FACTBOOK English Logic and Expression Ⅲ タスク指導の手引き
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17に効果的な活動を実施してほしい。一連のWriteの活動では,スモールステップを踏んで段階的に書く内容を積み上げていき,最終的にパラグラフが完成できるような流れで活動を設定している。例えば,Step 1およびStep 2ではアイデアをまとめてパラグラフのアウトラインを作るため,この段階では詳細な内容まで時間をかけて考える必要はない。各段階で求められていることを理解せずに趣旨と異なることを行ったり,段階の順序を間違えて活動を実施したりすると,各活動で書いた内容が円滑につながらず,内容に不備のあるパラグラフが完成することが予想される。活動中,教師は生徒が書いている内容をよく観察し,生徒が求められていることと異なる内容を書いている場合には,早い段階で軌道を修正しておく必要があるだろう。また逆に,トピックに対する内容理解が十分に深まっていたり,生徒の発達段階が早かったりする場合には,すべての活動を順に追っていくことが冗長に感じられ,生徒が興味や関心を失ってしまうという可能性もある。その場合には不要な活動を省いたり,Promptに課題を追加して活動のハードルを少し高くしたりするなどの方法が考えられる。いずれにしても活動中は生徒の様子,生徒が書いている内容を十分に観察し,常に生徒にとって効果的な活動となることを心掛けておきたい。トピックに関するアイデアを発展させ,パラグラフを書くためにそれらを整理する段階である。FACTBOOK IではOREO型を用いてイメージを図式化したものにアイデアを記入しまとめる活動であったが,IIIではOREO型のみでなく,時間軸に沿って内容をまとめるもの,比較・対比した内容をまとめるものなど,各Unitで扱うパラグラフの型に合わせたイメージを用いて内容を整理していく。Speakの活動を通じてすでに内容に関して理解や考えを深めていることから,ここではあまり多くの準備時間を必要とせず,すぐに内容を書き込んでいけるようにしておきたい。②Step 2: Outlining(アウトラインを作る)Step 1でまとめたアイデアをもとに,パラグラフの構成をまとめる段階である。どのUnitでもTopic Sentence,Supporting Sentences,Concluding Sentenceを書き込む形①Step 1: Organizing(アイデアをまとめる)7-2. 活動前および活動中の留意点前述したように,一連のWriteの活動では,Speakと同じPromptを踏まえて活動を行う。Speakで効果的な議論ができておらず,トピックに対する考えが深まっていない場合には,Writeの活動へ円滑につなげていくことが難しくなるため,Speakの段階から,Writeの活動へつなげることを意識して指導を行っておくとよいだろう。1つの授業時間内でSpeakからWriteへの活動へと続かずに授業時間が空いてしまう場合には,Writeの活動を行う前に再度Speakの活動に簡単に取り組ませたり,トピックに関して学んだ内容について再度触れたりしておくとよいだろう。7-3. Write(Step 1~Step 4)の目的と活動内容以下に各Stepについて解説する。

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