FACTBOOK English Logic and Expression Ⅲ タスク指導の手引き
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15ければならないことを確認させる必要がある。円滑に活動が進められていないペアが限定的であれば,個別に必要な事項を助言していけばよいが,教師は活動の途中で生徒にさまざまなことを教えすぎたり,活動中に生徒の発言を遮って誤りを指摘したりすることがないように気をつけたい。以上のように,ここでは生徒の活動を観察する必要があるため,教師は活動中に自由に動けるようにしておくことが必要である。例えば生徒の人数が半端で,ペアを組むと1人余ってしまう場合なども,教師がその生徒の相手をしてしまうと全体の活動を観察することができなくなってしまう。その際,3人のグループを1つ作って対応する場合には,比較的高い英語力を持つ生徒が1人で話し,ほかの2人は協力して話すことなども考えられる。いずれにしても授業ではさまざまな事態に直面することになるが,想定できる状況については事前に活動の準備を行っておくことで,実際の場面で慌てることなく対処することができるだろう。活動中にパートナーが使っていた表現で,次回の活動で自分自身が使えると思う表現を相手と確認する。表現できなかったことを書いてまとめておくのもよい。活動中に表現できなかった内容について,辞書等を利用して調べる。あるいはペアやグループになり,別の生徒であればその内容をどのように表現するか,アイデアを共有する。例えば多くの生徒が共通して表現できなかった内容や,よりよいやり取りの例について教師のフィードバックを受け,クラス全体で共有する。ほかにもいろいろな振り返りの活動を行うことができるが,いずれにしてもここでは,生徒が自身やほかの生徒の活動を振り返ることにより,さまざまなことに自分自身で気づくことを促す機会としたい。自分が英語を使ってできること,できないことに気づくことにより,教師が一方的に指導内容を教え込むのではなく,言語面・内容面の指導に必然性を生み出すことが可能となり,生徒の学びをさらに促すことができるだろう。・表現できなかった内容について調べる・教師のフィードバックを受ける6-5. 活動の振り返りFACTBOOK IIIの教科書にはSpeakの活動後,生徒が自身の活動内容を振り返るコーナーを特に設けてはいないが,IおよびIIと同様に,活動中に表現できたこと,できなかったことを書いてまとめておくことも効果的である。この振り返りの場面ではほかにもさまざまな活動を行うことができるので,以下にその例を挙げておく。・パートナーが使っていた表現を確認する6-6. Speak Againここでは,モデルとなるディスカッションの音声を聞き,その内容を確認する活動を経た後,Speakで行った活動にもう一度取り組むこととなる。モデルとなるディスカッションの内容を確認する際には,一語一句を細かく聞き取り,内容を正確に理解することに重点を置くのではなく,自分たちの議論をより効果的に行うために参考となる観点,または表現に

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