな入試を始める。経営情報学部と商学部で各50人を新入試で募集する。3コマ各40分の講義を受講し、それぞれ30分で主に記述で回答する。取ったメモをもとに回答してもかまわない。この方法によって、普通の試験が苦手な受験生が合格する可能性は高いという。

◆医学部学士編入制度

 国立の群馬大医学部と島根医科大の2校で、大学を卒業した人(学士)を対象にした学士入学試験を実施したところ、群馬大で168.6倍、島根医大で65.7倍という高倍率になり、医師に対する人気の根強さをしめした。受験者には文系出身者も多く、最高齢は66歳、公務員や外国人もいた。2000年度には、千葉大、神戸大で、医学部の学士編入学制度を実施することを決めており、多くの国立大学で検討が進んでいる。

◆女性と大学

 89年以降、女子の大学・短大進学率は、48.9%と男子を上回っている。若年人口の減少で各大学にとって学生確保が最大の懸案になるなか、大学は女子学生にとって魅力のある学科づくりを急いでいる。96年には、女性の大学入学者数が短大入学者数を上回ったため、短大は4年制に移行したり、資格取得講座を設けて就職予備校化する動きを見せている。女子大離れも進んでおり、今後、共学校との間で単位互換制度を取り入れるといった交流の必要性が指摘されている。


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桐原書店

98年6月4日