FACTBOOK English Logic and Expression Ⅱ タスク指導の手引き
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37で,飢餓支援への取り組みを促す記事を書くというタスクが与えられる。ここで求められているのは読み手に提案を行い,実際に行動を促すための文章を書くことであるため,奇数Unitのように単に自分の意見を述べるだけのパラグラフを書いたのでは不十分であり,他者を説得するための要素を補足して書く必要がある。つまり偶数Unitにおいては,どのような状況で何のために書くのかを,実際に書き始める前に生徒が十分に理解しておかなければならない。偶数Unitを扱う際にはそのことを念頭におき,クラス全体で共通理解を図ったうえで活動に取り組み始めるようにしたい。偶数Unitにおいてはさまざまな状況や形式を扱うことから,Writeのウェブ掲示板で行うタスクと,Write Moreで行うタスクが必ずしも同じ内容でつながるものではない場合もある。その場合には,Write Moreまでに行った活動は考える材料として生かしつつも,無理やり内容を結びつけて書くのではなく,Write Moreで提示されたタスクをしっかりと理9-9. Write More:例題による練習(Model A)ここでは,自分自身で文章を書く前に,そのための足場として,モデルの文章の設問を解く活動を行う。ここで行う活動は,前のWriteで扱った内容に関するモデルの文章(奇数Unitでは Model Paragraph,偶数UnitではModel ArticleやModel Requestなどのさまざまな形式)の空所に,ヒントをもとに文を付け足してモデル文章を完成させ,それを参考にWriteの時点で3文程度であった自身の文章を5文程度の内容へと膨らませることである。ヒントをもとにして各自が付け足した文章をペアやグループで確認したり,クラス全体で共有したりすることにより,どのようにすれば論理の構成や展開を工夫してよりよい文章を書くことができるようになるかを理解させておきたい。そのため意見文を扱う奇数Unitでは,モデルパラグラフの論理的な流れを分析する活動として,パラグラフ内の各文をO(Opinion),R(Reason),E(Example or Explanation)に分類する活動を行う。また,偶数UnitではCommunication Strategy として,モデルの文章内にある表現を取り上げ,例えばUnit 2では読み手が圧力を感じないような提案になるように,より和らげた表現を選ぶなど,読み手を配慮した表現に改善する活動を行う。これらの活動を通じて,内容を深めていくことと同時に,読み手を意識して論理的で説得力のある文章を書けるようにしていく。9-10. Write More:自身の考えを膨らませるここでははじめのWriteで生徒自身が書いた3文程度のウェブ掲示板でのコメントを使い,その後の活動で行ったことを参考にしながら情報を追加していくことで,5文程度の文章を書く活動を行う。もしこの時点で,最初に書いたコメントからでは内容を膨らませることが難しかったり,文章構成が適切ではないことに気づいたりした場合には,無理して元のコメントを使うのではなく,異なる内容に書き直して書き進めればよいだろう。いきなり個人で書き始めるのが難しい場合には,まずどのような内容を付け足すべきかを考えた後,ペアでそのアイデアを共有し,お互いにアドバイスをし合ってから書き始めるなどの進め方も有効である。

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