FACTBOOK English Logic and Expression Ⅱ タスク指導の手引き
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8本教科書の特徴の1つとして,幅広いレベルの活動を1 冊の教科書で取り扱っていることが挙げられる。それぞれの活動はテーマ的なつながりを持っており,すべての活動を行うことで,より深くテーマについて考えることを促す。一連のタスク活動を通して,考える視点とともに言語表現の幅が自然と広がり,談話展開もより論理的にまたスムーズな流れとなり,内容と言語を統合的に学習していくことができる。Unitの各活動にはそれぞれ言語的な,また思考のための足場がけの工夫がされており,各Partのテーマ的な学びの中で,UnitとTLの活動を一貫して行うことで,より大きな足場が得られるように設計している。ただし,それぞれの活動は独立性を保つように心掛けており,目の前の学習者のレベルやニーズに応じて柔軟に活動の焦点を変えながら,授業を組み立てることができる。また,各活動における支援の度合いもさまざまに調整することが可能である。文法に関しても,慣れないうちは学習を先行させ,より明示的な指導を行い,言語的な足場がけをしたうえでタスク活動に取り組ませることもできる。以下に,重点活動に応じた活動の組み合わせの例を示す。1)スピーキング活動重視型UnitのSpeakを中心に授業を組み立てる。Small TalkとListenで十分な背景知識の活性化と口慣らしを行い,各音源を用いながら音声で表現に親しませる。Listenは足場を外し,図の空所補充で要点を確認するだけではなく,その前に各自で自由にノートテイキングをさせることもできる。Listen Againでコミュニケーション方略への気づきを高めたうえで,選択肢の類似表現も含めて口頭練習を行い,Speakで活用できるようにする。Speakの冒頭のディスカッションやプレゼンテーション(リテリング)のタスクでは,イラストや写真をもとにTeacher Talkを行うなどし,状況や目的の理解をインタラクティブに促す。Information Cardにより情報差を設けた各ミッションの理解を深めるため,同じパートの学習者どうしで事前にタスク達成に向けた作戦を立てるなどの足場をかけることも有効である。それに続くSpeak MoreにもListen to a Presentation/Discussionで足場をかけつつ積極的に取り組ませる。1つ目のCan-Doから2つ目のCan-Doへの流れ(やり取りから発表,または発表からやり取りへの技能統合の流れ)も意識する。一方ライティング活動では,基本的にはWriteのみを扱い,各テーマで1 回Write Moreまで扱うなどの軽重を設ける。TLは各学期に1 回程度に留め,同じテーマのUnit はWrite More+まで扱うことで,TLへの足場とする。WriteのAnalyzing an Online Discussionで実際にチャット活動をしたり,代わりに話したりすることも効果的である。2)ライティング活動重視型Unitのスピーキング活動はSpeakの前半のみとし(Speak Againまで),ライティング活動への足場がけと位置づけ,Small TalkやListenも軽めの扱いとする。その分Writeか4. 生徒の状況に応じた活動

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