FACTBOOK English Logic and Expression Ⅲ タスク指導の手引き
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4している。このようなプロセスを重視する考えは,本教科書のWriteの活動でも同様である。スピーキングタスクを達成した後で,同一のトピックでのライティングタスクに取り組むことで,思考の足場がかかった状態で,さらに考えを深めていく。FACTBOOK Iではまず1文で発信するタスクを行い,その後のタスクで3文,さらには5文以上へと段階的に内容を深めていく活動を行った。FACTBOOK IIではより本格的に,意見文やメールや要望書などの多様な形式の作文を通して,まとまりのある内容を発信できるようにしていった。また,Thinking Logicallyの課では,まずIで意見型,次にIIで描写型,問題解決型,原因・結果型,比較・対比型のパラグラフの型について段階的に取り上げ,意見文の複数のパラグラフから成るエッセイへの展開の仕方についても扱った。また,FACTBOOK IIまでと同様に,ステップを踏んだプロセスライティングの過程を示すとともに,レベルの異なるモデルの談話完成課題に取り組むことを通して,Tips for Improvementのヒントをもとに具体的にモデルを改善していく過程を学ぶことができる。Even better!においては,より高度な文を作れるようにするために,言語表現の質を改善したり,文をつなげて論理的なつながりを改善したりする活動も取り入れている。さらには,Extra Writingの活動を設けることで,異なるトピックで再度同様の型のライティングに取り組むことで,パラグラフの型への習熟を図るとともに,多様なトピックへの対応力をつけることも意図している。なお,スピーチ,プレゼンテーション,ディベート,ディスカッションなどのよりアカデミックなスピーキング活動に関しては,スキルページとして別途解説ページが設けられ,通常課の活動内容を膨らませて取り組めるように位置づけられている。IやIIでも同様のスキルページを設けていたが,IIIではフォーマルディスカッション,アカデミックディベート,リサーチプレゼンテーションとより発展的なスキルを扱っている。また,メールやインフォグラフィックの描写などのライティングに関するスキルページも設けている。3つ目の重要な点は,「学びに向かう力」を主体的かつ自律的にコミュニケーションを図る態度と統合的にとらえることである。新課程の学習指導要領では,外国語によるコミュニケーションを行う際に「見方・考え方」を働かせながら言語活動に取り組むことが重視されており,「見方・考え方」は「外国語で表現し伝え合うため,外国語やその背景にある文化FACTBOOK IIIでは,IIで学んだパラグラフの型に「グラフ説明型」を加えた5つの型について通常Unitで扱う(原因・結果型と問題解決型は,因果関係を扱う点においてひとまとまりとして考えることができる)。また,「日常的・社会的話題」について1st Stageで5つのパラグラフ展開方法を学んだ後で,「社会的・抽象的話題」へと深めつつ,再度,2nd Stageでそれぞれの発展的な展開方法について学ぶ。さらには,3rd StageのThinking Logicallyの課では応用的に,複数の資料をもとにしながら,原因・結果型のパラグラフを複数パラグラフから成る問題解決型のエッセイへと展開する。ライティングの足場がけとしては,それぞれのパラグラフの型に応じたライティングストラテジーをサンプルパラグラフとともに示しており,役に立つ言語表現としてUseful Expressions for Good Logicをサンプル文の中から取り出して例示するなどの工夫をしている。

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