![]()
環境
◆ダイオキシン調査
――焼却場近くの牧場、牛乳に高濃度のダイオキシン――
帯広畜産大学の中野益男教授の調査で、ごみ焼却場に近い牧場の乳牛から採った牛乳からは高濃度のダイオキシンが検出されることがわかった。各牧場の土壌と牧草のダイオキシン濃度も中心に近いほど高かった。乳脂肪からは1グラム当たり4.6ピコ(1ピコ=1兆分の1)グラムのダイオキシンが検出され、これは欧州各国の規制基準では廃棄処分される濃度に近いという。例えばオランダでは、6ピコグラム以上だと牛乳とともに廃棄処分、ドイツでも5ピコグラムを超えると取引禁止が定められている。日本には牛乳や乳製品のダイオキシン規制はなく、早急な規制が必要になってくるだろうと思われる。
――母乳中のダイオキシン――
厚生省の調査で、母乳中のダイオキシン濃度の平均値が、厚生省が定めている1日の摂取許容量を約6倍も上回る結果となった。さらに1970年代前半は96年に比べ2倍の濃度であることもわかった。――大阪の焼却施設で土壌から高濃度ダイオキシン――
大阪府能勢町のごみ焼却施設「豊能群美化センター」敷地内の土壌から1グラム当たり8500ピコグラムの高濃度ダイオキシンが検出されていたことが16日わかった。これは国内最高値の3倍以上の値。センターから離れるにつれて数値が小さくなっており、焼却施設が原因である可能性が高い。――横浜市の処分場の半数が、環境庁の基準値超す――
横浜市の一般廃棄物最終処分場で、市が大気中のダイオキシン濃度を測定した結果、測定地点の半数で環境庁の基準値を超えていたことが17日わかった。焼却炉のダイオキシン値は昨年12月から規制されたが、その灰を捨てる最終処分場は規制対象から外されている。処分場の汚染の実態をつかむために、全国の処分場も調査が望まれる。――所沢市で毛髪に多量ダイオキシン――
埼玉県所沢市は、住民の血液、毛髪、母乳に含まれるダイオキシン量を調査し、28日結果を発表した。公的機関が毛髪の調査をしたのは初めて。その結果、毛髪からは1グラム中、平均で2.26ピコグラムを検出。94〜95年の大阪府枚方市、大東市での独自調査の際の平均値0.89ピコグラムを大幅に上回り、同市の大気中のダイオキシン濃度がかなり高いことを示している。◆環境ホルモン研究、活発化
環境ホルモンの科学的な解明に向けた動きが活発になってきている。東京で1〜5日に開かれた日本水産学会では、環境ホルモンに関する発表が20件以上あり、数件程度だった昨年から大幅に増えた。学会では、多摩川のコイや日本近海の貝類の生殖器異常などが報告された。
政府内では研究体制を拡充する動きも出ており、総額16兆円にのぼる総合経済対策案でも環境保全対策の目玉として環境ホルモン対策が浮上している。国立環境研究所に専門の研究施設を建て、国内外の研究者の共同研究拠点とするほか、環境ホルモンの調査地点を現在の41から400に増やす計画。
◆温暖化ガス、日ロ共同で削減
地球温暖化ガスの削減について、日本政府がロシアに提案していた「共同実施活動」や「排出権取引」の促進について、ロシア政府が正式に受け入れの意思を表明した。温暖化ガス削減の共同実施活動は、ロシアの発電所や送電網の省エネ効率の改善、天然ガスへの燃料転換の促進、石油精製設備の近代化などに日本が協力するもの。日本政府は他国との共同実施や排出権取引で、削減目標の6%のうち1.8%分を減らすことを見込んでいる。共同実施のパートナーとして浮上している中国などアジア諸国や中南米の一部とは、協議が順調に進んでおらず、ロシアがパートナー第1号となる。
◆本田技研工業、工場の廃棄物ゼロに
本田技研工業が13日、「グリーン・ファクトリー」計画を発表した。この計画は、2001年をめどに、工場から排出する有害物質や廃棄物をほぼゼロに抑え、売上高あたりのエネルギー使用量を90年比15%減に抑え、二酸化炭素(CO2)の排出量も減少させる、というもの。廃棄物ゼロを掲げたのは自動車業界でも初めて。同社ではすでに、排出物のうちガラスや廃油など約89%はリサイクルしており、その他の大半も社内で焼却処理などしている。2001年には複合樹脂の小片や塗料かすなどを原材料として活用するほか、鋳造砂を路盤材に利用してリサイクル率を高める。同社は国内の全6拠点に続き、98年度中には欧米やアジアの主要工場でも生産設備の環境対応を進め、環境管理システムの国際規格であるISO14001の認証を取得していく。
◆ゴミ弁連結成
ごみ処理施設をめぐる訴訟の急増を受け、住民サイドでごみ問題に取り組む弁護士が「たたかう住民と共にゴミ問題の解決を目指す弁護士連絡会」(略称・ゴミ弁連)を結成する。当面は、山梨県若草町の産廃中間処理施設をめぐり、ダイオキシンの危険性を根拠にして甲府地裁が出した建設中止決定(今年2月)をテーマに勉強会を開催する。会長に就任する梶山正三弁護士は、「環境ホルモン問題も視野に入れて活動していきたい」という。市民団体「廃棄物処分場問題全国ネットワーク」では「訴訟での勝利は国のごみ行政を変える大きな後押しになり、ゴミ弁連の結成を待ち望んでいた」と歓迎している。◆化学物質排出量、企業に報告義務
通産省は29日までに、工場や事業所などから出る化学物質の量の報告を企業に義務づける「化学物質排出・移動登録制度」を2000年度をめどに導入する方針を決めた。環境ホルモンなど多種多様な化学物質による環境汚染を防ぐのが目的。データは国が公表し、排出状況をガラス張りにして企業の自主的な管理を促す。◆京都議定書に署名
日本政府は28日、昨年12月の地球温暖化防止京都会議で採択された京都議定書に署名した。議定書は締約国55か国以上の批准などを発効条件としており、日本は14番目の署名国。主要先進国としては最初の署名となった。
[ホーム] [政治] [経済] [社会] [教育] [歴史] [文化] [キーワード] [テーマ] [歴史探訪] [時事教養]
