9らWrite More,Write More+への段階的なライティング指導に時間を割き,Writeの掲示版で3文程度のコメントを書く活動においては,可能であればリレー形式でインタラクティブに書き込みのまねをさせるなどして,生徒間でのやり取りを促すとよい。Write では談話完成課題に取り組みながら,2つあるサンプルの展開を比べることで,談話的な気づきを得ることを意図しているが,足場を外して,まずは自分で書いてみてからモデルを参考に書き直すこともできる。Write Moreに向けた支援としては,Analyzing an Online Discussionなどを活用し,テーマについて考えを協働的に発展させ,整理する時間を確保する。Write Moreでは意見文やさまざまな形式の文章のモデル文の談話完成を扱っているが,奇数Unitの意見文のみに絞るなど,より焦点化したライティング活動を行うこともできる。Write More+ではWrite Moreに3文を加えてより豊かな展開にするが,モデルに示されている改善ポイントを意識させることで,TLでのプロセスライティングにつなげる。TLは選択的に扱いたいパラグラフライティングの型を中心に扱い,Process Writing Tipsの活動を通じてライティングのコツをスパイラルに身につけて,自律的に活用できるようにする。また,ニーズによっては,各TLのSummarizing Information for Thinkingの要約文のライティング活動を横断的に扱ったり,奇数Unitの意見文を集中的に扱ったうえで,3パラグラフエッセイのTLに取り組んで仕上げとしたりすることもできる。3)タスク活動重視型Speakの前半のスピーキングタスク活動(ディスカッションやプレゼンテーション)と,WriteとWrite Moreのライティングタスク活動にバランスよく時間をかける。Speakは1つ目のCan-Doに絞り,2つ目の発展的な活動は原則扱わない。Write More+はレベルや到達段階に応じて扱いを変える。「使用」→「学習」→「使用」の流れを強調し,文法学習はタスク活動での言語表現の体験的な理解の後に位置づける。イラストなどを頼りに,それぞれのタスクの目的・場面・状況の理解に十分な時間をかけ,足場を調整しながら,段階的に「できる感」を育てることを心掛け,Can-Doリストを活用して何ができるようになるのかを意識づける。4)テーマ学習重視型TLに十分な時間をかけられるように,学期に1 回重点的に扱うテーマを決めるなどし,それ以外のテーマのUnitのタスク活動は軽重をつけて扱う。ListenやModel Discussionなどには,等身大の生徒たちに加えて,彼らの家族や親戚,さらにはいろいろな地域や社会の人々が登場し,FACTBOOK Iに比べて登場人物の輪がさらに広がっている。さまざまな世代や立場の人々の意見に耳を傾けて視野を広げ,TLについては巻末のキーワード解説も用いながら多様な視点を取り入れ,登場人物とともにテーマ的な学びを深めていくことを促す。
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