FACTBOOK English Logic and Expression Ⅲ タスク指導の手引き
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16注目させ,的を絞った活動となるように気をつけて実施するとよいだろう。もう一度実際の議論を行う活動に入る前には,より効果的な議論にするために必要なことに生徒が自ら気づき,自分自身でさまざまなことを振り返ってから2回目のSpeakに取り組むようにしていきたい。ただし先述したように,ここでは「論理・表現Ⅲ」であることも踏まえ,十分な準備時間があれば対話を続けられるようにするだけでは不十分であり,最終的には生徒が自分自身の力で即興的なやり取りができるようにつなげていくことも,教師は意識しておきたい点である。一連のWriteの活動が終わった後には,Presentation,Speech,Discussion,Debateの活動や,複数のパラグラフから成るエッセイを書くWrite a Multi-paragraph Essay,学習したパラグラフの型を用いて,異なる話題について書くExtra Writingの活動を設定している。各Unitにおいて必ずすべての活動を実施することを目指すのではなく,生徒の実態や授業時間等に応じて必要な活動を柔軟に取捨選択し,生徒の資質・能力を伸ばすためSpeak Againの活動では,生徒に「できる」という自信や達成感を感じさせ,次のWriteの活動に円滑に移れるようにすることが何よりも重要である。ペアによってやり取りのよしあしの差は当然出るところではあるが,少なくとも目標であるCan-Doについては,全員の生徒が達成できること,また生徒自身に達成できたと感じさせることがこの活動では不可欠である。教師はそのことが可能となるように一連の活動を関連づけ,決して生徒が「結局できなかった」という感覚を持ったまま活動を終えることのないように注意したい。教師は生徒の活動をよく観察し,教科書では扱っていない表現や内容を効果的にやり取りの中で使っていることに気づいた場合には,活動後にクラス全体で共有するなどして,教科書からだけではなく,自分たちの活動自体から学ぶ経験をさせると,生徒が英語を使う意欲を高めていくことにつなげることができるだろう。7-1. 活動の概要と流れFACTBOOK IIIではStep 1〜Step 4へと4つの段階を踏んでパラグラフを完成させる活動(FACTBOOK IおよびIIのThinking Logically内にあるものと同じ活動)から,その後に行う言語表現の質や論理的なつながりを改善するEven better!までを,一連のWriteの活動としている。ここで扱うPromptは基本的にSpeakのものと同じであり,すでに考えを深めるための十分な足場がけができた状態でWriteの活動が始められるような構成となっている。そのことに加え,Step 1: Organizingでアイデアをまとめ,Step 2: Outliningでアウトラインを作り,Step 3: Draftingで下書きを書き,Step 4: Improvingで下書きを改善するという細かい段階を踏むことで,どの生徒にとっても無理のない流れで活動を進め、パラグラフを完成することができる構成としている。年度当初は,それぞれの活動の中で生徒にとって必要な支援を教師が与え,パラグラフの完成を目指していくが,活動の中で徐々に生徒が自分自身で必要なことに気づき,主体的に自分の力でパラグラフを書くことができるようになる指導を心掛けていきたい。7. Writeのタスク活動

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